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【WSH】ナショナルズ プロスペクトランキング 〜2022PreSeason~

はじめに

久しぶりの投稿になります。

本格的にWSHファンになって1年目の年末ということで、初めてプロスペクトランキングなるものを作ってみました。
まだMLBを見始めて日が浅いほうなのでランキングの信憑性についてはアレですが、特に10位まではMLB公式Baseball AmericaFangraphsなどの各媒体を十二分に参考にしています。

なお、一部のトッププロスペクトを除いてルーキーレベルの選手は対象外としました。

TOP30


1.ケイド・カバリ (Cade Cavalli) RHP

2020年のドラフト1巡全体22位。
プロ1年目となる今シーズンは、1試合5イニングに制限されながらプロに慣れるように育成されました。まずHiAで40イニングで防御率1.77、71Kと圧倒的な成績を残してすぐに2Aに昇格。ここでも58イニングを2.79、81Kでまた昇格。3Aでは被打率が3割を超えるなど適応に苦しみました。
カヴァリの最大の武器は平均98マイルほどの速球とマイナー全体奪三振王に輝いた奪三振能力ですが、その分制球に難があります(BB/9は4.37)。シーズン前全体99位だったMLB公式プロスペクトランキングは39位まで上がりました。BAでは16位にランクインしています。大学時は二刀流で鳴らした打力も魅力です。
ナショナルズの残念な先発陣の状況を考えると、来期のデビューは間違いないでしょう。


2. キーバート・ルイーズ (Keibert Ruiz) C

シャーザー・ターナーとのトレードでドジャースからやってきたトッププロスペクトの一人。捕手としては破格の打力を誇ります。カバリとルイーズはこのランキングでもずば抜けており、どちらが1位でもおかしくはないでしょう。
一番優れているのはミート力で、バレルゾーンを駆使した打撃をします。守備は粗さを見せましたが、捕手にとどまるには十分なレベルとされています。


3.ブレイディ・ハウス (Brady House) SS

今年の全体11位指名選手。高校生ナンバーワンSSとも称されました。
ルーキリーグ合流後もすぐに好成績を残して期待が高まっています。
ショートの守備はそこまで上手いわけではなく将来的にはサード転向と目されています。


4.コール・ヘンリー (Cole Henry) RHP

20年2巡目でカバリの1つ下です。肘の怪我がなければこの順位では獲れないレベルの選手でした。
ひじの痛みから今年は43イニングに留まりましたが、HiAで防御率1.43と圧倒的でした。アリゾナ秋季リーグでは奪三振でトップでオールスターにも選ばれました。
90マイル後半の4FBと2FB、チェンジアップの組み合わせが非常に威力があります。
来期フルシーズンでどこまで投げられるかがカギになるでしょう。


5.ヤセル・アントゥナ (Yasel Antuna) OF/SS

2016年、球団記録となる$3.9Mで契約したドミニカン。
HiAで開幕を迎えたのち、長所である打撃で67打数4安打の大スランプに陥ったものの、最終的にはOPS0.7ほどの平均的な成績に落ち着きました。彼は19年、20年ほとんどプレーしていなかったので序盤の不振は多少割引いてもいいかもしれません。ただ、フルでショートを守って守備率が9割を切るのは擁護のしようがなく、外野への転向が予想されています。
昨年すでに40人枠に入っていますが、MLBデビューには数年かかるだろう成績に終わったため評価が厳しくなっています。


6.ジャクソン・ラトレッジ (Jackson Rutledge) RHP

19年短大卒の1巡目選手。1年目の19年はAで防御率2.30と好投し期待は大きかったのですが、今年は防御率7点台、BB/9が5以上と低迷、ルーキーリーグやアリゾナ秋季リーグでも炎上し散々なシーズンになりました。カバリと同じくイニング制限はあったようですが、大体それよりも前にKOされていたのでよくわかりません。パンデミックでの休止期間中にかつてのトッププロスペクト・ジオリトのようなテイクバックの小さいフォームに変更したことが悪く出てしまったかもしれません。
しかし90マイル後半の直球とキレのいいスライダーの評価は依然高いままで、今年以上に悪くなることはないはずです。


7.アンドリー・ララ (Andry Lara) RHP

2003年生まれの18歳。各媒体でトップ5には入る高評価をされています。
今期早くもLoAデビューを果たしました。98マイルに達する動く速球が一番魅力的ですが、変化球は甘く、これからの改善が必須。リーダーシップなど性格の面でも評価されています。



