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現地ビジネスで中国語を使うか迷った話

みなさん、こんばんは。今回は、会社で上海語学留学をさせてもらった後、1年空いて始まった台湾での駐在の最初で、現地のお客様や社内ローカルメンバーとのコミュニケーション方法をどうしようかと迷った経験から、中華圏でのビジネスにおいて、日本人が話すべき言語について、自分が考えていることを書かせて頂こうと思います。

必ずしも中国語を使うことが良いわけではない

みなさんは海外に旅行に行かれた時、現地でより楽しい時間を過ごすために、挨拶くらいは覚えて、現地の人達とコミュニケーションを図ろうとした経験があるのではないでしょうか?旅行であれば、もちろん大変良いことだと思います。お店の人に現地語で簡単な挨拶だけでもしてみると、とても和みますし、雰囲気も楽しくなりますよね。ただ、ビジネスにおいては、必ずしもそうではないと私は考えています。

出張レベルでは良いでしょう。例えば、日本から初めて出張で台湾に行き、現地のお客様への自己紹介で、簡単な中国語で話してみると、相手も喜んで場が和んだりすることは多々あります。ただ、それは、相手も出張で来ていることがわかっているからであり、これが、駐在で継続的に毎日のようにやり取りがある相手であれば、様子が変わります。相手にとったら、毎日やり取りするなら母国語でやり取りした方が楽に決まっていますので、少しでも話せるとわかると、「この駐在日本人、中国語話せるんだ、それなら中国語でやり取りしよう」となり、ものすごい勢いで中国語でまくし立てられることになります。(中国語でまくし立てられるのは、もしかしたらみなさんも旅行でタクシーの運転手さんとのやり取りなどで既に経験されたかもしれませんね笑)

最初の挨拶だけ、場を和ますための軽い感じであれば、全く問題ありませんが、その後も中途半端に中国語でやり取りを始めた後、最終的に相手が言っていることがわからなくなるレベルになってしまうと、恥をかくだけならまだしも、実際のビジネスに影響が出てしまったり、相手の信頼を損ねてしまうことにもなりかねません。従って、特に本格的に中国語を勉強して、あるレベルまで話せる状態で駐在に行かれる方は、本当に自分が中国語を使うべきなのか、よく考えた方が良いかもしれません。

あえて英語を使うメリット

かく言う私も、冒頭に述べたように、台湾での業務が始まった時に、元々日常会話くらいは話せる英語を使うか、本格的に上海で勉強した中国語を使うか迷ったまま、1ヶ月程中途半端な状況が続いていました。(会社的に通訳をつけるという選択肢はありませんでした)

英語を使った方が良いかな、と迷っていたのは、当然、ローカルの方々相手に、習った中国語が仕事で問題無く使用出来るか、という不安があったこともありますが、あえて英語を使うメリットもあったからです。それは、英語は台湾人にとっても外国語ですので、厳しい交渉等の場面でも、対等な関係での話し合いになりやすい、というところにあります。私はメーカーの営業という立場ですので、お客様からクレームを受けたり、厳しい要求を受けたりすることも多く、それを現地語でやり取りすると、どうしてもお客様ペースでの話し合いになりがちですが、お互い外国語でのやり取りであれば、そのプレッシャーは幾分和らげることが出来ると思います。また、台湾の人達は日本人に対して総じて好印象を持って下さっているので、ビジネスという本気の場面でも、「外国語を使う日本人」に対しては基本的には優しく接してもらえることが多いですが、いざ中国語を使うと、そこはほとんどローカルの人達に対する態度と変わらなくなりますので、相当な心構えが必要になります(笑)

それでも中国語を使うことにした理由

そんなこんなで、英語と中国語を混ぜながらお客様や社内メンバーと中途半端なやり取りを続けていましたが、やはりどちらかに統一した方が仕事もやりやすいと考え、最終的に中国語に統一することにしました。その理由は2つあります。

1つは、シンプルに、中国語力を更に伸ばしたい、と考えたからです。せっかく会社に語学留学の機会を与えてもらい、本格的に勉強し、ある程度のレベルまでいったのだから、それをモノにしないともったいない、という気持ちでした。

もう1つは、お客様やローカルメンバーと本当の意味で同じ目線でやり取りがしたい、と考えたからです。やはり、外国語だとちょっとしたニュアンスが伝わらなかったりすることで、本当の意味での相互理解というところまでいくのは難しいだろうなと考えていました。また、立場的にも、20代後半からの駐在でしたので、社内メンバーもほぼ自分と同じか上ばかり、お客様で自分より下はまずいなかったことから、よりローカルの人達に溶け込んで仕事をしないと、自分の存在価値が示せないのではないか?とも考えました。

実際に中国語に統一した結果

この判断は、今となっては大正解だったと言えます。

まず、後に引けなくなったことで、本気で発音を直したり現地の人達の話し方を真似たりすることで、大幅に中国語力がアップしました。(別記事 ”語学はものまね” も御参照下さい)

そして何より、現地の人達と本当の意味で分かり合えるようになったと思っています。お客様、社内メンバー問わず、英語でやり取りしていた時とは比べ物にならない程、彼/彼女達の考えていることが分かるようになりましたし、ちょっとしたニュアンスや、言葉尻も拾えるようになったことで、雑談から交渉まで、色んな場面での会話がとてもスムーズになりました。もちろん、その分、厳しいクレームや要求がダイレクトに中国語で来るようになり、大変なこともたくさんありましたが...(笑) 


私の場合は、最終的に話す言語を現地語に統一することで、より業務を充実させることができましたが、上記でも述べているように、必ずしも現地語を使えば上手くいく、というわけではない、ということをお伝えしたいと思い、今回の記事作成に至りました。中華圏とそれ以外の地域だと、また文化も違うのかもしれませんが、同じような境遇の方がいれば、是非御参考下さい。


語学はものまね!では、また次回。




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