旅の寄り道、散歩道/国道152号から大鹿村、中央構造線北川露頭

画像1 中央構造線の造る谷を通る国道152号を通って、大鹿村を通り抜けました。(2017年7月28日撮影)
画像2 静岡県浜松市から北へ向かって中央構造線のつくる谷間を走る国道152号。日本最大の断層のもろい地質で崖崩れが多く、未開通の分断部分があります。ここは迂回路となっている蛇洞林道です。看板には「大鹿村へは行けます」と書いてありました。いや、大鹿村は通過地点で、それより向こうに行きたいんだけど、つながっているのかしら?と不安になります。しかも、「大鹿村まで27km」の表示が。この道が27kmですよ!
画像3 蛇洞林道を走る間はゲリラ豪雨に見舞われ、深い山中の離合困難な山道、猛烈な雨で写真を撮る余裕がありませんでした。そんな雨も小康状態になったところで通り過ぎた、この光景。土砂崩れの現場ですが、道路は通れるようになっていました。
画像4 道路から見えた砂防ダムは、土砂で埋め尽くされていました。
画像5 林道から国道152号に復帰しているはずですが、あまり道路状況も風景も変わりません。
画像6 川沿いの道を下っていきます。
画像7 あ!電線です。人の住む気配がしてきました(笑)
画像8 村落に降りてくると道路が国道らしい2車線になり、素晴らしい風景が目の前に広がりました。左端の山麓にある建物は「中央構造線博物館」です。
画像9 目の前の山は大西山、白沢山という山でしょうか。急峻な山は崩落して地層がむき出しになっています。赤い土と青っぽい土、二つにわかれているのがよくわかります。
画像10 通って来た方向を振り返ると、こんな感じです。
画像11 雄大な光景に、心奪われてしまいました。後で聞いたところによると、大鹿村は南北朝時代、南朝の皇子である宗良親王が一時期隠れ住んだところだそうです。また村には300年前から歌舞伎が伝承されていて、春と秋の2回、村人による歌舞伎上演が行われています。村内には「塩」のつく地名がいくつもありますが、ここにわく温泉は海水と同じ塩分濃度があり、古くから製塩が行われていました。そのため国道152号は古くは「塩の道」とも呼ばれていたといいます。
画像12 道路の脇に車を停めて写真を撮っていると、後ろから追いついてきたアウトランダーのおじさんが降りてきて、道を尋ねられました。なんでも、南アルプスの塩見岳に登りに来たそうですが、行きたい林道がどこかわからないそうで…。おじさん、カーナビ頼りで地図はもっていないのでしょうか。それに車道でさえわからなくて、登山なんて大丈夫?と心配になりました。しかもこのとき、時間は午後4時過ぎ・・・
画像13 大鹿村の中心部はl快適な2車線道路でしたが、そこをすぎるとまたこんな酷道になりました。しかし大鹿村の人々は実にマナーがよく、こんな山道でも親切に道を譲ってくれ、気持ちよく走ることができました。
画像14 道は鹿塩川に沿って走っています。南北にのびる、中央構造線沿いの道です。地図をみると、「中央構造線北川露頭」というのがあったので、立ち寄ってみることにしました。
画像15 駐車場に車を停めて、森の中へ。徒歩3分とありました。
画像16 今いるのは、日本列島をつくる岩盤の内帯と外帯のぶつかる場所です。
画像17 鹿塩川のせせらぎ。
画像18 河野 純子 8月9日 · 道ばたに咲くホタルブクロの花。
画像19 土砂崩れのあとのように見えるところが、中央構造線の露頭です。赤い帯をはさんで、赤黒い「内帯」と青っぽい「外帯」が隣り合っています。
画像20 中央構造線は、関東から九州へつづく長大な断層(ずれ目)だという説明がありました。内帯が日本海側の岩盤、外帯が太平洋側の岩盤です。
画像21 内帯は、もともとは熱いマグマが地下でゆっくり固まってできた花崗岩。外帯は、深いけれど低温で高い圧力を受けて鉱物が変化してできた結晶片岩だということです。表面にあらわれた色は、断層の動きによってこわされたためもともとの岩石の色から変化しています。
画像22 中央構造線の露頭を上からみたところ。この左右で断層がずれているわけですね・・・
画像23 静かな谷間にダイナミックな自然の力が秘められています。
画像24 北川露頭から北へ行くと、分杭峠というすごい峠があり、そこからの眺めは素晴らしかったのですが、あいにく他の車があり写真が撮れませんでした。ちなみに分杭峠は「ゼロ磁場」ということでパワースポットとして人気だそうですが、科学的に解明されたものではない、とWikipediaにはありました。分杭峠から伊那市に入り、山を下ると道は快適になりました。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。 ぜひ、スキやシェアで応援いただければ幸いです。 よろしければ、サポートをお願いします。 いただいたサポートは、noteでの活動のために使わせていただきます。 よろしくお願いいたします。