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「モキュメンタリー=ホラー」みたいな風潮に納得がいかない

なんか最近やけにモキュメンタリー調のホラー番組が流行っている。
あえてタイトルは挙げない、というかその手のジャンルにちゃんと触れたことがないので挙げようがないのだが、個人的にはめちゃくちゃ悪手だよなーと感じてしまう。

純粋なドキュメンタリーやバラエティだと思って見ていた人は急なホラー要素にギョッとするし、かと言って放送後SNSで話題になってから触れたんじゃ面白さが半減している。

何より、個人的にホラー作品に対しては苦手意識がある。
これは「怖いのが苦手で見れない」という意味ではなく、「わざわざ貴重な時間とリソースを割いてまで読後感の悪いものに接したくない」という意味の方が近い。

ホラーとしては得てして見てて嫌な気分になるものが多いので(特に鬱を患ってからは)得意じゃない。
出来がいいならまだしも、中途半端にチープだったりすると「なんでわざわざこんなもん見せられなきゃならんのだ…」みたいな気持ちになる。

なので、大変失礼だというのは重々承知だが「ホラー好き」を自称している人間は「アタシゲテモノとか全然平気ですよ」みたいな薄ら厨二病くさいなにかを感じてしまう。
「へー、そらようござんすね」と冷めた目で見てしまう。

Wikipediaで「モキュメンタリー」を調べて見たら、主な作品の中にNHKの「タイムスクープハンター」や「山田孝之の東京都北区赤羽」、「ちびまる子ちゃん」の記載があった。
大半がホラーや気分の悪くなる作品が多い中、そうではないモキュメンタリーもちゃんとある。
なのに、何故こうもモキュメンタリーホラーが溢れてしまうのか。

SNSでの考察ブームとかと紐付けで論ずるのは可能だが、この記事はそういうまともなものではなく純粋に自分が抱いている悪感情をぶちまけるだけのものにしたいのでその辺への言及はあえて避けようと思う。

ただ、どうせモキュメンタリーが流行るならホラー一択ではなくもっといろんなジャンルがあっていいと思うのだ。
実在しないお笑いコンビが賞レースの入賞を目指すとか、実は壮大なコントでしたとか、そういった創意工夫が見られていいはずである。

なのに馬鹿の一つ覚えみたいにホラーばっかり。
全部の出口がホラーになっているモキュメンタリーが世に溢れている。
まるで「モキュメンタリーとはホラーのジャンルのうちの一つである」と言わんばかりに。

つまんねーな、同じことしかできないのかよお前ら。
もっとやり方変えてみろよ、「ホラーにしようとしてるけどチープすぎて逆に面白くなってる」とかも許してないからな俺。
何がなんでもホラーを絡めようとするその姿勢に納得がいかんのだ。

「ウケるものが作りたい」というクリエイター達の思いは汲むが、だとしたらもうちょっと手法を変えるとかやってほしい。
本当に辟易している。



《2024.06.28追記》
単に「嫌いだ」とだけ表明するのも不誠実な気がしたので、個人的に好きなモキュメンタリー作品をあげようと思う。

「ウルトラマンX」第16話『激撮!Xio密着24時』
最近ちょっと問題になった警察24時もののパロディとして「作中世界で怪獣と対峙する防衛隊に密着したドキュメンタリー番組」という体になっているのだが、刑事物あるあるみたいな小ネタを挟んだり特撮的にも「車載カメラで撮影した実際の風景に怪獣とウルトラマンを合成する」といった現実とフィクションの際を攻めた演出がたまらない。
メインどころのサブスクだとプライムビデオかHulu(後は円谷プロが独自サービスとして運営している円谷イマジネーション)ぐらいでしか配信されてないのだが、一見の価値ありの作品である。
こういう「お遊び」を1エピソードとしてお届けできるウルトラシリーズの懐の深さが窺える。

割とカツカツな人生の足しにします。割とどころじゃなくてマジでカツカツなのでサポートしてくださるとありがたいです。