「おはよう」と「こんにちは」に関する一考察

本記事の主題は、日中に友人に会った時の第一声に困るということである。

朝だったら何の問題もない。「おはよう」一択だ。
どんなテンションでも言えるし、誰にでも言える。

問題は昼間だ。
「おはよう」に対応する昼間の挨拶というと「こんにちは」だと思うのだが、
友人に向かって「こんにちは」と声をかけるのはなんとなく違和感がある。結局、「おつかれー」「うぃっす」的な若者表現で難を逃れている現状である。
どうでもいいけど、おっすとか、うぃっすとか、一体何が語源なのだろう。原型を留めていなさすぎて分析も難しい。

上記にみられるような、「おはよう」と「こんにちは」のニュアンスの違いは何なのだろう。
「こんにちは」の方がかしこまった感じがするのは間違いない。目上の人にも使える表現である。
感覚としては、「おはようございます」に近いレベル。

「おはよう」には「ございます」を付けることによる丁寧なニュアンス付加の技法があるが、「こんにちは」にはそれが無い。
だから、デフォルトで丁寧なニュアンスなのかな。
スタンダードな挨拶なのにアンバランスな表現。

よく考えてみると、「さようなら」もかしこまった感じで使いづらいなあ。
学校以外で発音している人、居なくないか?もはや文語表現では?
もしかして、「おはよう」だけが特別に距離感の近い表現なのか?
「さようなら」には「じゃあね」という代替表現があるので、あまり困らないけど。

同じことを、「行ってきます」と「ただいま」にも感じる。
親に向かってなら両方自然に言えるが、例えば近所の人には「ただいま」とは言いづらい。
「行ってきます」はフルセンテンスだけど、
「ただいま」は「帰りました」が省略されているから、かなあ。
対になる表現なのに、ニュアンスというか、距離感がずいぶん違う。

挨拶の表現が時刻によって変わるのは構わないとしても、それに付随してニュアンスも変わってしまうのでちょい不便だね、というお話でした。そこが日本語の面白さでもありますが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?