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夏炉冬扇(中断)

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大変申し訳ありませんが、制作の途中で挫折してしまい、更新をストップいたしました。別のかたちで最後まで書き直したものが、連載小説『言葉くづし』(サイト内マガジンのひとつ)です。よけ…
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#コスモス

夏炉冬扇 #7

夏炉冬扇 #7

※第6話はこちらから

一階のフロアへ降りたとき、私はちらと通路の奥にある文芸資料室の入口を遠目に見た。惜しいことをしたもんだ。あの部屋には文豪たちの遺品や原稿用紙などのオタカラがたくさん展示されている。せっかくお金を払ってきたのだから、これら資料も閲覧したかったのだが、兄が来ているかもしれないタイミングでは難しそうだった。人に気づかれないように舌を出して、私は受付に座る里子さんに会釈した。

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夏炉冬扇 #5

夏炉冬扇 #5

第4話はこちらから

どうして、花束なのだろう。

ギコギコと自転車を漕ぎながら市街地を走る。狭く民家が並んでいる裏路地を抜けて、道の両脇に商店街が向き合う通りへと体を滑らせた。ここの商店街は昔から経営しているお店が多くて、大手小売店のような派手派手しさはない代わりに、隠れた名店が複数眠っている場所だ。味の染み込んだ肉ジャガが売りの惣菜屋や、掘り出し物の古書を扱う本屋は私のお気に入り。そんな数ある

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