「エンジニアの心を整える技術」を読んで
「エンジニアの心を整える技術」という本を読んで、とても参考になる内容だったので記事にまとめようと思った次第です。
エンジニアの心の重要性
エンジニアは業務の特性上、論理的、合理的、完璧主義という価値観や性格を備えがちになります。
本来人間は不確実で曖昧なものであるため、上記の価値観とのギャップにエンジニアは苦しみがちになります。
どんなに技術やスキルがあっても、心に苦しみや不安を抱えていては最大限のパフォーマンスを発揮することはできません。
心が不安定な状態とは
心が不安定な状態にあるときは、今この瞬間にフォーカスできていないことが多いです。
過去の出来事を引きずっているか、もしくは未来に起こりうることを考えて不安になっているか。
まずは自分がその状態にいることに気づけるかどうかが肝要です。
メタ認知力
メタ認知とは、自分の認知(言い換えると心)の状態や変化に気づくこと、認知を認知することです。
自分の心に変化が生まれたときに、「今ちょっと不安になったな」とか「こういうことを言われたからなんかイライラしたな」とか、変化やその原因を客観的に観測できる能力がメタ認知力です。
その変化に悪い意味をつけたり否定するのではなく、そのまま受け入れることが心を整えるための重要なステップです。
完璧主義との決別
エンジニアに限らず、仕事で完璧を目指してしまう完璧主義の人は多いのではと思います。
完璧を目指すことは良いことですが、一方で完璧などありえないということを意識しておくことも重要です。
完璧主義の人は0点か100点かで物事を捉える傾向があります。
ある仕事をしていて、9割上手くできていても残りの1割が上手くいかなければ、その仕事ぶりは0点だと判断してしまいます。
確かに100点ではないですが、決して0点でもありません。
物事はグラデーションであり、上手くいった部分もあれば上手くいかなかった部分もある、ただそれだけです。
妄想にとらわれない
過去や未来のことを考えて心が不安定になっているときは、妄想にとらわれている可能性が高いです。
例えば自分の機能追加が原因で不具合を発生させてしまったとき、どのような考えが頭に浮かんでくるでしょうか。
人によるとは思うのですが、例えば「上司に怒られる」、「周囲からできないやつと思われる」、「自分は能力がない」とかあるんじゃないかと思います。少なくとも自分は思っちゃいます。
このとき、事実は不具合を発生させたということだけで、自分の頭の中に浮かんでくることは実際には起きていない妄想です。(本当に起こることもありますが。。)
しかし、人は妄想をあたかも事実のように受け止めてしまいがちです。
周りの人がどう思うか、どんな行動を取るか、知る由はありません。
一方で、同じ問題を起こさないために対策を取ることは自分自身で行うことができます。
コントロールできない部分に思いを馳せ続けるよりも、コントロールできる部分に注力するほうが健全です。(アドラー心理学でいう課題の分離)
実際に起きたこととそれに対する自分の妄想を分離することで、自分の心をコントロールすることができます。
ここで前述のメタ認知力が重要になってきます。
自分の心が不安定になった瞬間を客観的に捉えて、自分の心が何に反応しているのか、実際に起きたことは何で自分はそれに対してどういう妄想を付与しているのか、気づいて認知するのを繰り返していくことが心の安定に繋がります。
補足
この記事では触れませんでしたが、上記の実践としてマインドフルネスが有効であることが本書では述べられています。
そちらに関してはSearch Inside Yourselfが参考図書としてあげられています。
まとめ
自分でも妄想にとらわれている時間がよくあるなと感じたので、まずはメタ認知力を高めるところから意識して、自らの心をコントロールできるよう訓練していきたいです。
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