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一人ひとり平等に特別な対応を。

自立支援や個別ケアの研修の際に必ず伝える言葉が『一人ひとりに平等に特別な対応(ケア)をしましょう。』です。

これって普通に考えたら何にも特別な事ではないんですよね、普通に当たり前のことなんです。
それが、歳をとったりしてなんらかの援助が必要になったら何をするにしても特別な事になってしまいます。

毎日お風呂に入れなくなったり、寝る前にお風呂に入りたくてもサービスの都合で午前中にしかはいれなかったり、何なら椅子から立ち上がっただけで『どこいくの?』とか聞かれたりするんです。

自分がしたい事を自分で選択してしたい時にする。
この当たり前の事が当たり前にできる生活を援助が必要になった状態になっても実現するのが個別ケアでり自立支援だと思っています。目指すべき目標であり解決すべき課題です。

ただ、そこには少ない介護職員で多くの利用者様のケアの対応を行わなければならないというマンパワーの限界や環境整備面での制限・制約があるので、どうしても全てを叶える事ができていないのが現状です。

ただ僕は諦めが悪いので、とことん理想に向かって努力と工夫と悩む事をやめないようにしたいと思っています。
現実はこうだからと諦めて思考停止になるのは簡単ですが、そうはしたくない理由があります。

まずひとつは、介護や援助が必要な方は明らかに弱者です。僕は弱い立場の人には手を差し伸べるのが当たり前だと思っています。立場の弱い相手に対して優しくできない生き方を選びたくないし、明らかに能力が劣る相手に対しては常に寛大でいたいと思っています。
それに単純にカッコ悪いですよね、弱い人に偉そうにするのって。

次の理由は歴史です。
人類はさまざまな矛盾を克服してきました。
昔は王様や殿様が支配しているのが当たり前でしたが、今では世界中の多くの国で人間一人一人に人権があり尊厳は侵害されないものとなっています。
昔は黒人は奴隷として売買され、大変な差別を受けていました。当時は差別するのが当たり前で黒人には何の権利もありませんでしたが、今ではそんな事はありません。
女性も昔は何の権利もありませんでしたが今では違います。
人類社会は明らかに一人ひとりの人権・尊厳を守る方向に、当時は弱者と言われていた人々が平等に扱われるように変化してきています。きっとそれが正しい方向だからそうなってきているんだと思います。
性別や恋愛についても多様性が認められてきていますよね。
そうであれば、どんなに障害やハンデがあって誰か・何かの援助がなければ生きていけないとしても、いつか何の遠慮も不自由もなく生活できるようになる社会になるはずだと僕は勝手に信じています。

だから理想を掲げて目指す方向を指し示し続ける事が介護職として大切なことだと思います。
後輩に諦めずに伝えること、いろんな工夫をしていろんな失敗をした事を伝え続ける事が理想の実現につながると思っています。そこには道半ばで諦めざるを得なかった同志の想いも含まれるはずです。

ただ、こういう想いを伝えても現場はなかなか変わりません。一人ひとりの職員が少しでも心に置いておいてくれたら、もしかしたらいつか芽生えるかもと思って種をまくように想いを伝えています。

職員一人ひとりの可能性を信じて伝え続けます。

そして、現場の一人ひとりの職員だって特別です。 
介護の世界で頑張ってくれる職員には、彼ら彼女らの人生がより良いものになるような指導・育成ができるよう心がけています。至らない点も多々ありますが、それも理想の目標なので諦めずにとことんやれる事をやりたいと思っています。

実際、自信がないので日々勉強です(笑)
noteに登録してからいろんな方の記事を参考に学ばせてもらっていて、皆さん素晴らしい実践をされていますので介護業界はこれからどんどんもっと良くなっていくと思います。


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