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ー東長寺が地方寺とコラボする理由ー  東京・宮城・千葉「結の会」がある町〜結を訪ねて〜

2015年に発足した「結の会」。
その特徴は、都会にある参り墓と、自然に囲まれた樹林葬による祀り墓を組み合わせた「両墓制」にあります。当山では、皆様にこの2つの生前墓を積極的に行き来していただきたいと考えています。今後萬亀では、「結の会」の基点となるお寺を訪ねて、その魅力を少しずつご紹介していきます。

ぜひ実際に現地を訪れて、自然に触れ、お寺を訪れる人々やお墓を護る住職と語り合い、ご縁を育んでください。そこで生まれる環境への慈しみ、地域の活性化が個人のなかに留まらないエネルギーになると信じています。

東長寺が地方寺とコラボする理由

「死後は自然に還りたい」という人々の思いを受け止めつつ、樹林葬によっ
て地方寺院と人の交流が生まれることで周囲の山林や自然環境が保全・再生されていくことを理念
にスタートしました。

東京 新宿区 「東長寺」

東長寺のある町はこんなところ

東長寺の住所「四谷4丁目」は、かつて旧街道を往来する旅人が休める茶屋が4つしか無いことから転じて「よつや」と呼ばれるようになった場所です。現代は小さな子供のいる働き盛り家庭から高齢者まで幅広い世帯が暮らす新宿区きっての住宅街です。

東長寺の訪ね方

ご先祖のお墓参りだけでなく、山内の様々な行事やイベントを目的にお訪ねください。昨今の情勢を注視し、感染予防を行いながら、少人数での集いを少しづつ再開しております。

🔽東長寺文由閣についてはこちらの記事もお読みください🔽

宮城 気仙沼 「清凉院」

清凉院(空撮) 写真中央の大きな屋根が本堂。結の会の埋葬地は、そのちょうど手前側に映っている森の中にある。奥の方で青く輝いているのは「大谷海岸」。白い砂浜が続き夏は海水浴客で賑わう。

穏やかな11月の某日、清凉院(せいりょういん)を訪れました。
本堂前から見下ろすと、すぐそこに海が見え、右手にはカモシカやムササビが棲むという針葉樹の森が広がっていました。ここが結の会「樹林葬」の埋葬地です。

 高台にあるお寺ですが、震災のときにはすぐそばまで津波が押し寄せました。その後5ヶ月間、避難療養所・ボランティア団体の拠点となった当時、お寺に取材に訪れたテレビ局のクルーは驚いたといいます。過酷な状況なのに、何故か誰もが明るい、と。大切な人を失ったり、電力や水道も復帰しない中だというのに。その秘密はお寺を護る三浦住職「人間愛」にあるようです。気仙沼は元来人と人の心の距離が近く、コミュニケーション無くして生活はできない場所。「自分も心を開かないと相手だって飛び込めない」と語る住職の元で、交流と安らぎが生まれたのではないでしょうか。

 現在も人を集めるお寺の力は変わらず、「はまわらす」の活動拠点や、ジャズやロックのコンサート会場となっています。イベントはあくまで希望者を受け入れているだけなのだといい、理由は簡単と住職。

「生きている人間が好きだから。それだけなのです」

 復興の先を見据え変化を続ける気仙沼。ここには海の様に広々と開かれているお寺「清凉院」が待っています。

三浦光雄住職
「ここは漁師町だから言葉が端的、そして荒い。 でも根はあったかい人が多いんです。」

清凉院のある町はこんなところ

震災から11年。復興工事活動を経て観光誘致を目指し、今も大きく急速に変化を続ける気仙沼。一年を通じて水揚げされる豊富な魚介類、そしてお酒が美味しいところです。

清凉院の訪ね方

東北新幹線の一ノ関駅から車で約1時間。気仙沼駅からは車で約20分。ご住職とお話するだけでも楽しいですが、清凉院で不定期に開催される音楽イベントや「はまわらす」の活動に併せて訪問するのもおすすめです。

千葉 袖ヶ浦 「真光寺」

真光寺(空撮) 手前に見える三角形の屋根が「慈嶽堂」と名付けられた新しい薬師堂。東長三十三世重興慈嶽和夫大和尚の葬儀で使用された木材が活用されている。

真光寺(しんこうじ)を訪れたのは11月の週末。
少し混雑したアクアラインを抜けると程なくしてお寺に到着。ぱっと開けた空の下、庭園のような墓地が広がっていました。美しい今の姿からは信じられないことに、かつてここは荒廃した無人寺でした。本堂の天井は抜け、竹が生い茂っていたというこの一帯。それでも「ここでやろう」と決めた岡本住職には、当初から大切にしていることがあります。お寺周囲の「地域」と「都市」、そして「自然環境」への眼差しです。「都会の人にお墓を売るだけでは地域の人は面白くないでしょう? 皆仲良くしようというのがお寺の意義ですから」

そこで広大な土地を整え、自らお堂を建立。都会から人を呼び寄せると、地元の人にとっては日常の一部だった里山の風景に訪問者の多くが感動し、「この寺の魅力を考えたら、一番は自然環境との共存」と語る住職に共感が広がる中、地域の信用も得られるようになったといいます。

現在真光寺で行われるイベントや、周辺の棚田再生活動には地元・都市部問わず参加者を迎えています。活動の理由を「社会に貢献する寺院じゃなきゃこれからは生き残れない。でも生き残りのためにやっているのではなくて、それが釈迦の願いだから」と住職。真光寺に人々が集う秘密を垣間見る一言でした。

岡本和幸住職
「この寺は誰一人知らないような寺だった。だからこそ、人を呼ぼうと考えた。」

真光寺のある町はこんなところ

畑や森が連なる静かな里山。お寺の周囲は東京ドイツ村や出光の研究所、ゴルフ場といった施設に囲まれているものの、住職は「寺の周りは取り残されたようなところがある」とも。

真光寺の訪ね方

東長寺からアクアラインを経由すれば車で約1時間。お寺ではどなたでも参加できる坐禅会、寺ヨガ、仏像彫刻会、里山ウォークなどのイベントを定期的に開催中。庭園のように整備された樹林葬墓地を散歩するように訪れる人の姿も見られます。

『萬亀』No.140(2022年12月号)より


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曹洞宗萬亀山東長寺(新宿区四谷四丁目)の納骨堂にて、新区画として「ペットと入れるお墓」の受付を開始するとともに、全国の保護施設で亡くなった動物たちの遺骨の受け入れ、供養・埋葬を実施いたします。 
by PRTIMES



<お問い合わせ連絡先>
東長寺結の会事務局 
電話:03-5315-4015(9:30~17:00)
メール:toiawase@tochoji.org