2022-012【フルスロットルじゃ曲がれない】ラジオドラマ脚本1213
タイトル【フルスロットルじゃ曲がれない】
登場人物 青 ハナ(アオハナ)54歳(女性)
織 エナ(オリエナ)55歳(男性)
ハナ「いい歳してさあ、ほら」
エナ「優しくしないで」
ハナ「夕暮れと27回忌で涙?変な感性」
エナ「涙なんか出ないと、思ってたのに…」
ハナ「この店のコーヒー、タカシも好きだった」
エナ「サイズ、合ってないよ」
ハナ「何度も言わせないで…」
エナ「似合ってないのに、ダブルのライダース」
ハナ「右肩に傷がまだ、残ってるんだ」
エナ「怖がりのくせに、バイク乗るなんてさ」
ハナ「乗ったことは?」
エナ「絶対にタンデムはしないって…載せる相手は、決まってた、ゲイの直感」
ハナ「バカアニキ、らしい」
エナ「人の人生までは、背負えないって…」
ハナ「ずっと、背負わせてるのにさあ」
エナ「歳取らない…なんて」
ハナ「こんなに歳とったのに。私たち」
エナ「思い出なんていらない」
ハナ「今まで、忘れたと思っていたのにさあ」
【SE】750のバイクの音
ハナ「あの日、アニキ、バイクでどこにいったか知ってたでしょ…」
エナ「えっ…」
ハナ「電話が、着てさあ」
エナ「知らない…」
ハナ「どこにいる!って訊かれたんだ」
エナ「峠を攻めるって…馬鹿だよ」
ハナ「家…」
エナ「晴天のいい天気だった…。神様に訊きたかったんだよ」
ハナ「あっ」
エナ「永遠の友情より…」
ハナ「いないんだよ…もう!」
エナ「答えを求めたから、いけなかったんだ。わがままって、可愛くないね」
ハナ「バカアニキらしいや…」
エナ「3人が良かったんだよ…きっと」
ハナ「No Rain No Rainbow」
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