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医療・介護関係職のタスクシフトについて(内閣府規制改革推進会議 第2回 医療・介護WG の資料・議事録を閲覧しての個人的な感想)

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

さて元日の記事なんですけど、特にやることもないので普段時間をとって資料などをなかなか読めないのでこういう機会にチェックしておいた資料を確認しておきたいなと思いました。

今回は、2021年9月27日(月)に開催された、内閣府規制改革推進会議第2回医療・介護ワーキング・グループの資料と議事録(介護関連の内容の部分のみ)を閲覧した感想等を情報の整理も含めて書き出しておきたいと思います。

国が今後どういう方針で介護保険制度を運用していくかをある程度把握しておく事は重要と思いますので、時々内閣府や厚労省の部会・分科会の資料は目を通すようにしていますけど、なんとなく読んだだけだったのが、今回のように書き出す作業をすることでより整理できるかな、という試みです。

今回のキーワードが『介護関係職のタスクシフト』でした。

タスクシフトとは”業務移管”という意味のようです。
ここで議論されているのは、医師から看護師へ、看護師から介護職への業務移管という事でだろうな、と思いつつ資料を読み始めました。

議論の中では、介護現場における介護職員のやっていい医療行為については平成17年に解釈通知を出して医行為と医行為ではない行為について示してあると説明した上で、社会情勢や昨今の医療の普及などによって、その考え方というものが刻々と変わっていくものだという事で、現在見直しをするために有料老人ホームや老人福祉施設、訪問介護等の施設やサービスを提供している団体を中心に介護現場の意見の調査を行い、これを今整理しているとの事。

まだ整理の段階なので具体的なものは出ていませんが、改めて介護現場で介護職ができる行為を明確にし、それを可能にするための合意のプロセスをどのように整備するかを整理しているとの内容でした。

これについては、常々家族ができるような医行為については、介護職も同様のプロセスを経てできるようになることで専門性も高まるし良いことだと思うのでどんどん進めてほしいのですが、そうなる事を嫌がる介護職も結構多いので、これは介護職側の努力も必要な課題だと感じています。

いずれにせよ、今後の全産業の人材不足になる情勢では、医師も看護師も介護職員も足りなくなるのは明白なので、患者・利用者の健康や生活を守るためには、医行為の専門性についての再整理は必要な課題だと感じました。

そしてこの会議の中で、医行為ではないと考えられる行為の更なる整理という事で、業界団体からツクイの担当から報告があったようです。

内容は通所介護の場面で在宅酸素の付け替えを介護職ができるようにするために、チューブの接続や酸素濃度の測定などできるようになれば、実際に朝の送迎の場面に看護師が同乗できるケースが少ない(場合によっては、そのような対応もしているとの事)ので、課題があるとの事。

実際こういうケースはあって、デイの来所前に家族や本人で携帯用ボンベに付け替えてもらって対応したりしていますが、独居の方の対応についてはこれまで経験がなかったのでまだ対応した事はありませんが、今後在宅介護でも重度化は深刻になる事もかんがえると、こういう本人や家族にできるような事は介護職でもできるようにしておいた方がよいとは思います。

介護に関係する内容としては以上の内容と、あとはデイサービス等で医療機関などへの報告が必要になった際の文書作成や報告内容に課題がある、といった内容でした。

在宅酸素のチューブの取り換えなどから、今後は家族や本人ができるような医行為については介護現場の介護職員でも可能になればよいとは思います。

そのためにも介護職はある程度の医行為についての知識や理解を広げておく必要もありますし、当然、何でできて何ができないのか、という法令順守の視点も必要です。また、このような行為が介護職でもできるようになった場合には、万が一のミスや事故は重大事故に分類されるはずなので、そういう重大な行為を行っている自覚と、たとえヒューマンエラーが発生したとしてもシステム面で予防できる対策も必要ですし、そもそもそういうシステムを守る倫理を介護職一人ひとりが持つ必要があります。多くの事故の対応をしてきましたが、定められた手順を勝手に省略して事故を発生させているケースが多いので、たとえばそういうルール無視があったとしても事故を防げるような二重三重のチェック(他者による)が必要になるかもしれません。

いずれにしても、世間一般から介護職員にそこまで任せても大丈夫、という信頼を得なければならないことは明白で、世間では介護職は国の政策で給料が上がっていると思われている状況ですので、それに見合った専門性を一人ひとりの介護職員が自覚をして発揮するしかないと思います。

個人的には歓迎な流れですが、状況としては人手不足で抜き差しならない状況になると思うのですが、もしかしたら介護職団体もふくめて各業界団体からいろいろ意見も出て難航するかもしれませんね。

早ければ次回の医療と介護の同時改定で実現となるのでしょうか。




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