8.アーマンド・クルーズ (Armando Cruz) SS

アントゥナに並ぶ$3.9Mで今年6月に契約。同期の国際FA組では間違いなくトップレベルの守備力の持ち主。しかし打撃に関してはパワーレスであまり期待されていません。内野守備の上手い選手に欠けるナショナルズでは重要な選手となっています。
4億円の契約を結ぶことが決まっていても学校に通い課題もこなすような勤勉さの持ち主で、すでに英語をほとんど話せるようになっているようです。



9.ジェラルド・カリロ(Gerardo Carillo) RHP

ドジャースとのトレードでやってきた選手のうち3番目に評価の高い選手。
チーム別プロスペクトランキングでドジャースでは20位台だったのにナショナルズでは一桁順位になっていました。それに反して、移籍後はもともと良くない制球が悪化して打ち込まれました。
ドジャースお得意の100マイルに達するシンカーと90マイル弱の速いスライダーが効果的です。タイミングやフォームを微妙に変えながらの投球は見ていて面白いです。
すでに40人枠入り。


10.デイレン・ライル(Daylen Lile) OF

今年の2巡目指名。高校生ではトップとも言われる打撃を誇ります。
完成されて無駄の少ない打撃と、肩も守備範囲もイマイチでレフト固定という点を見ると、ソトのような選手像がイメージされますが、”万が一”ソトと契約延長できなかった際の保険のような意味合いもあるのでしょうか。


11.ジェレミー・デラロサ (Jeremy De La Rosa) OF

この選手は19歳のドミニカン。
今期はLoAでフルシーズンを過ごし、.209/.279/.316という成績に終わりましたが、走攻守、特に守備が高評価されています。個人的には、ハーパーを想起させるようなスイングが気に入っており、11位にランクいたしました。体の細さもそうですが、326打席で122三振を喫したコンタクト力は大きな課題になります。
来期はロワーの両レベルを行き来しつつ、2,3年後のMLBデビューが望まれます。

12.マット・クロニン (Matt Cronin) LHP

強豪・アーカンソー大で守護神として活躍した2019年の4巡目。
伸びと威力のある直球とキレのあるスライダー、スプリットを投げるパワフルなリリーバーで、イニングの倍ほどの三振を奪う能力を持っています。
今期はHiAで始まってカバリと同じように無双し、同時に2Aに昇格しました。昇格後は制球が定まらず防御率は五点台に留まりました。
左のリリーバーの少ない(というかほぼいない)ナショナルズが、来期彼を昇格させる可能性は非常に高いでしょう。投球タイプは若干異なりますが、将来的には世界一になったときのクローザー・ドゥリトルのような働きをすることを期待しています。

13.ミッチェル・パーカー (Mitchel Parker) LHP

2020年の五巡目、ラトレッジや今年ナショナルズでプレーしたショーン・ノリンと同じ短大から指名されました。
今年ブレイクした選手の1人で、シーズン前はどこの媒体でもトップ30入りしていませんでした。4勝12敗、防御率4.87ではあるものの、チーム創設初年度で開幕15連敗したLoAでひたすら耐え、100イニングで144の三振を奪いました。5回10Kしたかと思えば2試合連続KOみたいに非常に安定感に欠ける印象も受けました。
大柄な体から投げおろす直球とカーブがメインで、数年後にはMLBでローテの後半に入れるか、といった具合です。

14.ヨアン・アドン (Joan Adon) RHP

今年の最終戦で5.1回1失点9Kの鮮烈なMLBデビューを果たした右腕。
BOSかNYYが負けることにPS進出が懸かっていたマリナーズの救世主になりかけていましたが、そのあとフェディが打たれたことで台無しに。
スライダーの落差はMLBでもトップクラスの数値を記録し、投げた数は多くないですがシンカーでもラファエル・ドリスと同じような性質を持っています。メインで投げるフォーシームは、球速は95マイルほどですが回転数などでは平均レベルでMLBでは通用しにくいでしょう。
今シーズンはHiAで防御率4.97ではありましたが、シーズン最終戦の先発を任されたのは素質の高さが評価されていたのでしょう。ちなみにプロ入りした17,18年まではリリーフでした。
来期はローテ当落線上の他選手と競いながらMLBに残れるような活躍に期待。

