第7話「自由コロニー同盟」2 小林昭人
誰が私のポケットにこれを入れたんだ? 黄色い紙片に流麗なジオン公用語で書かれた筆致を見て、彼女は首を傾げた。紙片はリーガル・パッドのようだ。
「同盟の奴らが、あの件を知って利用しようとしているなら、それは無駄なことだと気づくだろうよ。」
ハマーンは軽い朝食を摂ると、いつもの執務着に着替え始めた。ジュグノーの好意はありがたいが、今日は出勤する。
(私の神聖な思い出を汚す奴らを許すわけにはいかない。)
化粧の後、彼女は鏡台の引き出しから軍用拳銃を取り出すと、空のマガジンに一発一発装弾して拳銃に差し込み、ハンドバッグに納めた。
オルドリンのベッドタウン、マーレー区の一角から、赤いカプチーノが都心に向かうハイウェイに向かって走り去った。
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