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追い込んで工夫を促す。

いまの職場には、まだ20代の若い職員が1名おりまして、この職員をどう育てるかが、今後の人手不足時代を乗り切る一つの指標になると、勝手に思って頑張って指導してきました。

僕がこの職場に着任する前から働いていたようですが、真面目で頑張り屋さんなんですけど、器用に仕事をこなす事ができず、複数の事を同時に行えず、あわてんぼうで失敗が目立つ、そんな感じの職員です。

着任前の時期にあまりに業務習得がうまくいかないので精神科を受診して発達障害等の診断をもらってきなさい的な助言を職場のメンバーから受けて通院し、現在も定期的に通院しているようです。

診断結果は出ませんでした。

僕が着任後、そのような話を聞いたので主治医の先生に連絡して実際の所の話を相談したのですが、診断を出せるような状態ではない。との事。

ほめて伸ばせば出来る事も増えていくと思いますが、と確認すると、おっしゃる通りです。と助言を頂きました。

それからもうそろそろ2年が経ちますが、みんなが怖がって任せてなかった送迎車両の運転もしっかりやれています。
また、送迎に関する管理業務も任せてみましたが、それまで送迎の管理が杜撰だったのが、きっちりと間違いなく回るようになりました。
利用者さんへの対応も落ち着いて出来るようになり、おっちょこちょいな所もありますが人気者です。

さて、今日はそんな職員に少し過剰な量の仕事を任せてみました。

いつまでにここまで処理をしてほしい、これとこれとこの仕事を全部。優先順位は特にないので時間までに処理できたらいいよ。

という感じの内容です、それだけでもその職員にしたら今までに経験した事のない仕事量です。

その上に実は既に別の仕事の処理も依頼していましたので、仕事内容の説明をしている途中から顔色が変わっていくのがわかりました。

無理というか、やると言うか。

まずはそこが課題でしたが、やると言ってくれました。

こういう時のさばき方のコツみたいなもので、まず簡単に処理できる事からやりなさい。
と助言して、あとは僕自身の仕事をしながら見守ります。

すると、一生懸命に顔を真っ赤にして仕事にとりかかりました。
最初に始めた仕事をしながら、このままでは時間までに終わらないと悟ったようで、複数の仕事を自分なりに工夫して小分けに処理し始めました。

これまで言われた事を言われた通りにやってきてたので、そういう工夫を自分の発想で取り組んだのは初めてだったのでよかったです。

そのおかげか、目標の時間より5分早く処理を終えました。

個人的には少しオーバーするか、ぜんぜん出来ないくらいの到達か、と思っていましたが、期待以上にやってくれました。

本人にも、最初言われた時に『できない』とまず思ったよね。と聞くと、『はい、そう思いました。』との事。

その後、あの工夫をしてうまくいったよね。と聞くと、『そうなんです、思った以上にうまく出来ました!』との事でした。

それがいいんだよ、自分で工夫してチャレンジする。
言われた通りにするだけじゃなくて、自分なりにうまくやれる工夫を考えていいんだから、今日の出来ないと思ってた仕事をうまくこなせた事に自信をもってこれから仕事したらいいよ。と伝えました。

本人はとっても嬉しそうで、自信がもてるかわからないけどかんばります!と言ってくれました。

今日は追い込みがうまくいったお話でした。

うまくいかない事も多いのですが、うまくやってくれるとこっちも嬉しくなります。

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