鍼灸科には感動が待っていた。
今年の4月に鍼灸科夜間部に入学できたよ。
約20年ぶりの母校。
夜間部は全員社会人。
みんな、和気あいあい。
20年ぶりに解剖生理学の洗礼を受け、しばらく座学の修業に耐える日々。懐かしいなぁ。
このあたりで同級生達、笑顔が少なくなりナイーブになってくる。
わかるよ。辛いよね。かつて私もそうだった。
外国語の授業がいきなり始まったようなものだよね。
お互い、飴ちゃんやお菓子を配りながら、
「辛いけど頑張ろうね!」とか
「みんなで鍼灸師になろうね!」とか
「あの先生あの態度ないよね。」とか
気持ちを鼓舞させて耐え忍ぶ。
いいクラスだと思う。
それでも会話が少なくなり…みんなメンタルに影響出始めたころ…
待ちに待った実習の授業!
救われた!
みんなに笑顔が戻った!
あ、感動はここじゃないよ。
この後、驚きの感動体験が待っているとは。
私自身は柔道整復師(整骨院の先生の正式名称)という東洋医学系の医療免許を持っている。
同じ学校に通っていたし、鍼治療に行くし、鍼灸師の友人もいるし、鍼灸治療は身近なものだと思っていたのに…
感動だよ。
心鷲掴みだよ。
先生の手元に。
実演していただいた"片手挿管"の所作の美しさ。
「まだまだですよ〜」なんて言ってたけど。
とんでもないですよ。
「ほれてまうやろー!」って叫びたくなった。
しなやかな手付き。日舞を見ているような。
指の先まで美しい。爪まで綺麗。
同じ東洋医学の資格持ってるのに、
何でこんなに素敵なの!?
※片手挿管とは…
片手だけを使い、鍼を扱う技術。
練習の一例:指先で摘んだ鍼を手の中にある鍼管に収める→指先に移動→練習台に刺す(切皮)→鍼管を抜く→鍼を抜く(抜鍼)→抜いた鍼を鍼管に収める。を、∞ループします。
わかりますよね。器用さが命。
なんて美しい手付きなんだろう。
私の手は…
長年の手技と、家事と、加齢で、
カチカチ、カサカサだよ。
しかも、コロナ後の一年半は小学校の消毒を2時間、週3で入ってた。この一年は机と椅子をひたすら消毒してた。2時間で約200机。
しなやかさとは程遠い。
練習で鍼管を持った瞬間、ちょっと絶望したよ。
あまりの手の硬さに。
でもね、机の消毒も、初めはぎこちなかった。
早くむらなく拭けなかった。
毎日続けるうちに、手が変わってきた。
掌の隙間が少なく平らになり、無駄なく拭けるようになった。
用途に合わせて変化する、人の身体は凄い!と感動したよ。
今度は鍼灸師の手を作るよ。
きっと一年半後、人の身体は凄い!と感動してるはず。
鍼灸師の知り合いがいるのに、こんなに衝撃を受けた理由がわかった。
私は治療してもらう側だったので、手元を見ることが殆どなかったのでした。
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