🎧深く吸い込んだ彼らに言葉は与えなくていいのかもしれない

まず、深く息を吐くのが大切です。
一度、体の中のモヤモヤしてるものを全部出し切るつもりで。
出し切ったら、自ずと新しい新鮮な空気が入ってきます。
それが、吸うことを呼び込む「呼吸」です。

吐くときは、全身、皮膚からも深く吐き出すイメージを。
吸うときは、体の隅々まで酸素が行き渡っていくことをイメージする。

実際、感じることができなくても構いません。イメージするだけで大丈夫。

歯の食いしばりを解いて。
口の中を柔らかく。
吸って、吐いて。
新鮮な空気を呼び込んで。

とは。
私が習っているヨガの先生の言葉。

広島にいる時から教えて頂いている。

ヨガは、それまでも何度か習ったことがある。
スタジオのある高値のヨガ教室、公民館の気楽なヨガ教室、体験で行ったスポーツジムのヨガにも参加した。
どれもとても気持ちが良かったのだが、それは「私、身体にいいことしてるー！」という女子力上げてる満足感だった。

今の先生は、女子力というより、生命力を上げてもらっている感じだ。
身体を俯瞰で捉える。
同時に、心も俯瞰で捉えられると思えるようになってきた。


なぜ人は、自分の身体と心であるのに、こうもコントロールが効かないのだろう。
緊張や不安、不満や怒りや悲しみで、身を固くして解けない時がある。
かと思えば、力が入らない、どこに力を入れればしっかり歩けるのか分からない。
ああ。ダルい、しんどい、誰か代わりに全部やってくれ。
こんがらがった神経は、理性が発する脳の声を徐々に消していく。


無意識に大きなため息をついている時。
それは体からの合図だ。
「はい、一旦休憩ー！」

ちょっといいですかー？
一回ね、身体の中、入らせてもらいますねー。
あ？私？あ、特に名乗るほどの酸素でもねぇんですよ。
失礼しま…あっっ、だいぶ澱んでんなこれ、おいおいマジか、全然あっちの方酸素回ってねーじゃねーか、おい、ここの管理誰がやってんのー？
は？ちょっとメンタルやられてる？
いやいやいやいや、酸素こんだけ薄かったらやられちゃうよー、そりゃそうよー、メンタルが先か、酸素が先かって、あんた、俺らに言わせたら酸素よ、全く、軽く見てくれんなっつーの…
は？メンタルが先？
ちょ、一回そこ座れ。こちとらお前が生まれる何億年も前から、酸素の働きをしてきてんのよ、昨日今日生まれたお前のメンタルとかさ、聞いてないわけよ。
いいか。正しく俺らを使えないってことは、太古からの仕組みを崩してるってことよ。
分かる？
あー、まぁいいや。とにかくもうちょっと上手く呼吸してみ？
一回澱んだの出していくぞ、カメハメ派の要領だ。
は？カメハメ派知らねーの！？さてはマジで昨日今日生まれたな！？
カーーーーーァ、メーーーーーーーェ、ハーーーーーーーァ
全部やらすなよ、まぁ、その感じでやってみな。
そうそう…それから俺らを呼び込め！
いいか、俺らは呼ばれたらすぐ集まれる、最高だろ、最高の仲間だろ、お前ら俺らを軽視しすぎなんだよ、ピンチの時なんてお前の仲間よりよっぽど集まるの早えーっつーの！
ヒャッハー！俺ら最強！俺ら最高！
いい感じに体を軽くしてやっから、安心して任せろ！
いやだから、それが深呼吸だって！

…うーんと…
酸素をわかりやすく楽しく取り込もうとしたら、やかましいの来たな。
もうちょっと、可愛い妖精風にしてもいいと思います。
なんにせよ、酸素に喋り出させる必要はないみたいです。

ま、とにかく呼吸が大事ってことが伝わればそれで。（伝わった？）

というわけで！！

今日のすまスパは『深呼吸』朗読です。

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私が読ませていただいたのは
Marmaladeさん「深呼吸」

我らがmarmaladeさんですよ！
まさか、ピリカ文庫でお会いするとは！

鞠子さんは、marmaladeさんそのものを伺わせる空気感を持っています。
「あら猫がいる」ドライフラワーの描く模様にうふふ、と笑う始まりは、ホラ！やっぱりmarmaladeさん。
これは辛い境地にいた鞠子さんが、ゆっくり深呼吸をして歩き出し、自分らしさを取り戻して幸せになるお話。

「40歳になった時、もう一度恋をしよう。それが私への誕生日プレゼント、と胸に秘めた」
もう、この一文が愛おしくてたまらなくなりました。
たっぷり深呼吸して、自分をきちんと愛せるようになったら、同じように誰かを愛することもできるはず。
marmaladeさんの珠玉の詩と共に、そっと深呼吸してみてください。
あたたかい空気が体いっぱいに満たされます。

ピリカさん朗読は
納豆ご飯さん「獣山の歌姫」

山姥です、山姥の末裔さんが主人公です！
え、深い呼吸と共に包丁研いじゃう系！？
とね、一瞬で脳内が持っていかれます。
ところが彼女、山で一人きりで頑張ってきたとてもピュアな娘さんでした。
山に落ちてた雑誌「小悪魔ageha」から文字ってつけた名前のアゲハちゃんは、ある夜初めて獲物である人間を襲おうとしますが極度の緊張で失敗。
その時に獲物になる予定だった男性に呼吸を整えてもらいます。
それが1度目の深呼吸。
そして「獣山の歌姫」というキャッチフレーズでデビューする直前の緊張もまた、深呼吸をして、次は堂々とステージに向かうのです。

もうね、山姥、小悪魔ageha、獣山、歌姫。要所要所で気になるフレーズ。
それが悪目立ちするのではなくて、ピタッと作中の女の子に当てはまっていく感じが心地よかったです。
もしかしたら、世界の歌姫になっちゃうかもしれません。
頑張りたい時、彼女のように一度落ち着いて「吸って、吐いて、深呼吸」
いい空気が入ったら、きっとパフォーマンスは上がります。

今一度、良い空気を身体に入れてみたくなりました。
あ、私はそろそろ欠伸の時間。
これもまた、深呼吸ですね。
おやすみなさい。良い夢を♪