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介護休暇が誤解生む? ブリヂストンの担当者と語る「親不孝介護」・・・という記事の紹介です。

親不孝介護というキーワードが気になったので読んでみました。

川内さんの考えは「介護は、親と適切な距離を取る方がうまくいく」、すなわち「親不孝介護」。

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つきっきりの介護は本当に疲弊しますので、使えるサービスや家族の援助はどんどんと受けて負担を分散しないと大変です。

職業として介護を選んだ僕たちでさえ大変なのですから、身内の介護となると別次元での大変さがあります。

適切な距離の取り方はいろいろあるとは思いますが、無理をして介助者がつぶれてしまう事が最悪のパターンですので、介助者自身も自分を守る事が重要です。

その中でも特に意外だったのは「優秀なビジネスパーソンほど、介護では燃え尽きやすく、離職に至りやすい」という川内さんの指摘です。

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介護って、日々衰えていく家族を目の前で見ているので、だんだん良くなるという事はないんですよね。
一時的に治療等で回復する事はあっても、やはりどんどんと老化によってできない事が増えていきます。

それが認知症を伴うようになれば、娘さんや息子さんの事まで分からなくなってしまう中で、より困難さを増していくと思います。

ビジネスって、これとは真逆で段々と成長したり成功したり発展したり拡大したりするのが目的で、そこに向かって計画をたてて実行していくわけですので、先が読めない介護や、日々低下していく現象と比べると、今までの成功体験が一切通用しないのが介護だと思います。

ビジネスでは基本的に物事が一歩一歩前進し、それをPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルで着実に推し進めるのが成功への道です。一方、介護は予想外につぐ予想外の連続が当たり前で、計画通りにはめったにいきません。しかし、仕事の成功体験がある優秀なビジネスパーソンは、自分の力を信じて、実りのない消耗戦に巻き込まれていき、その果てには介護離職が待っている……。

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ですよね・・・そして頑張りすぎてしまう・・・。

川内さんは1700件以上の会社員の介護相談に対応する中で、「現場はプロに任せ、自分自身はよきマネジャーに徹する」という「親不孝介護」の考え方にたどり着きました。「優秀なビジネスパーソンが、親孝行をしたい、という前向きな気持ちで介護に臨み、自分が好きな仕事を失ったり愛する家族を傷つけてしまう姿を見てきて、なんとかできないかと考えてきた、その一つの結論です」(川内さん)

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これは本当にそう思います。
介護の現場はプロに任せてもらった方がいいです。

ただ、介護現場のプロとはいっても、ビジネスマンからしたら物足りない質の介護職だっているのは事実ですが、そこも含めて任せてもらえたら、と思います。

本当はそのための介護サービスですし、厚労省や国も、介護離職ゼロを掲げていますので、そうであれば、もっと使い易い介護サービスの制度であったほしいと思います。

それに、以前の記事でもチラっと書きましたが、こういう介護離職を減らす事で、ただでさえ少なくなっている労働人口を維持する事ができます。
ですので、介護サービスが使い易い仕組みになる事は、単に介護だけではなく社会全体への影響もあると思っています。

増谷:「介護休職」という制度が会社にあるが故に、「親が要介護になったら、自分が休職して、介護を全部引き受けなきゃいけない」と考えてしまう、そんな側面もあるのかなと思って。誤解を恐れずに言うと、休職制度を会社が用意することで、社員の側は「介護をするために、休まなきゃいけない」と思ってしまう側面があるのではないかと。

川内:すごい、これはまったくその通りで、もちろんブリヂストンさんだけじゃなくて、どの企業さんも抱えるジレンマだろうなと思います。

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これは重要なポイントと思います。
介護休暇を取ったからには24時間介護しないと!って思う人は多いと思います。

休職制度があることで、「休んでいいから、『君が』親の介護をやりなさい」と言われている気分になるかもしれない。この「君が」が重要ですね。「君が直接手を動かして、介護をやりなさい」とは、会社側は言っていないのですが、まあ、普通は誰だってそう考えちゃうでしょうね。そこが怖いところで。

川内:はい。「親の介護」は、自分で親のおむつを替えたり食事の世話をすることではないんです。自分がマネジャーとして、外部スタッフとチームを組成して、自分にも家族にも、そして親にもストレスなく維持していける体制をつくるという、ある意味とてもビジネス的なことなんです。

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ケアマネージャーもキーパーソンと連絡が取りにくかったりすると動きにくかったりするので、介護を取り巻く状況の中で、主になる家族に余裕がある事が非常に重要です。
そのための介護休暇だと思います。

仕事もしながら介護もやりぬく、というのは相当な負担とプレッシャーがあると思います。

介護休暇や休職で、自分で親御さんの介護を始めてしまうと、相互に依存関係が生じて、ヘルパーさんなどの外部スタッフを後から入れることに、親も、そして介護する本人も、抵抗を感じるようになってしまいます。介護は撤退戦で、「治る」ことは基本的にありませんから、終わりが見えない。でも本人はなかなか「治らない」という事実に向き合うことができません。これまで投じた時間や体力がムダだったと思いたくもない。だから「まだ親と自分の努力が足りないんだ」と考えてしまうんです。

