第16回TOHOシネマズ学生映画祭 プロモーション部門受賞者インタビュー


グランプリのyoshidaniel さん(右)、準グランプリの吉髙紫野さん(左)

第16回TOHOシネマズ学生映画祭終了後、プロモーション部門にてグランプリを受賞したyoshidaniel さん(法政大学3年生)、準グランプリの吉髙紫野さん(大正大学3年生)にインタビューを行いました。
 
「映画館に行くと自分が成長してレベルアップした気分になる」(yoshidaniel)
 
「『POP&COKE、POP&COKE』と唱えていたら、意外と語感が似ている言葉ってあるなと」(吉髙)
 
――受賞おめでとうございます!率直な感想をお聞かせください。
 
yoshidaniel「ひとまず本当によかったです。自信はあったんですが、このまま映像制作を続けて大丈夫だというさらなる自信になりました」
 
吉髙紫野(以下、吉髙)「作るからにはおもしろくてユニークなものにしたかったので、それが講評の時に評価されていて本当にうれしかったです」
 
――賞金とコカ・コーラ1年分の副賞はどうされますか?
 
yoshidaniel「賞金でおいしい焼肉を食べたいですね。コカ・コーラもたくさん飲みたいと思います!」
 
吉髙「賞金は制作チームのメンバー4人で山分けにします。コカ・コーラはゼミのみんなにもごちそうしたいです」
 
――プロモーション部門は、「POP&COKE」(Popcorn & Coca-Cola)をテーマをとした1分以内の作品であることが定められています。「POP&COKE」というテーマをどのように作品に落とし込もうと考えましたか?
yoshidanielさんの作品『KAWAII Po&Co GAME』はドットゲーム風のアニメーションで、主人公がポップコーンとコーラを仲間にして映画館に行き、一緒に映画を見てレベルアップするという内容でしたね。
 
yoshidaniel「映画館に行くと自分が成長してレベルアップした気分になるなというところから考えました。レベルアップといえばゲームだと思い、ゲーム系のアニメーションにすることにしました。暗い映像にならないよう明るいイメージを2、3個入れて、インパクトを与えられるような工夫をしました」
 
――大学で映像を学ばれているわけではないとのことですが、アニメーションも独学で制作したのでしょうか?
 
yoshidaniel「高校生の時から独学で音楽制作をしていて、その延長で自作のMVなどを撮っていました。最近アニメーションに興味があったので、今回思い切ってアニメーションにチャレンジすることにしました。YouTubeで勉強して、約40時間で作りました」


受賞のよろこびを語るyoshidanielさん

――吉髙さんの作品『ぽっぷあんどこーく』は、POP&COKEに似た語感のHOT&DOG、ROCK&ROLL、POP&COCK…と、次々に映像を見せていくというもの。授賞式で、締め切りの2週間前から作り始めたとおっしゃっていましたね。
 
吉高「本当にギリギリでした。ゼミの企画発表の朝、しっくりくる企画を考えられていなくて、お風呂に入りながら呪文のように『POP&COKE、POP&COKE』と唱えていたら、意外と語感が似ている言葉ってあるなと思い浮かんで。とにかくそのアイデアだけ持って制作メンバーに提案したら、いけそうなんじゃない?となり、みんなでPOP&COKEに似ている言葉を出していきました」
 
――本日は一緒に制作した3人のメンバーにも来ていただいています。出演されていた方もいらっしゃいますね。どのように役割分担されたのでしょう?
 
吉髙「私たちは企画、撮影、編集など、それぞれ得意分野が違うので相性がよかったと思います。出演もメンバーの1人が、『時間ないから私やるわ!』と言ってくれて、本当に助かりました。撮影はTOHOシネマズ池袋を2、3時間借していただきました。」


吉髙さんと制作チームのみなさん

――自分の作品を大きなスクリーンで見た感想は?
 
yoshidaniel「すごく感動しました。ドットアニメって四角の集まりなので、映画館のスクリーンだとすごい大きさになって変な感じになるかなと心配していたんですが大丈夫でした」
 
吉髙「率直な気持ちを言うと、めちゃくちゃ恥ずかしかったです(笑)。でも形になって、お客様にもウケていたのでうれしかったです」
 
――制作するなかで特に印象に残っていることはありますか?
 
