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ケイパビリティに焦点を当てた開発組織の構築

メダップの開発組織で大切にしている概念に「ケイパビリティに焦点を当てる」ことがあります。

このケイパビリティに焦点を当てるという考え方は、「[Accelerate] Lean と DevOps の科学」という書籍の中で紹介されているので、ぜひ読んでみてください!

今回は、このケイパビリティに焦点を当てるという考え方を基にメダップがこれまでどのように開発組織を構築してきたのか?またどういった成果があったのか?について書き起こしてみました!

ケイパビリティに焦点を当てる

詳しくは、冒頭で紹介した書籍をぜひ読んでいただきたいのですが、この後の内容のために「ケイパビリティに焦点を当てる」とはどういうことなのか?をざっくりと紹介します。

開発組織は、プロダクトを迅速かつ確実にデリバリしなければならないと思います。
パフォーマンス高くこの継続的なデリバリを実現する鍵としては、組織の「成熟度」ではなく「ケイパビリティ(組織的な能力あるいは機能)」に焦点を当て、状況の適切な把握とそれを可能にする指標の測定が必要という考え方が、ケイパビリティモデルです。

極端に言うと、組織が成熟していくことよりも組織として必要な能力を定めその能力を保持できているか?を常に追うような考え方と認識しています。

メダップでは、開発組織としての生産性/パフォーマンスを高め、維持することを目的として、ケイパビリティに焦点を当てた組織構築を行ってきました!

メダップ開発組織におけるケイパビリティの計測

メダップでは、フェーズに応じて焦点を当てるケイパビリティを変えてきました。
ケイパビリティの設定方法としては、以下です。

- 経営・事業戦略に応じて、開発組織戦略/Visionを設定する
- その開発組織戦略/Visionに必要な開発組織としての能力を定め、ケイパビリティとする

2021年1月に開発組織を内製化しており、1月 ~ 6月までを開発組織の立ち上げ期, 6月以降をシリーズA後の加速に向けたスケールアップ期としてやってきました。

■ 開発組織の立ち上げ期

組織の立ち上げ期で最も大切にしていたのは、バックログアイテムをデリバリするまでの速さです。開発量が少ないとしてもフロー効率にフォーカスして、早く機能をリリースできる組織を目指していました。

(リソース効率については、下記noteでまとめてます!ぜひご覧ください↓)

こうした戦略下で定めていたケイパビリティは、ただ1つでリードタイム/ポイント(= 1ポイント辺りどれくらいのリードタイムでリリースできているか)のみです。

目標値を定め、バックログアイテムごとにリードタイム/ポイントを計測し、差分の可視化 → 改善を半年間繰り返しました。

■ シリーズA後の加速に向けたスケールアップ期

6月に入り、組織としてある程度スピード感を持って開発を行えるようになってきているなという感覚が計測している数値からも伺えました。
この頃には、先日プレスリリースを出しましたシリーズAも見えつつあったので、開発組織も拡大していきたいなと考えるようになってきました。

スピード感を持った開発ができていることを数値化したリードタイム/ポイントは変わらず定めた上で、一定期間において組織が開発できている総量もケイパビリティに取り入れました。
具体的には、ポイント/スプリント(= 1スプリントあたりどれくらいのバックログアイテムポイントを開発できているか)をケイパビリティに加えています。

まだケイパビリティに加えて3ヶ月たった程度ですが、組織として高いパフォーマンスを保てていますし、ここからまた一段階ギアを変えていこうとしています。(手前味噌ですが、最高に面白いフェーズだと思います)

ケイパビリティモデルを取り入れたことで得られた効用

組織のフェーズ(戦略/Vision)に応じたケイパビリティを定めることで、組織一丸となって改善を回せていることが何よりも良かったと考えています。

組織として何を担保しなければいけないのか?何を持ってハイパフォーマンスな組織といえるのか?が明確に定められていますし、数値化することで組織に求められている能力と現状の差分を明確に把握できるため、毎週のKPTでもメンバーからここに対する改善案がめちゃくちゃ多く出ています。

開発外のメンバーに対してもいまの開発組織の状態を明確にシェアできることで、開発組織への信頼を高めることができたのも良かったなと感じています。

まとめ

メダップの開発組織構築に取り入れているケイパビリティモデルについて、まとめてみました。

目指すべきものが明確で、そこへの差分を把握できているので高速に改善を回すことができています。
(組織が成熟していくことに焦点を当てていないと話しましたが、結果的に組織は成熟しています。)

別のnoteで書こうと思っているんですが、ここからまた組織のVisionをアップデートして、定めるケイパビリティも変えていきます!
開発組織の生産性やパフォーマンス向上に興味があるエンジニアの方にとっては、めちゃくちゃおもしろい組織だと思います!!!

もし少しでもご興味お持ちいただけるようでしたら、ぜひ一度より具体的なお話がシェアできればと思いますので、最寄りの馬場までDMください!
(副業からの参画も全然OKです!!)

開発組織に関しては、別途スライドも作成しているので、良ければご覧いただきたいです。

(弊社採用ページもぜひご覧ください!)