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VerticalSaaSに立ち向かうメダップのプロダクト開発

メダップでCTOをしている馬場です。
2021年8月31日にシリーズA調達完了のプレスリリースを出しました!
(メダップについては、下記会社紹介資料を御覧ください)

プロダクトとしては、ここから更にバリューアップしていきたいところですが、プロダクト開発においてはプロダクトを創っていく組織文化・オペレーションの設計も非常に重要だと考えており、今回はプロダクトやそのプロダクトに価値を生み出す組織文化・オペレーションを如何に構築していくかというテーマで書いていきます。

VerticalSaaS におけるプロダクト開発

メダップが取り組んでいる領域は病院業界であり、特に病院経営に焦点を当てた事業を展開しています。
現在提供しているforoCRMは、更にその中でも地域連携という領域にある課題を解決するべく開発されています。
(病院の中で働いていない限り、なかなかピンとこないテーマを扱っているかなと思っています、、)

(病院業界の面白さに関しては、弊社CFO兼事業部長の岡田さんがまとめているので、ぜひ御覧ください!)

Vertical SaaS においては、業界特化でその業界に入り込んでプロダクトを作り込んでいくことが求められます。普段接点がない業界に入り込んでプロダクトを開発するということは非常に難しいことであり、チームをあげて業界理解を進めていく必要があります。

こうした中、メダップのプロダクト開発では下記ポイントを重要視してこれまで取り組んできました。

■ まず第一に、ユーザーの業務を押さえる(徹底的に理解する)

- ユーザーは、どういった業務の流れがあるのか、具体的には普段どういった業務を行っているのか?
- ユーザーは、どういった環境で業務に取り組んでいるのか?
- 上記を踏まえて、ユーザーは我々のプロダクトとどこで接点を持っているのか?

上記のように、ただプロダクトを使う場面に絞ってユーザーを理解するのではなく、ユーザーが行っている業務の全体像を理解しにいくことが何よりも重要だと考えています。

メダップではこれまでにPdM, デザイナー, エンジニア全員でこうしたユーザーの理解を深めようとユーザー行動フローの作成を行ったり、オンボーディング時 & 定期でSalesの営業同行(オンライン実施)を行ってきました。

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(作成したユーザー行動フロー図)

■ プロダクトを中心として、職種を超えたコミュニケーションを活発に行う

Sales, CS, Product(Design, Dev)が、プロダクトを中心として活発に意見交換できる組織文化が根付いていることが、VerticalSaaS で戦っていく上では非常に重要なことだと考えています。

それぞれが持つユーザー/プロダクトの理解, 見え方をシェアし合うことで、より一層業界/ユーザーに対する解像度があがりますし、その業界/ユーザーに対してプロダクトを通した価値をデリバリーすることへの意識が高まります。

VericalSaaS ではその業界に入り込んでいくこともあり、どうしてもハイタッチになってしまう場面も多くあります。ハイタッチになることが悪ではないですが、その業界の構造をプロダクトを通してアップデートすることが SaaS を提供している会社(事業)の責務だと考えているので、あくまでプロダクトを通した継続的な価値提供に軸足を置くことが大切であり、
どの職種においてもメンバー一人ひとりが、プロダクトを通した価値提供に関して思考し、行動できる組織でありたいと思っています。

(ちなみにメダップでは、毎週プロダクト懇親会として中長期的なプロダクトの話, 最近リリースした機能のユーザーリアクションのシェアなどを行う場を設けています)

これからの注力ポイント

これまでも取り組んできた「徹底的にユーザーの業務を押さえること」/「プロダクトを中心としてコミュニケーションの活性化」は、VerticalSaaS でプロダクト開発を行っていく上では大前提です。
そのため、これまで同様にユーザー理解に向けた業務フロー図の作成や営業同行。そしてプロダクトを中心とした活発なコミュニケーションの促進施策は積極的に行っていきます。

そこに加えて、ここからforoCRMを病院特化型CRMサービスとして更に作り込んでいくためには、プロダクトチームとして下記ポイントに注力していきます。

- 業界/ユーザーについて理解を深めた上でプロダクトとして提供したいUXの全体設計を行うこと
- 課題の発見・抽出からその複雑なドメインをデザイン・開発要件に落とし込んでいくオペレーションの設計・作り込むこと

■ プロダクトとして提供したいUXの全体設計を行う

業界特化としてその業界と向き合い、ユーザーの業務を押さえているからこそできるUXの全体設計があると考えています。
HorizontalSaaSでは実現できなかったその業界に特化しているからこそできるUXを作り込んでいくことが事業としてのMoatになると思うので、
とある業務課題を解決する単発の機能の集合ではなく、その領域(今回でいうと地域連携)に寄り添ったプロダクトへと昇華していきたいです。
(非常に抽象的かつ答えのない戦いにはなると想定していますが...) 

具体の施策としては、引き続きユーザーの課題に向き合ったプロダクト開発を行い、その中でも業務の行間(ユーザーの業務毎のつながりや業務前後でやっている習慣など)を理解する取り組みを増やしていけると良いかなと思っています。

コロナ禍かつ、病院業界ということもあり現地に赴くことができるかは怪しいのですが、できることなら一日地域連携室に張り付くくらいの勢いでいますw

■ 課題の発見・抽出からその複雑なドメインをデザイン・開発要件に落とし込むオペレーションの設計

プロダクトのバリューアップとして、今後も機能改善やアップセルを狙った新規機能開発をもちろん行っていきます。

現在のプロダクト開発では、ディスカバリー(課題発見から課題定義 ~ 強いて言えば開発要件への落とし込み)が型化できておらず、PdMをやっているCTO(わたし)にオペレーションが依存してしまっていることが課題になりつつあります。

- 業界/ユーザーについて理解する
- 課題を発見し定義する
- スムーズにデザイン/開発要件に落とし込む

上記のようなプロセスが円滑に流れるようになると、プロダクトのバリューアップもより一層加速していくと思うので、各プロセスごとに型化をしていく想定です。

デザイン/開発要件への落とし込みに関してやることは明確で、プロダクトとしてのデザインルールの作成やドメイン用語集, ドメインの相関図を作るなど既に学習しつつある知識の体系化・言語化を進めていきます。

その一方でまだ解像度が低く課題に感じているのは「ユーザーの課題を発見し定義する」プロセスです。
課題を発見するためにも定性/定量評価としてどういった指標を設定すべきか?どう計測していくか?何を持ってプロダクトが業務に溶け込んでいるとみなすのか?など、単純なアクセス数などからは見えないプロダクトの評価ポイントを見出していくことが重要だと思っています。

まだまだここに対する取り組み自体も少なく、オペレーションの作り込みができるほどプロセスを明確に定義できていません。
世の中的には、この辺りで「ダブルダイヤモンド」と呼ばれる概念やもっと広義であれば「デザイン思考」があると思います。
まずメダップがこれから取り組むプロダクト開発は、こうしたベストプラクティスから自分たちの領域で価値を発揮できる形に落とし込んでいくことだと考えています。
プロダクト開発はもちろん、こうしたプロセスの作り込みに興味がある方はぜひ一緒にやっていきましょう!!!!

まとめ

いざ書いてみると取り留めのない文章になってしまったな〜と感じているのですが...

メダップが病院業界のプロダクト開発とどう向き合っていて、何をやっているのか?また、どういった辺りに課題があるのかを少しでも理解していただければ幸甚です。

病院業界という非常に大きな領域で、プロダクトを作り込んでいきたいPdM, Designer, Engineerの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度お話させてください!!!(副業からの参画もOKです!)
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(弊社採用ページもぜひご覧ください!)