１分のわるいところ｜ショートショート｜410字

僕の何が嫌いかって、1分ほど嫌いなものはないんだ。

例えばカップラーメンを作るじゃないか。3分とか5分かけてさ。

それくらいの時間があれば何かできると思うよ。何をやるかはその人次第だけどさ。

でも、1分だぜ。たったの。

その間に何ができるって言うんだ。できることがあるなら僕に教えて欲しいくらいだね。

それでいて時計を見ながら1分経つのを待っているとすごく長いんだな。1日経つ頃には季節が変わっちまうんじゃないかってくらいにさ。

こういう言葉があるじゃないか。「時間を大切にしなさい」ってさ。

これには僕も参ったね。

誓ってもいいけど、僕がシラフなら絶対に口にできない言葉だね。

ところで最近ショートショートというものを知ったんだ。短い小説みたいなやつなんだけどさ。

こいつのいいとこはさ。つまんない作品だったとしても1分しか無駄にしないってとこなんだ。

君が物語というものを楽しむ人間かは知らないけど、面白い作品を探す価値はあると思ったね。

あとがき

人っていうのはいつだって見当違いなものにスキをするんだよ。

うまく説明できないけどさ。

いや、かりにできるとしても、説明する気になるかどうかはわかんないな。

Respect for…

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

Special Thanks!

爪毛さんのお題を頂きました。