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『そうなのか』3話目


わたしは走るのが得意。陸上部でなくても高跳びは170㎝を超えられたりする。運動はなんでもできてしまう。

学校生活はモテた。男子から羨ましがれるほどかわいらしい子からも告白される。わたしはそれを嫌がらない。女の子も好きだ。

初恋は覚えていない。スポーツマンで活発なタイプより窓の外を眺めてる無口な少年を好きになりそうとは思う。

仔犬のようなあゆかのことは大好きだけど笑。だから猫は苦手。わたしは独りのほうが気楽なタイプでクールに見られる。はず、、。

ただ集中しすぎて周りが見えなくなることもある。髪の毛をグラスやマグに浸しているところをよく注意される。

友達は多くないけど気の利く子ばかり。常に行動を提案してくれる。そしてわたしを気軽に連れ回してくれる。

あゆかと仲良くなったのは中学校のとき。「待ってみさきなるか・・・・・・ちゃん!」下校中に突然抱きつかれた。

「誰?」顔は見たことある程度。第一印象はいい匂いのするカップケーキのような娘だった。

「わたしね迷ってるの」屈託のない話し方に圧倒された。どうやら恋の相談らしい。でもなぜわたし?

「名前は?」と聞くと想定した通りの返答が来た。「けんちゃん。」ううんわたしはカップケーキちゃんの名前をまず知りたい。

「あ、ごめん。あゆか!っていいます。」

そこからわたしは頷くだけの初対面を済ませた。話をまとめるとこうだ。

けんちゃんという男の子を好きになって。告白する前に向こうから好きと言われた。ただカップケーキあゆかちゃんは他にも好きな子がいる。

その子にも告白をしてからじゃないとけんちゃんと付き合えない。という相談。

あまり難しくないように思う。でもこれが浅はかな考えだった。「あゆかちゃん。簡単だよ。青春なんて一瞬なんだから思いっきりいこうよ。」

「うんわかった!」

あゆかはわたしに飛びついてきて、簡単にファーストキスを奪っていった。ドキドキはしなかった。仔犬にペロっとされた感覚だった。

「あ、、わたしだったのね。」動揺を隠しながら悟られないようにゆっくり答えた。

「うん。これでスッキリした!」なるちゃんと呼んでいい?と聞かれて頷いた。

本人はもうケロッとしている。わたしも深くは考えない。人間の距離なんていろいろだよ。と言い聞かせた。

それからは何もないし。無事にけんちゃんと付き合ったようだ。その後も彼氏を何人も変えてきている。

カップケーキあゆかちゃんは恋に困らないタイプ。でもわたしとは友達を続けてくれている。






つづく



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