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強毒化したウィルス

弱毒化したのか?

 オミクロン変異は、それ以前の変異に比べ弱毒化したなどという人がいます。これは社会正常化・感染対策を不要にしたい方たちの希望的観測と思われます。

 現実に子供を中心に深刻な症状が現れている事が報道されています。大人は成人病悪化のリスクが以前高いため、持病と区別がつきにくい症状もありますが、子供の場合は純粋な影響が確認されます。

 非接種の子供が感染で死亡するというニュースもありますが、そもそも接種率の高い高齢者や大人では感染で亡くなってもコロナが原因とされる事は稀で、心不全や肺炎、その他の死因をあてはめられてしまいます。大人の接種率が高い理由は、高齢者は先発して行政が接種を勧めたから、大人は会社など業務上の関係で接種圧が高いからです。
 なぜか子供の場合だけ、新型コロナウィルス感染症が死因と認められる確率が高いのは不思議な事です。接種済の人が感染症が死因と特定される事が滅多にないのに比べ、未接種の子供が死因として認定される率が高い(100%)のです。

 このような状況で、そもそもコロナウィルスを死因とした例が少ないため、重症化したかどうかは単純にICUで治療を受けた人の数(ある時期以降の東京都等を除く)になります。ここで、以下は重症化に含まれません。

  • 急性症状などでICUで治療を受けずに亡くなった人

  • 自宅待機で亡くなった人

  • ICUで治療を受けられない人

  • 酸素など自宅に医療器材を運んで療養している人

  • 後遺症で動けない人(多くの場合、そもそも治療対象になりません)

  • 入院してICUに入るほどではなかったが突然亡くなった人

 つまり医療提供をしなければ重症化率は下がるのです。政策の方向はこちらになっていると思われます。医療側も施設の受け入れが限界に近く、症状的に明らかに重症であっても受け入れできない状況がありました。

 以上、まず統計という集計上の認識誤り、または見落としによる重症化比率の過小評価があるのです。

 次に症状についてですが、デルタ以降、鼻腔内部での症状が多く、鼻腔内で感染すると言われてきました。こちらについては重症化の定義も含め、過去記事にて解説していますのでお読みください。

 一方、オミクロンについてですが、こちらはデルタと一転、多いCt値(少ないウィルス量)で感染している事が判明しました。解釈はまだ確定したものがないと思いますが、次のように言えると思います。
 まず、より少ないウィルス量で同程度、あるいはそれ以上の感染速度を持ち、より少ないウィルス量で同程度またはそれ以上の症状を引き起こすという事は、強毒化しているという事です。感染とは増殖した状態の事ですからウィルス量が少ないオミクロンは感染力が高いとは言えません。増える力は従来型に比べてさほど強くないのです。その状態で症状が現れるという事は増殖しなくとも体にダメージを与えられ、免疫を刺激するという事です。
 デルタに関する記事を読みかえる事にもなりますが、鼻腔の症状は少ないウィルス量でより激しく刺激が強くなっています。同じ鼻腔という組織同士で比較すると従来変異よりデルタ、デルタよりオミクロンの方が症状が重くなっていると言えます。この事からもオミクロン変異は明らかに強毒化しています。

 そして重複致しますが、まず上気道で感染し、ウィルス量が増えたら気管支・肺へ感染し肺炎を引き起こすウィルスです。
 目に見えないウィルスに関する人々の認知が上がり、早めに対策するようになった事で症状に気づきやすくなっている(通常の風邪と思って無理をする人がいなくなった)上に、鼻腔や喉で激しい症状を起こして自覚させるため、感染初期で対応する事で、肺炎に発展せず済んでいるケースが増えたという事です。
 言い換えると肺炎にまで発展した場合は、従来型の変異より重篤かつ急性な症状を引き起こす可能性は高いと考えられます。

 以上を総合して考えると、オミクロンが弱毒化したというのは危険な誤認識ではないかと思います。

 以上です。ありがとうございました。

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