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解説・あとがき|ザナドゥ

著者による解説・あとがきです。


解説

 今回もご一読いただきありがとうございました。

 というわけで清々しいくらいの『叙述トリック』だったわけですが、最後の1文を読むまでに気づいた方はいらっしゃったでしょうか。

 僭越ながら著者自ら解説したいと思います。

一族
 物語の中盤で(人類から)希少動物に認定されることになる動物種。

異邦のモノたち
 人類のこと。

破壊行為
 人間による自然破壊の結果。

彼らの住処は、ほとんど跡形もなく消え去っていた。

 破壊だけが目的ならば”跡形もなく”は大げさすぎ。

皆殺しにされた種族
 人間の生活を脅かす(人間にとっての)害獣。

ヨシム=動物のヒント

彼は一瞬のうちに寝床から抜け出し、夜の森を駆け巡った。

 寝床から一瞬で抜け出して、夜の森を駆け巡るのは人間には殆ど不可能。

動物園のヒント

寝床を含む住処は今までヨシムが生きてきた中で最高といっても言葉が足りないくらい快適なもので、食事も定期的に提供され、それもまたヨシムが今まで食べたことのないほど美味しいものばかりであった。最初は警戒して食事すら取らなかったヨシムも、どうやら悪意があるわけではないことを察すると、少しずつこの生活にも慣れていった。

 気づく人がいるとしたら恐らくこのタイミングだろうと思います。

ヨシムが捕獲された理由
 希少動物保護の観点で、若い個体のほうが好ましかった(あるいは捕獲できたのがたまたまヨシム一体だけだった)。


あとがき

 そんなわけで、この作品のテーマは『寓話』だったりします。

教訓的な内容を、他の事物、主として動物にかこつけて表わした、たとえ話。寓言。「イソップ物語」の類。

コトバンクより
https://kotobank.jp/word/%E5%AF%93%E8%A9%B1-54940

 私は”自然保護”という言葉を聞くと、どうも偽善というか欺瞞てきなものをそこから感じ取ってしまいます。

 子供の”なんで命は大切なのに虫は殺していいの?”という質問と似た感じでしょうか。

 まぁ自分たちのために必要なことをDNAプログラムに従って行うというのは全動物共通していることであって、別に人間だけが悪いとかそういうことは全然ないんですけれども。

 ともあれ大切なのは、”自分に不都合な部分だけ目をつぶって、都合の良い部分だけに酔ったりしないこと”だと思っており、それが本作品の核心にあるテーマと言うかメッセージだったりします。


おわりに

 感想・コメントなどお気軽にいただければ幸いです(よくない点などの指摘についても歓迎です)


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