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空想系デジャヴュ

幾万と歩いた小径こみちの先に
新しい発見があればいい
頭の中は妄想の鱗雲
角を曲がればあの子がひょこり
なんて有り得ない現象を
あって欲しいと願っている

むかし愛した人でさえ
いまも変わらずに愛しているよ
あの時の愛情といまの愛情を
天秤に量ることができないまま
風に漂う金木犀 ふわふわり

あんなに憎んだけれど
あんなに苦しんだけれど
鼓動はいまも絶えないね
ほんとう冴えないね
まあいいや 今夜は星が綺麗だし
幸せひとつ買って帰ろうか

変わらないものを探すのは辞めて
忘れないものを抱きしめている
空想系デジャヴュ 
熱い空気と出逢う
言葉が弾ける 
心が光る

眠る物語を呼び覚ます
雨の打つ小径こみちを歩いていた
悲しみを辿ればキリがないから
濡れた瞳だけは輝いていたかった

むかし愛した言葉さえ
いまも変わらず愛しているよ
あの時の感性といまの感性を
天秤に量ることができないまま
風に漂う金木犀 ふわふわり





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