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心の導線の書き方

本や映画で心動かされ感動したことは、多くの人が経験したと思います。そこから転じて、あなた自信も「感動できる物語を世に提供したい」と思ったことがあるかもしれません。

でも、結構難しいです。
人の心を動かせるような物語を書くという事は。

そこで、どうやったら心動かすことが出来るか、私が意識しているポイントについて記事にしてみます。

全ては悲劇から

世に存在する物語の95%は悲劇から始まっています。
悲劇と言ってもその内容の差はありますが、「苦境」「争い」「病」「事件・事故」「衰退・別れ」といった悲しい出来事が物語の出発点であることが多いです。
web上のニュースサイトでも、悲しい事故や痛ましい事件の記事へのアクセスが多い事は一般的に知られています。

更に、その出来事が読者にとって身近であればあるほど、物語へ没入させることができます。そうすることで、その後の物語の展開にも読者の心がついてきてくれるようになります。
敢えて読者の心に傷を与え、物語を通じてその心を癒してあげるのです。

主人公は無味無臭

物語を作る上で主人公は必要不可欠ですが、読者・主人公・作者の三者の位置関係に注意が必要です。

主人公=作者の構図が見えてしまうと、読者は急に冷めてしまいます。
そして作者はこの状態に非常に気づきにくい状況にあります。
読者は主人公になりきりたいワケで、作者になりたいわけではありません。

そこで、まずは無味無臭な主人公を設定すると良いでしょう。
なぜでしょうか?

物語の主人公が希薄だと、作者の思惑がダイレクトに物語に反映されます。一見すると読者=作者の関係になりますが、希薄な主人公に読者がなりきっているので、作者の意図とは気づかれにくくなります。

また、主人公が薄いせいで物語の展開や都合を「強引に」持っていくことができなくなります。作者側は思うように作品が進めなくなり難易度があがりますが、その分自然な話の流れになり、結果的には読者の心が離れにくくなります。

どうしても作者は主人公に力を入れ代弁させがちです。それをあえて力を抜いた引き算で物語を見せる手法は、読者の心を動かしやすくなる効果があります。

ハッピーエンドを予測させない

最後は終わり方です。
感動させる物語は、大抵の場合が「心が安らぐ・救われる」ことで終わります。冒頭の悲劇との差分が重要になるわけです。

ですから、物語を考える上でハッピーエンドを先に決めておき、その真逆となる悲劇から始めることがセオリーだとは思います。
しかし、冒頭からハッピーエンドのイメージが容易についてしまうと、逆効果です。
「ああ、結局助かるんでしょ?」
っていう始まり方では感動が薄くなります。

そこで、どんな終わり方になるか分からない状況から始まると良いでしょう。もしくは、複数の終わり方を読者が連想できるようにするのもありかと思います。

おわりに

具体例に乏しい記事となってしまいましたが、心動かす「ジャンル」はたくさんあります。
コメディ、ヒューマンドラマ、SF、ミステリーなどなど、そのジャンルによって用いられる表現や手法は大きく変わります。だから、必ずしも涙を要する物語が感動を生むとは限りません。
あなた自信が感動できる体験をしたとき、それを他者に伝えることだけから初めてもよいでしょう。

情報化社会の現代では救いのないニュースが飛び交っています。
少なくとも物語においては、救いや安らぎを求めたくなるものですよね。

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