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マネジメントを軽視すると介護現場はまわらない 質の高いケアと同様に重要な理由=山口宰・・・という記事の紹介です。

私のもとに介護サービス事業者の皆さんから最も多く寄せられる悩みが、「マネジメント層の育成」です。そこで今回は、介護分野のマネジメントの現状と課題について考えてみたいと思います。【山口宰】

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どこもやはりリーダー層の育成に悩んでいる事がうかがえますね。

ここ数年、介護分野のマネジメント層を対象としたセミナーや研修の講師に呼ばれる機会が非常に増えてきました。ようやく、マネジメントの重要性が認識されるようになってきたと感じています。

昨年度の介護労働安定センターの調査によると、介護業界の平均勤続年数は7.6年で、産業計(11.9年)と比較すると短くなっています。このため現場では、前任者の急な退職や配置転換により、十分な教育を受けることなくリーダーや管理職になるというケースがしばしば見られます。

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教育育成が間に合ってない状況も浮き彫りですね・・・。

スタッフをどう育てるのか、スタッフの強みをチームの中でどのように生かすのか、チームの力をどうやって引き出すのか − 。こういったマネジメントに関する教育を受ける機会が、介護分野では残念ながらほとんどないのが現状です。

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記事でも指摘されていますが、現場の仕事が出来る事とチームを運営する仕事は全く別物なので、現場の仕事がいくらできてもチームを運営する、チームの力を引き出す、という能力があるとは限らないし、そういう事自体を教えてくれる指導者もほとんどいないので、現場の管理者・リーダーは本当に大変な想いをしていると思います。

ある日、突然任命されたリーダーは、当初はやる気に満ちあふれ、先輩リーダーをお手本にスタッフの話を丁寧に聞き、上司からの期待に応えるべく指示をこなし、ケアマネやご家族との対応も的確に行い、順風満帆なスタートを切ります。

しかし、指示に従わないスタッフにどう対応すればよいのか、マネジメントと現場の仕事のバランスをどう取ればよいのかなど、多くのリーダーが壁にぶつかることになります。

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壁にぶち当たらないリーダーなんて居ないので、組織運営についてのマネジメント手法なりアンガーマネジメントなりは学んでおく事は非常に重要と感じています。

その時に、武器となるのがマネジメントの知識です。経験や勘に頼るばかりではなく、データや根拠に基づいたエビデンス・ベイスド・ケアが重視されるのと同じように、マネジメントも理論に基づいて実践される必要があるのです。

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個人的には、感情論で説明したり説得しようとしても全く伝わらないので、ちゃと根拠を説明して、その人としっかり向き合える事が重要と感じています。そのためにいろんな事を学んで吸収しておくと役に立つことが多いです。
介護の事以外でも、もしかしたら関係づくりの解決の糸口になるような事もあるので、何を学んだとしてもムダになる事はないと思っています。

ではなぜ、これまで介護分野ではマネジメントが重視されてこなかったのでしょうか。私は、業界特有の3つの要因があると考えています。

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ここは確かに気になります。
業界特有の3つの要因は特に気になりますね。

(1)マネジメント教育を行う余裕がない

介護分野の有効求人倍率は3.60(2021年)であり、コロナ禍でやや状況は改善したものの、依然として深刻な人手不足が続いています。事業者の皆さんはスタッフを採用し、育成し、日々の業務を回すことで手一杯なのが実情ではないでしょうか。現場で最も必要とされるのは、介護技術やコミュニケーション能力といった、利用者の直接的なケアに関わるスキルであるため、やむを得ずマネジメント教育は後回しにされがちな状況です。

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ずっと人手不足と言われ来た業界ですもんね。
僕が介護福祉士の資格を取ろうと思った2000年頃で既に、将来の介護職不足というキーワードは出ていました。

そして、実際に現場では絶え間なくケアの実践が続くわけですから、基本的に現場の職員に余裕なんてものは存在しないのが普通なので、そういう環境の中で、現場のケアに直接関わらないように見えるマネジメントについての育成などが後回しになってしまう事は当然だと思います。

(2)モチベーションにつながらない

介護労働安定センターの調査によると、「今後の上位の職位志向」について、「今のままでよい」が80.0%を占める一方で、「より上位の職位を目指す」が18.7%となっています。「ポジションが上がっても給与はそれほど上がらない」「出世すると仕事の負担が増える」などの理由で、現状維持を望む声が大きくなっています。このため、上を目指すためにマネジメントスキルを身につけようというモチベーションが上がらず、マネジメント層の育成が広がらないという実態があります。

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役職についても大変なだけ、役職手当の額が負担や責任に見合ってない等の意見はよく聞きますし、僕自身も出来れば役職に就くなんて事はしたくなかったのが本音の所です。
そういう意味でも、管理者・リーダー層の育成が難しい土壌があるという事ですよね。

ただ、国や厚労省もそのような意識があり改善したくて特定処遇改善加算のようなリーダー級の職員の処遇改善に特化した加算は作ったんですけど、これも不思議なもんで、役職についても見合った給料じゃない、と言いつつ、一方で役職者やベテランだけに特化した処遇改善はけしからん、となるわけですよね。ここの業界団体の動きは本当に理解に苦しみました。
結局、介護業界自体がマネジメントについて軽視しているとしか思えませんでしたね。

