親不孝介護というキーワードが気になったので読んでみました。
つきっきりの介護は本当に疲弊しますので、使えるサービスや家族の援助はどんどんと受けて負担を分散しないと大変です。
職業として介護を選んだ僕たちでさえ大変なのですから、身内の介護となると別次元での大変さがあります。
適切な距離の取り方はいろいろあるとは思いますが、無理をして介助者がつぶれてしまう事が最悪のパターンですので、介助者自身も自分を守る事が重要です。
介護って、日々衰えていく家族を目の前で見ているので、だんだん良くなるという事はないんですよね。
一時的に治療等で回復する事はあっても、やはりどんどんと老化によってできない事が増えていきます。
それが認知症を伴うようになれば、娘さんや息子さんの事まで分からなくなってしまう中で、より困難さを増していくと思います。
ビジネスって、これとは真逆で段々と成長したり成功したり発展したり拡大したりするのが目的で、そこに向かって計画をたてて実行していくわけですので、先が読めない介護や、日々低下していく現象と比べると、今までの成功体験が一切通用しないのが介護だと思います。
ですよね・・・そして頑張りすぎてしまう・・・。
これは本当にそう思います。
介護の現場はプロに任せてもらった方がいいです。
ただ、介護現場のプロとはいっても、ビジネスマンからしたら物足りない質の介護職だっているのは事実ですが、そこも含めて任せてもらえたら、と思います。
本当はそのための介護サービスですし、厚労省や国も、介護離職ゼロを掲げていますので、そうであれば、もっと使い易い介護サービスの制度であったほしいと思います。
それに、以前の記事でもチラっと書きましたが、こういう介護離職を減らす事で、ただでさえ少なくなっている労働人口を維持する事ができます。
ですので、介護サービスが使い易い仕組みになる事は、単に介護だけではなく社会全体への影響もあると思っています。
これは重要なポイントと思います。
介護休暇を取ったからには24時間介護しないと!って思う人は多いと思います。
ケアマネージャーもキーパーソンと連絡が取りにくかったりすると動きにくかったりするので、介護を取り巻く状況の中で、主になる家族に余裕がある事が非常に重要です。
そのための介護休暇だと思います。
仕事もしながら介護もやりぬく、というのは相当な負担とプレッシャーがあると思います。
撤退戦というのは分かりやすい表現だな、と思いました。
先が見えない介護の中で、いかに自分たちを守りながら生活していくか。
老いや病を認められなかったり、衰えていく親を認められなかったり。
ご家族が、両親や家族の介護で頑張る必要は一切ないと思っています。
肉親の介護は本当に精神を削りますので、ほどよい距離感が重要です。
仕事も介護も1馬力では両立できないと思います。
共倒れは本当に悲劇です。
そういう事にならないように、虐待や介護苦による殺人などの悲劇を繰り返さないために介護保険制度が出来たはずなんですけど・・・。
本当に頑張って無理しているご家族ほど、僕らやケアマネの助言が届かないんですよね。本人は本当に頑張っているに、何で邪魔をするのか・・・とか。
例えばレスパイト目的でショートステイの導入を提案しても、私が楽するのは良くないとか・・・。いやいや、こっちは少しでも楽してほしいからなんですけど、そこが伝わらない。
中には、直接介護をしていない他の親族の目があるからショートステイ等は使えない・・・というケースもありましたね。
介護疲れで地域包括支援センターに相談が入って、じゃあヘルパーさんを少し使ってみましょうか、という感じになって契約とかも済ませて、いざサービス導入・・・というタイミングで、他の親族から家族が面倒もみないで介護サービスを使うなんて、という感じの横やりが入って利用が中止になったりもありました。
実際の現場をしらない人の意見は聞く必要はないとは思いますが、家族の関係性がこういう時にも影響するのかと思うと、本当に介護が必要な本人の気持ちや介護で疲弊してしまう家族の気持ちが置き去りになるケースもあって複雑な心境になります。
愚痴や悩みを吐き出せる環境も本当に大切ですよね。
僕ら介護職にも言って吐き出してもらいたいケースもあるんですけど、頑張っているご家族ほど、そういうのをため込んでしまいます。
自分の親ですからね。
冷静ではいられないと思いますし、そういう状況で苦しんでおられたご家族が本当に多かったです。
僕も似たような事をご家族に伝えた事があります。
僕ら仕事で出来ているので、これが自分の親だったら同じように腹が立ちますよ・・・みたいな感じでした。
なので、怒りのコントロールが出来る程度でそれ以上コントロールできなくなるような場合は、サービスを使いましょう。みたいな感じでした。
最初から楽をするための導入だとなかなか納得いただけないので、限界を感じたら少しずつサービスを入れて、徐々に増やしていく感じですね。
記事の後編があるようなので、明日そちらも紹介してみようと思います。