短編小説|異世界の焼き肉屋で経営再建を託された公務員 #3
3.損益分岐点
付け焼刃のマーケティング論を語り、怪しい経営コンサルタントのように振舞ってしまった。少しばかり、こんな事してよいのか後になって迷う気持ちもあった。見下すつもりはないが、この常夜界の住人の学力は中学生以下だと思うからだ。
オルクさんから渡された硬貨を握りしめながら、キョロキョロ周囲を観察する。集落は本当に建物が乱立しているだけで、道などのインフラ機能が整備されているとは思えない。元市役所職員として、区画整備したい気持ちがこみ上げてくる。
ちなみに、魔王の居城が