認知症患者と介護者にとって重要なのは社会的なつながり、カリフォルニア大学研究報告・・・という記事紹介です。
海外は日本と違って、認知症であっても介護をしていても、あまり内にこもらずに外に出て社会との繋がりは維持できてそうな勝手な印象があったので、こういう研究結果が出たのは驚きでした。
アンメットニーズは初耳だったので調べてみました。
この場合、社会的な繋がりの事が満たされない、という理解でいいのかなぁ・・・たぶんそんな感じだと思うのですが、日本の現時点での介護の現状を見てもこれは明らかで、認知症の方や介護をしている人が孤立してしまいやすい状況は、認知症高齢者の重度化を進め、介護離職を促進しているという事ですので、在宅生活をしている間にいかに社会的な繋がりを構築できるかで、様々な予防の効果につながりそうです。
ただ、そういうのはもう周知の事実で、認知症サポーター養成講座などではずっと言われ続けてきた事なんですけど、実際はまだまだ課題は多い状況ですね。
症状が進行していくにつれ、患者本人や介護をしている家族が孤立していくという事ですね。
だからこそ在宅ケアに携わる介護職は、そういう孤立や孤独感に対して丁寧にアプローチしていかなければなりません。
もう一つの問題は、症状が進行すれば、介護をしている家族や介護者の孤独感と喪失感が増していく、という事です。
これは、家族は頑張らない介護をしないといけない、というのを裏付ける形になっていると思うので、本当に様々なサービスを活用して頑張らないで支えられる程度の負担感で、可能な限りご自身の人生を楽しめる状況にしてもらいたいです、これはケアラー問題の解決でも記されている内容だったと思いますので、個々の人によって負担感の感じ方は違うので、それこそソーシャルワークの基本中の基本である個別性に配慮した対応が必要です。
ただ、日本人って横並びが好きだから、その程度とかあの程度とか、自分とかいわゆる普通というのを基準に考えガチですが、その結果が現状のケアラー問題や介護離職の問題、認知症高齢者の重度化などの問題を深刻にしてきたと思うと、そもそもの考え方を切り替える時期なんじゃないかと思いました。
認知症カフェとか、いろいろ地域で集う取り組みは進んでいて、登別でもそういう活動や場所は増えてきているので、もっとそういう活動や取り組みにスポットがあたったり、助成があったりするべきですね。
長い目で見た時に、それっていわゆる投資となって将来の財産になって帰ってくるんじゃないかなぁと思います。
ヘルパーを初めてから、こういう社会から孤立してしまっている高齢者がどうすれば自治会の集まりやイベントとかに参加できるか、外に気軽に出ていけるか、と考えてきましたが、地域の特性が大きく関係していると思うのと、そもそもの介護保険制度のデザインがそうなってなくて、逆に家族が頑張らないと在宅生活を支えられない設計になっているので、そういう部分を変えていかない限りは難しい気がします。
これがもっと地域の人口が増えている状況なら話は別ですが、これからどんどん人口減少が進んでいく状況ですから、地域住民でどうこうできるレベルではないと思いますので、そうであれば介護事業者がそういう役割を担わなければならないと思っています。
介護保険制度では、ヘルパーの外出支援でも制約が多くて気軽に出来ないですからね。せめて社会との繋がりを感じられる場所等への同行や送迎の支援は認められて欲しいですが、地方になると公共交通機関も少なくなりますし、山坂が多い室蘭・登別や、隣近所の距離が遠い白老の状況を考えると、どうしても車での移動が必要なんですけど、これも有償輸送となると法的な問題もあって出来ませんし、無償輸送となると利益を生まないと事業継続できない民間企業では難しく、そもそもヘルパーさん自身の車に利用者さんを乗せて運転してもいいよ、と言ってくれるヘルパーさんも少ないでしょうし、無償輸送ですから報酬だって工夫できませんので、本当に現実的ではない対策しか現状では思い浮かばないわけで、どうかんがえてもシステムを変えない限りは無理だろうと思うのです。
やはり認知症カフェのような認知症の方本人や、介護をしている家族が集って色々話せる、吐き出せる、相談できる場というのは効果がありますね。
本当は、そういう場をわざわざ作らなくても、地域の中で自然とそういう場所が生まれればいいんでしょうが、そもそもの認知症への理解や障害への理解があまり進んでいない状況を考えると、何がどうなればマインドが変わるのか・・・と思います。
そっか、海外では教会での礼拝など定期的に集う文化があるから、そういう選択肢もできやすいのかなぁ・・・と思いました。
あと、ZOOMでの会合とかでも効果あるというのが驚きだったので、そうであれば高齢者や認知症ケアの現場でのDXは、本当に急ぐべき課題だと思いますし、何でそこを国は事業者まかせにして国策としてやらんのか、と思ってしまいます。
同じ夫婦でも、親密な関係を構築できていたか、そうでないかでパートナーが認知症になったあとの影響が違うというのはナルホドですね。
うまくいってなかった人では、パートナーが認知症になっても孤独感が高まる事はないそうです。なんだかさみしい話ですけど、そうまでして結婚して一緒にいる意味ってあるんでしょうかね。
喪失感は本当に大きくて、特に男性が残された場合に本当にすぐに衰弱してしまう方が多いです。
しかし、最後のまとめが結婚生活の話になっているのが面白いというかなんというか、日本でも海外でも夫婦関係って似たような感じなんだなぁ・・・って思いました。
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