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日帰り七尾めぐり 午前の部―『君は放課後インソムニア』聖地巡礼とともに―

みなさん、こんにちは。小清水志織です。
こちら金沢は梅雨入りです! みなさんの地域でも夏の気配が増しているかと思いますが、どうか体調に気をつけてお過ごし下さいね。

さて、先日ツイッターでもお話ししたとおり、私は生まれて初めて、

アニメの聖地巡礼に行っちゃいました〜〜!!!

七尾市を舞台にしたオジロマコトさんのマンガ『君は放課後インソムニア』(以下、『君ソム』)が今年4月からアニメ化され、毎週楽しみに観ているところです。失礼ながら、途中話からストーリーを覗きはじめた私ではありましたが、すぐにグイグイと内容に惹き込まれてしまい、現在は記念切手シートを買い求めたり、原作のマンガも読み進めたりと、気づけば大ファンになっておりました。
物語が進むにつれ、しだいに七尾市に対する興味が湧いてきて、実際に行ってみたいと思うようになりました。そして、私は職業柄、博物館・美術館などの文化施設や、史跡・碑文、さらに土地の風景などに強い憧れをもっており、せっかくの機会だからとそのようなスポットにも足を運ぶことに致しました。

なんせ初めての聖地巡礼、しかも一人で電車に乗ったのも初めてだったものですから(恥)、うまく出来たことと出来なかったこととがありました。そんな成功・失敗こみこみの「思い出」 を、ありのままに記録しようと思います。

※以下は、令和5年6月11日(日)の記録です。聖地巡礼のスポットにつきましては、「のとルネ」山崎至さんの記事を参考にさせて頂きました。この場をお借りして感謝を申し上げます。

1、金沢駅

金沢駅東口

まずは巨大な鼓門つづみもんとガラス屋根で有名な金沢駅。JR七尾線の時刻表に間に合うよう、朝の7:20 に家を出発して駅のホームに到着。ほっと一息つきましたが、既に私の大冒険が始まっています。アホみたいな話ですが「一人で切符を買って正しい電車のホームに向かう」という最低限のことが出来るか物凄く不安だったのです。これまで二十五年の人生、移動のほとんどを徒歩かバス、自動車でこなしてきたものですから(前週駅員さんに切符の買い方を聞いていたとはいえ)、1000円以上する切符が思ったより小さかったのと(笑)、切符が改札口を高速で通過するのには驚きましたね(周りは定期券をピッとかざしている方が多数)。

なんだかんだホームにたどり着き、ほっと腰を下ろしたのがこちらの写真です。

目の前のシート

特有の空気ただようホーム、車掌さんのハキハキした掛け声、警笛の音、ホームで待つ老若男女の姿など、目に映るすべてが新鮮。電車が動き出したときも素直に感動しました(動くのはあたりまえなんですが…笑)

石川県を北上して、たしか千路ちじ駅くらいからでしたか、電車は田畑の広がる平地を走っているのですが、左右を標高の高い地形に挟まれたエリアが続くようになりました。まさかと思ってグーグルマップを開いて確認すると、邑知潟おうちがた地溝帯の真ん中を走っていることが分かりました。私はあまり地学に詳しくないのですが、地殻変動の働きで左右に山地が引き離された、その底面を走っているということでしょうか。それにしても、独特な地形だなあと感じました。

2、七尾駅

七尾駅

電車に揺られて2時間弱、ついに七尾駅に到着。そして素晴らしいことに、この駅に来た時点で既にひとつめの聖地巡礼を達成しています。高校の天文部を中心とした『君ソム』には七尾駅が多数登場しており、生徒さんたちの主要な交通手段となっているためです。実際、セーラー服を着た高校生の姿を複数みかけました。まずは校舎のモデルになった七尾高校に行ってみるか! とホームから飛び出したとき、まさかの驚きの出会いが。

『君ソム』のラッピング車両が!

