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学生カバンリメイク①

はじめに

22年もほったらかしにしてしまっていた学生カバン。

 私の通っていた中高の学生カバンは、厚手のキャンバス地に黒革の縁どりが施してある、あまり周りに見ないデザインのカバン。

 このカバン、私はとても好きだった。ぺちゃんこにするためにクリップ留めをしたりする子もいたけど、私はしたくなかった。どんな雨風にも耐えてくれて、染みにしたくなくて丁寧に拭いていた。
 
 そんな思い入れはあるのに、きちんと保存してこなかったことを今更ながら悔やみ、実家の大掃除を決行したことを機に、ミニチュアリメイクすべくまずは発掘。実家の自分の部屋のクローゼットから、大事に整理はされたものの放置されたカバンと制服をゲット。その日のうちに実家で梱包→現在の我が家に発送した。

変色し過ぎてどうしよう

 とはいえ放置期間があまりに長かったので、キャンバス地の部分の変色があまりに激しく、改めて荷ほどきして目の当たりにしたカバンはあまりにショッキングな姿。取っ手たるや、もともとボロボロな自覚はあったけれど、もはや見るも無惨。金具も、底の四方の金具は擦れ過ぎているし、ギュッと圧着されてて分解不可能なのでこれは諦めた。

 それでも、黒革(合皮か本皮かは分からない)の部分は使えそうだし、ガチャっと蓋をはめる金具部分は中こそ錆びてるけれどまだ現役だった。それに、めくって中を見ると、内ポケットの布地1枚だけは、かろうじて変色を免れていて、これだけは使える!と一筋の希望がさした。

内ポケットの奇跡の1枚布。

本当は、ミニチュアリメイクするならリメイクして下さる業者さんにお願いしようとあれこれ検索して目星をつけていたけれど、あまりのカバンの姿に、これは人様にお願いできる姿ではない…な…と。そして、皆さん「6年放置してしまった」「10年も」と言ってる中で、さすがにこの状態の「22年」は、うん。やめた。正面から正座して、よし、やるぞ。やるんだ!と、自力リメイクをこの時決意した。

ハサミ入れ

決意さえしたら、その後の思い切りの良さは備え持ってる。一気にハサミを入れていった。

切り始めたら気持ちいい。

「6年間ありがとう」「22年も待っててくれて本当にありがとう」とお礼を言ってから、潔く切っていく。切ってみると、心の整理も自然に出来ていくのがとても不思議な気分だった。綺麗に残したいところと、これはもうさよならしよう、というところを分けて、使えそうなパーツと思い入れが残るパーツがこちら。

さぁこれをどうしよう。としばらく眺める。
でも、使えそうな物が出揃って少し安堵。


間にまだキャンバス地が残ってる状態。この金具は取り出せないかも…と悩む。


こちらも。全部間にキャンバス地残り。
ほどく…しかないかな…。

とりあえず、放置し続けた間の汚れが気になる。このままリメイクなんて無理。布地部分が広い奇跡の1枚とファスナー1本を、さらさをぶちまけてガッシガッシとズック洗いブラシで洗った。暴風雨に6年耐えたこの子だから、一度くらいの洗濯になんて負けない!!と信じた。革もまだくっついてたけど。

気長に陰干し。

革部分のみのところも、こちらも水拭きになんて負けない!!と信じ、ピカピカに拭き上げた。とりあえず、長年放置の呪縛から解き放たれたような、スッキリした気分で乾燥期間を数日待った。

②に続く。

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