(3)育成方法が確立されていない

マネジメント教育の必要性を理解し、いざ実践しようとしても、「どのように行えばよいか分からない」という相談を受けることが少なくありません。企業の一般的なマネジメント教育をそのまま介護分野で実施するだけでは、十分な効果を得られない可能性があります。今後、介護分野に合ったマネジメント教育の方法論を更に追求していくことが求められるでしょう。

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マネジメントについては本当に難しいのですが、人手不足と現場ではフル回転の状況の中で、コンプライアンス上必要な書類の量も膨大にあって本当に余裕がない状況で体も頭も使わないと回らないのが介護現場だと思っています。
しかし、これから方法論を追求していくというのも難しさがありそうですよね。今後は一定の期間までは人手不足と介護ニーズの増加があるので、これまでと同じ手法が通じなくなる可能性もありますし、介護ニーズも高齢者人口の減少にともなって減少はしていくので、そういう時期でのマネジメントも変化すると思います。そしてどんどんと労働人口は縮小していく。
様々な状況に合わせて対応できる手法が必要だと思いますし、介護業界だけで何とかする、という事自体が限界なのかもしれませんので、他産業・他業種と柔軟に連携したマネジメントができるような工夫も必要になりそうな気もします。

今から約20年前、私の運営する法人では、増加する介護ニーズに応えるため、新規事業所を相次いでオープンさせました。介護人材の確保には今ほど苦労しませんでしたが、組織が急拡大したことにより、マネジメント人材の確保、マネジメントに関する経験・能力の不足という問題に直面しました。

そこで、次世代を担うマネジメント層を育成するため、2007年より「若手リーダー育成研修」を毎月1回実施してきました。継続的に学びたいという意欲を持っていれば、ポジションや経験、所属団体などに関係なく受け入れた結果、「将来リーダーになりたい」「より上のポジションを目指したい」というスタッフが、施設や法人の枠を超えて集まりました。

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参考になりますね。
毎月開催しているのがポイントかと思いました。
そういう意欲がある人や、そういう意識づけにつながるようなきっかけになりそうですよね。
施設や法人の枠を超えて、というのも重要なポイントですよね。

上昇志向のあるスタッフが切磋琢磨しながら学ぶ場ができたことにより、スタッフ間にも良いライバル意識が芽生え、モチベーションアップにもつながっていきました。

研修テーマは多岐にわたります。リーダーシップやコーチングの理論から、会議法やセルフマネジメントといった実践的な技能、ロジカルシンキング(論理思考)やラテラルシンキング(水平思考)などの思考法、そして呼吸法から発声法まで、マネジメントに関連するスキルであれば何でも取り入れていきました。

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このあたりの取り組みは真似していくのがいいかもしれません。
ラテラルシンキングなんて知らなかったので早速調べてみたいと思います。

呼吸法や発声法というのもマネジメントに関連するスキルなんだなぁと勉強になりました。

時には、他の業界で活躍するリーダーを講師にお招きし、実践に基づいた経験を学ぶ機会を設けたりもしました。

その結果、研修に参加していたメンバーから、ユニットリーダーや管理者・生活相談員、そして施設長が誕生していきました。最初は人前で自分の意見を発表することすら恐がっていたスタッフが、堂々とチームを率いて仕事をしている姿を見るにつけ、マネジメント教育の重要性を再認識させられています。

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自前の研修も大切ですけど、外部講師による研修はいいですよね。
費用は掛かりますけど、そこは投資すべき課題と思います。

特に業界内ではマネジメントに精通しているリーダー指導者が少ないといわれているのも事実なので、そこはその道のプロに教えを請いたいですね。

「マネジメントの父」とも称される、経営学者P.F.ドラッカーは、著書の中で、「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである」と述べています。

マネジメントスキルを学び、それに基づいた実践を積み重ね、その結果を評価し、次のアクションにつなげる − 。この「仕事」に向き合うことが、素晴らしいリーダーや管理者になるための第一歩です。

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アクションに対してのリアクションに対して次のアクションをしていく、これの繰り返しですもんね。
マネジメントをするという事は、自分が選択や決断をしないと物事が動かない、という事ですので本当に重要な役割ですが、なにかを決める、という事自体が相当なストレスになりますので、かなりも心的負担もあるのがこの仕事だと思っています。

僕自身は、自分が決めて動かさないと動かないんだな、と自覚できた時期くらいが、ちゃんとリーダーとして意識できた頃なのかなぁと振り返っています。

リーダーや管理職になることの醍醐味は、「自分の理想とするケアやサービスを実現できること」ではないでしょうか。これからも、現場で奮闘するみなさんのチャレンジを応援していきたいと思います。

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リーダー・管理者になる意味って、ここでの指摘通りかなぁと思います。
自分のやりたい事を実現できるという旨味があります。

ただ、指示命令だけ出してもメンバーは動きませんから、メンバーの心を動かすようなビジョンを示したり、合理的に説明したり、目指す方向や到達するゴールを示していく必要があるので、そういうスキルを磨かないと自分のやりたい事は実現できません。
そこの所も分かってきたり見えてきたりすると、それはそれでリーダーも楽しくなると思うんですけど、こればかりは中々伝わらないです。

実際、僕もそれが理解できない頃や見えてない頃にそんな事を言われても理解出来てませんでしたからね。

本当に育成指導というのは難しいものだと思います。


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