15.アルド・ラミレス (Aldo Ramirez) RHP

今シーズン途中、シュワーバーとのトレードでBOSからやってきた20歳右腕。ノンテンダーで獲得した選手が大活躍してこのレベルの選手まで貰えるとは思ってもいませんでした。
移籍前のBOSでも、LoAで31回防御率2.00で投手ではトップクラスの評価を得ていました。年齢の割に完成度が高く、四死球が少ないのが特徴です。86-88マイルのチェンジアップ、80マイルほどのカーブを投げ、直球も球速も93マイルは平均で出しており、プロ入りから毎年成長性しているようです。
2,3年後にデビューし、将来的にローテ後半での活躍が予想されます。

16.ジョーディ・バーリー (Jordy Barley)  SS

ダニエル・ハドソンとのトレードでSDから獲得した1人。
非常に身体能力の高い選手です。特に足の評価が高く、今季は45盗塁をマークしました。一方で打撃成績はルーキー、LoAの平均以下で数年足踏みしており、22歳という年齢を考えるとさすがに物足りない印象。そのせいかルール5のプロテクトはされませんでした。
パワーには素晴らしいものがあり、SS守備も悪くはないので、ブレイクすれば非常に面白い存在です。


17.ドリュー・ミラス (Drew Millas) C

ハリソン、ゴームズとのトレードでOAKから獲得した1人。
フレーミングや強肩、二塁、三塁も守れるほどの動きの良さなど、守備での評価が非常に高い捕手です。
打率が高く、BB/Kが1に近いということで、中村悠平にような将来像を勝手に描いております。
今年はアリゾナ秋季リーグにも参加しました。ナショナルズの捕手陣は若いプロスペクトが揃っているのでデビューはしばらく先になるでしょうか。


18.エバン・リー (Evan Lee) LHP

アーカンソー大で二刀流として活躍した後、2018年の15巡目でナショナルズへ。大学では野手がメインだったのでプロではゆっくりと育成されてきました。
今期はHiAで防御率4.32、77回32BB104Kでルール5ドラフトからのプロテクトとして40人枠入りを果たしました。同期の同じタイプでドラフト順位の高かったティム・ケイトを押しのけて選ばれたことは本人にとって非常に大きいと思います。投球タイプとしては、平均少し上の直球とカーブの組み合わせで空振りをとるような感じです。
使い減りしていない肩を生かして、先発としてタフな活躍を期待。

19.メイソン・デナバーグ (Mason Denaburg) RHP

2018年のドラ1。TJ手術もあって3年間で21イニングと、もはやツチノコみたいな存在。映像もまともに見つかりません。
高校生の時は平均93-95マイル、最高98マイルの直球と60評価のカーブを投げていましたが、20歳前後の成長期真っ只中の年を経て今はいったいどうなっているのやら…
来期はTJから復活ということで、ロワーで50イニング程度投げられれば良いのではないでしょうか。


20.ザック・ブリクシー (Zach Brzykcy) RHP

2020年のドラフト外入団。とはいえこの年は5巡までに制限されていて、その対象外だった中では高い評価だった選手です。Fangraphsが19位にしていた以外はランク外でした。
最速99マイルのパワフルなリリーバーです。80マイル前半のカーブとの組み合わせで今期は奪三振率12.4をマークしました。ただやはりコントロールはイマイチで、暴投7つなど改善すべき点も十分残ります。
初見だと読み方に困る選手です。


21.ドノバン・ケイシー (Donovan Casey) OF

LADとのトレードでやってきた選手。ボストンカレッジでは二刀流で武器に投手としての方が好成績を残しました。
94マイルを投げられる肩を中心に、守備走塁が高く評価されています。
LADの2AではOPS0.835でしたが、打高の環境から変わったからか、移籍後3Aに昇格すると一時打率1割を切るところまで低迷。
この選手の不思議なところは、どのレベルでも1年目は若干苦しんだ後2年目には好成績を残しているところで、ナショナルズでもそれが続くと良いのですが。
またヤクルトの選手になりますが、塩見泰隆に似ていると思っています。背番号、身体能力、スイング、上のレベルに定着するのに時間がかかるところ等々…


22.ドリュー・メンドーサ (Drew Mendoza) 3B/1B

19年3巡目。
スプリングトレーニングに呼ばれるなど大きく期待されていましたが、非常に残念なシーズンになりました。2Aで開幕して打率.160まで沈むと降格、その後も調子は変わらず。守備でも本職の三塁から一塁での起用がほとんどになるなど散々でした。
元々は70評価もされていたパワーが魅力でしたが、四球を増やすためにアプローチを変えた結果、平凡に近い選手になってしましました。そのせいで四球はそこそこ多いものの三振も多くなっています。
このまま埋もれていかないように願うばかり。



