もう三浦春馬がこの世にいないなんて信じられない
僕は生物の教師なので、生物の話をします。
ほとんどの生物が元々備わった本能で行動します。誰かに教わらなくても、どう生きれば良いか知っていて、迷わない。
でも人間は違います。人間は迷う。
だから人は学習する。真似をするんです。
例えば、目の前に切り立った岩壁があったら、僕たちは先に行った人のやり方を見て、それを真似て、登ろうとします。
(中略)
その紙(進路希望調査)に僕が書いたことは、何の役にも立ちません。破り捨ててもらって構いません。
希望の大学に入ったからといって、未来が約束されるわけじゃない。
君たちの未来は実際、厳しいと思う。
大体、僕だってこの先、どうなるかわからない。はっきり言って、不安だらけです。
でも、さっきの壁の話を思い出してください。
君たちがいざ登り始めたら、先に行っていたやつが目の前で失敗して落ちてしまったとします。
怖くなるよね?
自分もあんな風になるんじゃないか?
戻れなくなるかもしれないって、一歩も動けなくなると思う。
でも、その失敗したやつが、実はどっかにしがみついていて、傷は残っているけど、意外にしぶとく別のルートに挑戦してて...
それで、そこそこまっとうに生きてるとわかったら、君たちは少し勇気が持てるんじゃないかな?
あいつも意外と大丈夫だったしって。
じゃあ、行ってみるかなって!
次の一歩を踏み出せるんじゃないかと、思うんです。
だから僕は、必ずどっかで生きていようと思います。
仕事をして、お金をもらって。ご飯を食べて。
ちゃんと、ちゃんと、生きていきます。
みんなも元気で。
さようなら。
これは戸田恵梨香・三浦春馬のW主演だった月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』第9話の三浦春馬扮する生物教師・柏木修二の言葉。
教師を辞めることになった柏木先生が、最後の授業で生徒たちに言った言葉なんです。
放送されていた時期に東日本大震災が起こったり、個人的にも色々あった時期で不安に押しつぶされそうになっていたんだけど、この言葉に励まされ、救われました。
三浦春馬くんの訃報を聞いた時に、真っ先に思ったのはこのドラマであり、このセリフでした...
年1、もしくは年2で観るくらい大好きなドラマ。
もう三浦春馬がこの世にいないなんて信じられない
2022/01/18
飛田将行 とびたまさゆき
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