見出し画像

#日刊よくできました 28

朝はまあまあちゃんと起きられて、いつもより少し青っぽいカラコンをいれて街に出る。最近買ったブーツは膝下まである長さで、レースアップにベルトもついているのでけっこう見た目がごつい。履き心地もごつく、あるいているとぎしぎしとロボットのような音でもしそうな感覚だった。晴れていて、もうかなりあたたかい。青いジャケットに赤いバッグを合わせる。反対の印象の色同士をいっしょに身に付けることが好きで、最近はずっと赤と青を身に付けるようにしている。これが緑とピンクのときもあるし、白と黒の時もある、紫と黄色のときもあって、ゴッホの絵みたいと言われてうれしくなった日もあった。ゴッホの絵は糸杉が好きで、うねるような孤独を誰にも解られないということの可視化に祈りのような情念をみた。おろしたてのブーツでぎしぎしと歩いていくと街はいつもより少し遅くスクロールされ、とうぜん目的の電車には乗れない。だけれど、車窓から見える光がそのままちゃんと明るく見えたので、大丈夫だと思った。いつも、憂鬱には案外理由がない。落ち込む理由が100ある日でも、不思議と大丈夫であることだってあるのだ。今日はずっと機嫌が良かった。

初めて会う人には花でも買って行きたかったのだけれど、それも叶わずにてぶらで行ったら、とてもかわいいパッケージの紅茶をいただいた。王子様みたいになれたらいいな、と思いながら受け取る。こういうときにすこしだけロマンチックすぎるようなものを差し出せる、そういう人になりたいな、と思う。わたしは見た目があまりかっこいい感じではないから、心はちゃんとかっこよくありたい。ありたい、ありたい、というだけで実際はどうなのかわからないけれど、すくなくとも誰かにかっこよく振舞うには自分のことを認めて愛していられないと難しいと思うから、少しでも今日の日にちゃんと生きていた記録が残るよう、3月の初めの日を日記にしている。


ありがとうございます!助かります!