23.ロイスマー・キンタナ (Roismar Quintana) OF

2003年生まれのベネズエラン。
バットファーストのコーナー外野手だそう。情報が少なく必然的にこんな順位になってしまいましたが、どの媒体でもここよりは高評価をしています特にキースローのランキングでは5位でした。

24.ティム・ケイト (Tim Cate) LHP

2018年の2巡目。
私のお気に入り選手の1人でありましたが、今期の成績のせいでここまでランキングを下げねばならなくなってしましました。
何といっても一番の魅力はドロンと曲がるカーブと抜群の制球力でしたが、今年はその制球力が落ちて2Aで2勝10敗、防御率は5.31でした。
そこまで体格が大きいわけではないこともあって直球は90マイル程度にとどまり、調子が悪いときはそれより2,3マイル落ちる。かといって技巧派というわけではなく、三振もしっかりとれるのが彼の特徴。


25.イスラエル・ピネダ (Israel Pineda) C

21歳の捕手。
非常に粗い打撃と阻止率40%の強肩が特徴。
フルシーズンデビューして2年、打率は2割ちょっとでBB/Kは0.2ほどで、これからおそらく大幅な改善は見られないでしょう。その代わりパワーには定評があり、今年は14本と試合でそれを発揮できるようになり始めました。
捕手としてのコミュニケーション能力も優れており、しばらくは捕手にとどまるでしょうが、上のレベルに行って他の選手と比べるとどうなるかはわかりません。


26.ダスティン・サエンズ (Dustin Saenz) LHP

2021年4巡目
4巡目は入れるのに3巡目の選手はいれないのか、というツッコミを気にしなくて良いのが個人ランキングのいいところ。
テキサスA&M大で3年間スイングマンとして働いたのち、最後のシーズンに先発として定着したスライダーが武器のサウスポー。
かつてナショナルズの12巡目選手だったロビー・レイのような選手になってほしいところ(レイよりはかなりまとまりがあるが)。
一応プロでは最終的にリリーフと目されています。


27.リチャード・グアシュ (Richard Guasch) RHP

今夏トレードでOAKから獲得した1人。キューバ出身で今年22歳。
スライダーがマネーピッチですが、他はパッとしません。
来期ある程度先発として結果を残せないとリリーフ転向の可能性が高い。

28.ジュニア・マルティナ (Junior Martina) 2B

19年の16巡目。キュラソー生まれ。オランダ代表として国際大会に出場しています。
アプローチにもパワーにも守備にも難があるが、私の独断でランクイン。
どことなくエスコバーに似た雰囲気を感じる打撃はLoAレベルとは思えない渋さを醸し出す。24という年齢が大きなネック。

29.ジャスティン・コネル (Justin Connell) OF

17年の11巡目。
順調に成長し、22歳の今期はHiAでOPS0.734。
将来的には第4外野手の中距離打者でしょう。守備も時折好プレーを見せてくれます。
2000年代初のスペイン生まれメジャーリーガーになれるか。

30.セス・ロメロ (Seth Romero) LHP

2017年のドラ1。大学時から素行の悪さで有名?ですが、それでも1巡目指名されるほどの能力を持つ”はず”の選手。2020年、メジャーデビュー後に階段で転んで骨折してシーズン終了し、今年こそ、というシーズンでしたが、昇格すらできずなんともいえない成績に。プロ入りして28登板、いまだ勝利投手になったことがありません。
90マイルちょっとの直球と83マイルほどのチェンジアップ、それより少し遅いスライダーが持ち球。MLBで先発として使うには力不足で、来期26歳、リリーフ転向が現実味を帯びてきています。



総評

21年開幕前の、ファームランキングダントツ最下位、トップ100入り0人といった絶望みたいな状況から大きく改善されました。中の下くらいにはなったでしょう。しかし、今年卒業した選手にもグレイなどのいい選手は多いので、実際はもう少し上に見てもいいかもしれません。
あと今回は、技術面に関する評価はあまり加えませんでした。もう少し勉強して、来年は他人の言葉じゃなく、自分の言葉で表現できるように努力します。
時間があればスリーパー版も投稿したいと考えています。




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