幹部候補生までが逃げ出す小池都政の「泥船化」が止まらない

 これまで筆者は、若手職員が都庁を辞めていく実態を、折に触れてTwitterやYouTube動画でお伝えしてきました。
 正直なところ、小池さんが都知事の座に居座る限り、20代30代の若手職員に明るい将来展望を抱けと言っても、土台、無理な話なのです。
 
若手職員に未来はない
 小池都政の現状はこうです。
 小池知事とその取り巻きから降りてくる理不尽なオーダーに対して、局長も部長の課長も、口が裂けてもノーとは言えない。だから、小池知事のひと言は「神の声」となって末端の職員にまで届いてしまう。上司の口癖は「つべこべ言わずにとっととやれっ」。意味不明の残業が続き、心身ともに疲弊する職員たち。メンタルをやられる人も少なくありません。
 しかも、オーダーというのが、都民のためにではなく、小池知事が目立ちたいだけの指示が大半ですから、やりがいもへったくれもあったもんじゃない。
 おまけに頻回な異動によって、スキルがまったく身につかない。周りの先輩達を見てもこの道のプロが見当たらない。このまま都職員を続けていて良いのだろうか。悶々とする日々・・・・。
 転職するなら今でしょ、と人材不足の経済状況が後押しします。結果、「また一人、優秀な職員が退職しました」という情報が寄せられることになります。なかには、既に転職先を決めた職員からメールをいただいたこともあります。
 とにかく、やりがいがなくキャリアアップの道筋も見えない都庁に見切りを付けて去って行く若手職員が後を絶たないのが都庁の実態なのです。

幹部候補生までが辞めていく
 そんな折、1通のメールが筆者の元に届きました。
「私の知っているだけでも、Aローが複数名辞めました。」
 Aローとは、都庁の管理職試験Aに合格して数年間の研修期間(これをローテーション、略してローテと言います)に入った幹部候補生のことです。管理職試験は大きくAとBに分類され、ザックリ言ってAは将来の都庁を担う若手ホープの登竜門、Bは実力を備えた中堅職員の登竜門です。
 そもそも都庁の管理職は、全職員の数パーセントしかいない超エリート的な存在です。そのプラチナ・チケットを手にした30歳前後の職員が都庁を去って行くというのですから、只事ではありません。なぜなら、管理職試験自体が狭き門で、筆記、論文、面接と入念な準備がなければ突破できません。つまり、Aローは少なくとも都庁の管理職になりたいと一念発起して努力を重ねてきた職員のはず。ところが、その努力と管理職としての将来を棒に振ってまで都庁を辞める決断をしたのですから、深刻さの度合いは計り知れません。筆者の現役時代にはありえなかったことです。

 若手職員に留まらず、幹部候補生までが都庁から逃げ出す現実を小池知事はどう考えているのでしょうか。(ま、考えていないでしょうけど・・・・。)
 このまま人材流出に歯止めがかからなければ、都庁のマンパワーは確実に低下していきます。その責任は組織のトップにあります。そして、組織を毀損してはばからないトップを選んだツケは、やがて都民自身に回ってくるのではないでしょうか。

 

 

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