金持ちジュリエット
舞踏会でお互い一目惚れしたロミオとジュリエットだったが、ティパルトから決闘を申し込まれたロミオは彼を死なせてしまった故に街を追放され、ジュリエットはロレンス神父から仮死状態になる薬をもらって飲んだ結果、死んだような様相で墓場に横たわっていた。
「あぁ、なんてことだジュリエット」
横たわるジュリエットに声をかけるロミオ。
「君がいない世界なんていらない。僕も君の世界に行くよ」
そう言って、懐から短剣を取り出し自らの腹に突き立てた。
*
「目覚めましたかお嬢様」
「えぇ、思っていたよりいい目覚めだわ。彼は?」
「もちろん生きておりますとも」
ジュリエットが周りを見渡すと、執事を含め、ロレンス神父やティパルトなどの多数の人間が並んでいた。
「皆さん、お芝居お疲れさまでしたわ。代金は爺やから受け取ってくださいな」
皆が去ってからジュリエットはつぶやいた。
「さぁ、ロミオ。目を覚ましたら私だけを愛し続けるのよ、一生ね」
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