フロントこすったかも→バック→ガリ

立野自動車さんで自賠責の集金を預り、奥さんがコーヒーを淹れてくれたのでご馳走になりながら雑談。

夏休み明けの今ごろは、免許の取り立ての学生が物損事故を起こして連絡をしてくる事が多かったそうだ。

奥さんいわく、

「でもね、うちは整備ばっかりだから、ぶつけて凹ませたり、擦って大きくキズ付けたりした車は全部、外注(ガイチュウ)に出すだけなのよ」

外注とは、外部の専門業者さんに発注することだ。

「じゃあ、手間はかかっても立野自動車さんのところには利益はそんなに残らないんですね」

「利益どころか、マイナスかも」

「そうなんですか?」

「ほら、保険はうちが代理店をやってるから連絡のやり取りはうちがするんだけど、修理代の金額によっては保険を使うか使わないかって、お客さんがなかなか決められなかったりするから、何度も連絡のやり取りをするのよ」

保険を使えば、今は負担が少なく済む。

その代わり、次回以降の保険代が3年間割り増しになり、割引等級も2つ下がる。

トータルの計算でどっちが負担が少ないのかは、保険会社の事故担当の人が教えてくれるため、お客さんの懐事情次第で決まる。

最近は若者の自動車離れがあって、そういった忙しさはほとんど無いそうだ。

先週、久しぶりに事故の連絡のやり取りが重なって、混乱しかけたと話してくれた。

同じお客さんの、同じ車で、同じ日の、ほとんど同じ時刻に、2事故の対応をすることになったらしい。

中年女性のその方は、スーパーの狭い駐車場で車を出すとき、スーパーの壁にフロントをこすってしまった。

ガカガッ!という音で気付き、あれっ?と

慌ててギアをバックにいれて一度下がった。

ガリッ!と今度は後ろから音がした。


これで事故のカウントは2事故となってしまったそうだ。

「まあ、大した事故じゃないから、それに越したことはないんだけど、例えばこれがすんごいスピード出してて、前をぶつけて跳ね返って反対もぶつけたんなら、1事故になるんだよね」

事故の大きさにかかわらず、今回の場合は書類とかのやり取りは2倍になってしまうそうだ。

そのお客さんは、最後は保険を使うかどうか、果たしてどちらの判断になるのだろうか。

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