介護事業者の倒産、訪問・通所が増加 今年は過去最悪ペース 人材難で競争が激化・・・という記事の紹介です。
今年は・・・という事ですが、まだ報酬改定があった4月以降のデータが分析されているとは思えないので、改定前の時点の話だとは思うのですが・・・それでも過去最悪のペースという事は、4月以降に劇的に好転するとは思えないのが正直なところです。
実際、僕らのサービス提供地域の中で既に休止を確定した居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)があります。
4月までのデータですね。
しかし4月までのタイミングでヘルパー事業所が22件も倒産しているというのはびっくりです。
通所・短期入所も19件も倒産しているので事態は深刻でしょう。
しかし、なんでデイとショートをひとくくりにするのだろう・・・。
2010年以降のグラフです。
見事な右肩上がりのグラフになっていますが、2021年で一度ぐんと引き下がって持ちこたえてますが、2024年で元の傾斜の傾向に戻った感じですね。
しかし、通所・短期入所の倒産件数が過去最多ですね。
ヘルパーは毎年この時期に結構な件数が倒産している事もわかります。
これ全部各年度の1月から4月の数字なんですよね。
こんなに毎年倒産してたんですか?って結構びっくりなんですけど。
他産業では高水準の賃上げが実現しており、介護現場を離れる職員も以前より増えた。利用者獲得だけでなく人材確保の競争も一段と激化し、これに敗れた事業者が追い詰められていく構図だ。
本当にこの状況です。
そして、それを改善できる唯一の希望が4月からの報酬改定だったのですが、それも雀の涙で物価高騰も人件費高騰も他産業と戦える水準ではない状況です。これからもどんどん追い詰められていくわけです。
その真っ只中で経営者1年生で激流の中でおぼれそうに泳いでいる身としては”怖い”しか感想はないですけど、それでも乗り越えないと頑張って地域のニーズに応えて東奔西走してくれている職員のお給料を払えないので、なんとか乗り切りたい所です。
当事業所は、お陰様で4月の実績でも過去最高を記録して、おそらくですけど5月の入金で法人口座の残高が初めて前月比から増える見込みです。
いやぁここまで長かったですが、総合事業の利用者さんが全体の7割を占める構造でようやくここまで持ってこれた状況です。
職員さんにも手取りで過去の管理者時代のお給料並みに貰えていると言ってもらえているので、本当はもう少しお給料で評価したいのですが・・・利益を出しにくい報酬になってしまったので国が設定した処遇改善の施策以上にはお給料で評価してあげれない状況です。
国や厚労省はいろいろ説明していますけど、この記事で指摘されている通りで、加算を取れないような”国や厚労省が定めたハードルを越えられない”事業所は潰れていい、というメッセージだと思っていて、加算を狙うのは経営戦略上当然なんですけど、これって危なくって、経営の目的が加算取得を目的にしてしまうんですよね。手段と目的が逆転してしまう。
そもそも加算というのは一定水準以上の取り組みに対して評価を行うモノなので、一定水準以上の取り組みが出来てないといけないわけで、それは結果として利用者さんへのサービスの質の向上につながってないといけないわけです。
当然です、加算を算定するというのは利用者さんの利用者負担額も加算の算定分だけ高くなるという事ですから。加算とるので高くなります・・・ではいかんわけです。これこれこういう加算を取りますので利用者さんにはこういうったメリットがあります。という説明が出来た方がいいし、サービス提供の中で実感が得られないといけません。
通所の基本報酬は確か2単位程度のアップだったと思います。
たしかに物価高騰による光熱水費や食材費等の増を賄える水準ではないと言えます。
これ、報酬改定の内容が公表されて、その程度では他産業との競争に勝てないと多くの方が指摘していましたが、厚労省は状況を見ながら判断する、という説明でした。
状況なんて見なくても誰もが分かり切っていた結果がこうして示されたわけですけど、国や厚労省はどういう対策を立ててくるのか気になる所です。
「他産業では5%を超える賃上げが相次ぎ、賃金格差の広がりに歯止めがかからない。採用の難航や離職が深刻さを増し、倒産増にもつながっている」
予定通りなら次の報酬改定は2027年です。
どんどん深刻になる問題です。
時間をかければかけるほど手の施しようがなくなっていく問題です。
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