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撤退戦というのは分かりやすい表現だな、と思いました。
先が見えない介護の中で、いかに自分たちを守りながら生活していくか。
老いや病を認められなかったり、衰えていく親を認められなかったり。

ご家族が、両親や家族の介護で頑張る必要は一切ないと思っています。

でも、誰もが知る大手企業の幹部でバリバリ仕事をしている人が、冷静さを失って、自らホームヘルパーなどの資格を取ろうと勉強し始めたのを、僕は何人も見ています。

自分で介護を抱え込めば、当然、仕事に時間を使えなくなり、結果が出なくなります。そこで冷静さを取り戻すか、といえば逆で「中途半端だから親の状況がよくならないんだ」と、仕事のほうを辞めてしまって「介護離職」に至り、ますます無理を重ねて親の世話をして、ついに倒れてしまう。

介護している人が先に倒れてしまえば、親も倒れてしまいます。「介護の共倒れ」は、実際にたくさん起こっている悲劇です。

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肉親の介護は本当に精神を削りますので、ほどよい距離感が重要です。
仕事も介護も1馬力では両立できないと思います。

共倒れは本当に悲劇です。

そういう事にならないように、虐待や介護苦による殺人などの悲劇を繰り返さないために介護保険制度が出来たはずなんですけど・・・。

川内:でも、この暴走も親を大切に思う気持ちからきていることなので、周囲はなかなか止めることができないんですよ。

親も、他人の世話を受けることへの不安から子どもを頼りにするようになり、しだいに依存します。子どもはその気持ちに応え、有能であるが故に綿密に計画を立て、自分の時間と健康を犠牲にしても面倒を見てあげようとします。その結果、親がまだ自分でできていたこともやってあげるようになり、本人のできることがどんどん減ってしまうのです。

あああ。何度聞いてもこの流れは心が痛む。

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本当に頑張って無理しているご家族ほど、僕らやケアマネの助言が届かないんですよね。本人は本当に頑張っているに、何で邪魔をするのか・・・とか。

例えばレスパイト目的でショートステイの導入を提案しても、私が楽するのは良くないとか・・・。いやいや、こっちは少しでも楽してほしいからなんですけど、そこが伝わらない。

中には、直接介護をしていない他の親族の目があるからショートステイ等は使えない・・・というケースもありましたね。
介護疲れで地域包括支援センターに相談が入って、じゃあヘルパーさんを少し使ってみましょうか、という感じになって契約とかも済ませて、いざサービス導入・・・というタイミングで、他の親族から家族が面倒もみないで介護サービスを使うなんて、という感じの横やりが入って利用が中止になったりもありました。

実際の現場をしらない人の意見は聞く必要はないとは思いますが、家族の関係性がこういう時にも影響するのかと思うと、本当に介護が必要な本人の気持ちや介護で疲弊してしまう家族の気持ちが置き去りになるケースもあって複雑な心境になります。

川内:そうなんです。親への不満、愚痴、仕事への不安をまずは思いっきり吐き出していただいて、それで初めて自分の状況、増谷さんがおっしゃる「個別」の事情を考える心と時間の余裕が持てるわけです。『親不孝介護』で言いたいのもそういうことなんですよね。親と距離を取らないと、自分の状況を冷静に考えることはできない、そう思っています。

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愚痴や悩みを吐き出せる環境も本当に大切ですよね。
僕ら介護職にも言って吐き出してもらいたいケースもあるんですけど、頑張っているご家族ほど、そういうのをため込んでしまいます。

分かります。私も直接、親と向き合っていたときは、とにかく小さなことでイライラして、電話で話すのもうんざりしていましたから。

川内:自分で介護を始めると、どんなに能力がある方でも、もう現状に対応するだけで、いっぱいいっぱいになります。親という、かつての自分の「安全基地」が壊れていくのを直視するのは、人間にとってあまりにつらくて、「なぜあの立派だった親がこんなことになるんだ」という思いがあふれて、冷静な判断ができなくなるんですよ。

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自分の親ですからね。
冷静ではいられないと思いますし、そういう状況で苦しんでおられたご家族が本当に多かったです。

逆に言えば、介護者である子どもから見て「すてきなお母さん」であった記憶が強ければ強いほど、介護がきっかけになってそうでない部分が見える。そして、子どもは大きな落差に苦しむことになってしまう。

うちがまさにそうでした。

川内:はい。企業に出掛けていって介護の個別相談をしますと、今Yさんがしたようなお話を聞くことがとてもとても多い。「自分は母に対して、なぜここまで厳しく当たってしまうんでしょう」と。「それは心理的に当然の反応なんですよ」と説明すると、ほっとした顔をされますね。

私も川内さんからこの話を聞いて、すごく楽になりました。

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僕も似たような事をご家族に伝えた事があります。
僕ら仕事で出来ているので、これが自分の親だったら同じように腹が立ちますよ・・・みたいな感じでした。

なので、怒りのコントロールが出来る程度でそれ以上コントロールできなくなるような場合は、サービスを使いましょう。みたいな感じでした。

最初から楽をするための導入だとなかなか納得いただけないので、限界を感じたら少しずつサービスを入れて、徐々に増やしていく感じですね。

記事の後編があるようなので、明日そちらも紹介してみようと思います。


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