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#3-S CMがくりかえされる理由

#2にて、心理学は日常生活でのなぜ?が研究対象になるって書きました。その具体例をば。タイトルの-Sは「科学的知見紹介」という意味ということで(ScienceのS)。

例えばテレビ(最近ではYouTubeなどの動画途中の)CMってどうして同じ物を何度も何度も流すのだろう、と思ったことはありませんか?

あれは単純接触効果という心理学的現象を利用しています。単純接触効果とは、なんども接触する(見たり聞いたり)ほど、対象への好感度が上がるというもの。

Zajonc(ザイアンス) という人が1968年に発表した研究で、彼は被験者に対し、文字や写真などを様々な頻度で一時的に呈示し、それらに対する好意度評定を行った。その結果、刺激の接触回数とそれに対する好意度の間には、有意な相関関係が見られた。これが単純接触効果を実証した研究です。

その後いくつもの研究で、これが人の顔や単純な図形、知らない文字(西欧人にとっての漢字など)など、様々なモノに対して生じることが示されました。もちろんこの知見だけではないですが、CMを乱発する根拠となっている研究であり、そういう傾向が我々には存在するのです。

こういうのが基礎心理学です。おもしろくないですか??

ちなみに、上記の「有意な相関関係がみられた」という部分。大きくはここが、単純接触効果の肝になっているんですね。刺激の接触回数と好意度の間に有意な相関関係がある、それが単純接触効果であるわけです。

相関関係とは、片方の数量の増減にに伴ってもう一方が増減する関係を指します。例えば、20歳くらいまでの年齢と身長とか。あるいは身長と体重とか。身長が高い人ほど、体重も重たいですよね。そして「有意」とは、ざっくりと「統計的に意味がある、あるいは偶然生じる結果ではない」という意味。

つまり「刺激の接触回数と好意度の間に有意な相関関係がある」とは、統計学上意味のある大きさで、刺激への接触回数が多いとその刺激への好意度が増えた、ということです。

これが基礎心理学。おもしろくないですか??じゃ、今日はこのへんで。


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