新聞かなにかで見ていたように記憶してますが、ラッピング車両のことは完全にノーマークでした。後で調べたところ、アニメ化を記念して、のと鉄道七尾〜穴水間の路線で運行中だそう。しかも時間を限定して主人公二人のアナウンスも聞けるとのことで、ファン垂涎の電車だったのです。まったく心の準備が出来ておらず、とりあえず迷惑のかからない範囲で近づいて撮影したのでフェンス越しになってしまいました。自分の下調べの甘さに悔しさマックス…なので、次回の旅ではきちんと撮ろうと思います。

3、七尾高校

石川県立七尾高等学校

聖地巡礼ふたつめは、主人公たちの学校、九曜くよう高校のモデルとなった七尾高校です。
てっぺんのまん丸な天文台! まさにアニメと同じ!! と大はしゃぎしていました(笑)
不眠症に悩む高校生、中見丸太なかみがんた曲伊咲まがりいさきが、完全に物置あつかいされていた天文台で偶然出会うところから物語は始まります。普段は眠りたいのに眠れない『インソムニア=不眠症』な二人が、天文台で肩を寄せあったとき楽に眠ることができた。この不思議な体験が、二人の関係を特別なものにしていく契機となります。

無事に七尾高校も拝見できたことだし、次は史跡に行ってみようと、御祓川みそぎがわを眺めながら歩きました。そうそう、午前中は小雨が降っていました。

4、小丸山城址公園

やってきました、小丸山城址公園です。

前田利家 小丸山城址

案内板によれば、加賀藩祖・前田利家がわずかな期間に拠点としたのが七尾の小丸山城でした。信長から能登国を与えられ、初めて利家が口持ち大名となり、畠山氏の居城・七尾城から小丸山城へと拠点を移したのだそうです。さぞ大変なお引っ越しでしたろうな…(しかも次は金沢城に引っ越している)。戦闘向きの中世の山城らしく、急峻な勾配と平らな台地(敵兵の見張りと布陣のためだったかな)とのギャップが大きな場所を見つけました。

石川県の歴史上、もちろん前田も大事な人なんですが、それ以前の守護畠山氏、そして在地の武士である林氏や長氏などがどのような存在だったのか、室町戦国期をターゲットにしたい私の大きな探求課題となっています。

公園内の随所に、土塁や氷室の跡、数々の歌碑が残されており、まったく飽きのこないスポットでしたね。本当に自然がきれいでした。

氷室の跡地だそう
ウグイスの声が聴こえてきた広場

※追記!!
後で知ったのですが、小丸山城址公園にある相撲場も作品の聖地になっておりましたので貼っておきます。劇中のように女子高生たちが遊んではいませんでしたが!(笑)

相撲場

5、花嫁のれん館

花嫁のれん館

小丸山城址公園とほぼ同じ敷地に建つのが花嫁のれん館です。花嫁のれんとは、幕末から地元に伝わっている風習で、花嫁が婚姻の際に婚家の仏間にかけたのれんをくぐるというものです。かつて『花嫁のれん』というタイトルでドラマ化もされました。中に入ると、一般入館料550円でガイドの方が館内をご案内してくださいました。結婚式でのれんをくぐるとはどんな意味があるのか、民俗学的な視点からも興味深いお話を聞くことができました。展示室に飾られた美しいのれんの数々も見物でしたね。

ここまで歩いて、川沿いや斜面の道もありましたたので、だいぶお腹が空きました。無計画にも食事の段取りを考えていなかった私は、一旦七尾駅に戻ることにして、その近くにあるパトリア(複合商業施設)にお邪魔しました。

複合と呼ばれるだけあって、各フロアに店舗が設けられ、利便性に富んだ施設だという印象を受けました。上階には学習塾もあるので、特にそこに通う高校生にとっては、たとえば勉強して、ミスタードーナツでおやつを食べ、ドン・キホーテで買い物して駅から帰宅する……といった利用ができるなあとボンヤリ考えていました。飲食や会話の可能なフリースペースが広いことも便利だと思います。

私は「Kitchen 一番館」の幕の内弁当を買ってお昼にしました。このボリューム、しかも無添加で540円とはお得です!! 不定休だそうなので次に買えるか分からないのですが、とてもいい旅の食事が出来ました。ごちそうさまでした。

「Kitchen 一番館」幕の内弁当

さて、ここまでで旅の午前中が終了です。皆さんもおつかれ様でした。午後の部については、また週を改めてお話しさせて頂きたいと思います。

振り返ると、日帰りなのに非常に中身の濃い〜旅になっておりました。自分の好きなことに時間とお金を使うって、こんなに気分の良いものなんだなあと。数年前の自分なら決してあり得ない冒険をやっちゃってるのですから、なおさら感慨深いものがありました。

本日は最後までご覧くださり、ありがとうございます。それではまた来週、お会いしましょう。

小清水志織


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