吉髙「ゼミの先生に作品を見せた時に、すごくウケがよかったことです。自分たちの先生って、褒めてもくれるんですけどめちゃくちゃ辛口なんですよ。それが今回はすごく話を聞いてくれて、おもしろがってもらえました」
 
yoshidaniel「僕は30秒くらい作った映像を試しに友達に見せたら、『キャラクターの動きがおかしくない?』と言われて1からやり直したことが印象に残っています。やっぱり初心者なので、動きの表現が難しくて。YouTubeで調べまくって作り直しました」

「CMディレクターになって、おもしろいCMを作ることが目標」(yoshidaniel)
 
「大好きなアイドルの番組で自分の企画力を活かしたい」(吉髙)
 
――お二人はコロナ禍で映像制作を行うにあたって、大変だなと感じることはありましたか?
 
yoshidaniel「今回は1人で制作しましたが、コロナが始まったころに親友と2人でYouTubeチャンネルを始めました。その時は会いづらかったり使える場所が限られたりしたので、少し影響を受けたのかなと思います。最近はコロナも落ち着いてきたので、今度はチームで制作をしたいです」
 
吉髙「入学した時にコロナが流行り始めたので、この状況で制作するのが当たり前になっているのですが、あまり自由に自主制作をできなかったなとは思います。以前、ちょうど撮影日に体調を崩してしまい、制作チームに迷惑をかけてしまった時は大変でした。いまは緩和されてけっこう動けている状態なので、こういう映画祭などがあると制作のモチベーションにもなります」
 
――今後はどのように映像制作に携わっていきたいですか?
 
yoshidaniel「CMディレクターになることが目標です。そして、おもしろいCMを作ってすごい人になりたいです!ちょうど就活が始まったので、この受賞が強みになったらうれしいです。自主制作も続けていけたらなと思います」
 
吉髙「自分は高校の時からテレビの番組の制作に関わるのが夢です。アイドルの日向坂46が大好きなので、彼女たちの番組で自分の企画力が活かせられたらいいなと思っています」
 
――最後にTOHOシネマズ学生映画祭に参加して一番よかったことは?
 
yoshidaniel「自分の同学年にこんな作品を作れる人がいることに感動したのと、いまから早く作りたいというワクワクした気持ちにさせてもらえました。次の作品を作るきっかけをいただけて本当によかったです」
 
吉髙「これまで制作という制作をできていなかったので、一つの作品を作り上げ、しっかり結果も出せたことで自信がつきました。あとyoshidanielさんと同じで、ほかの人の作品に刺激をもらいました。今日はボロボロの状態で来たんですけど、本当におもしろい作品ばかりで見入ってしまいました。来年もできれば挑戦したいです!」
 
写真=野崎航正 構成・文=石川ひろみ(ムービーウォーカー)


第16回TOHOシネマズ学生映画祭 プロモーション部門 グランプリ
『KAWAII Po&Co GAME』 yoshidaniel(監督/法政大学)

映画館で映画を見ると自分のレベルが上がっていくような気分になる。大好きなポップコーンとコカ・コーラを交えると仲間と観ている気分になる。そんな思いからの、ドットGAME風アニメーションです。


第16回TOHOシネマズ学生映画祭 プロモーション部門 準グランプリ
『ぽっぷあんどこーく』 吉高 紫野(監督/大正大学)

シュールに、端的に、ちょっとした小ネタを取り入れつつも直接的な表現を入れ、「やっぱり映画館には『POP&COKE』がしっくりくるよね〜!」ということを引き立てられるよう工夫した作品になっています。

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