オットの買い物 そのイチ

オットはまるで物欲がない。そのうえ物持ちがよく、めったに物を買うことがない。洋服もそんなに興味がないようで、私が買ってきたものを割と何でも来てくれる。その無欲さは時々心配になるくらいだった。(←将来のために自己投資したら?という老婆心から)というワケでオットはガッチリおこづかい制だ。

とはいえ、働いているのはオットなので、その尊厳を守るうえでも、一応きちんとした額を設定している。けれど、毎月結構あまっているようで、月末になると家の貯金箱にお札を小さく折っていれていたり、ときどき私が渡しそびれても、そのまままたひと月を過ごしてしまうほどだ。(私なんて、飛ぶようにお札がなくっていくけどねっ)

そんな彼が、めずらしく買い物をしてきた。買ったものは、ずばり、、、宝くじだ。しかも宝くじと宝くじミニをそれぞれ10枚ずつ、占めて6,000円の出費だ。これには驚いた。というか、ちょっと呆れたし、ちょっと嬉しかったし、なんだかちょっと申し訳なくもなった。

つまり、呆れたというのは、「たまに出た物欲が、それ??」という気持ち。せっかくお金を出すなら、着実に手にはいるもの、残るもの、大好きなものを買うべきじゃん??という投げかけ。

そして、ちょっと嬉しかったというのは、「でもまあ、何にも使わないというのはあまりに味気ないし、自分で買いたくなったんだからいいか。」というまるで子どもがこづかい握りしめて大好きなプラモデルを買って帰ったときに抱くような母的思い。

そしてそして最後に感じたちょっと申し訳ないというのは、「もしかして、なんだかんだ、欲しいものはいろいろあるのかな?でも、おこづかい制だし、我慢できるものはしてるわけで、欲しいものを後ろめたさ無しに気持ちよく買うためにはもっともっと大金がいる!よし!宝くじで夢を買おう!」と思ったかもしれないオットにたいする、申し訳ない気持ちだ。

せっかくの限られたおこづかいで夢を買うオット。なんだか健気に思えてしまった。健気だけど、、、やはり、オットらしい愛おしい買い物なのであった。

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