ネット炎上の苦悩と醜さと諸行無常／マンガ『しょせん他人事ですから』感想

広告からキャラの表情とセリフ回しが良く、そのまま最新の３巻まで読みました。１巻はブロガー主婦、２〜３巻は芸能人の炎上。テーマはネット炎上ですが、さわやかな読後感です。

しょせん他人事ですから ～とある弁護士の本音の仕事～ 1 (黒蜜コミックス)

いわれのない誹謗中傷で炎上した被害者が、ネット案件に強い弁護士・保田 理に相談して、加害者と情報開示請求バトルする話です。

しょせん他人事、がポリシーの保田先生、好きです。常にニコニコ、仕事ができる人。依頼人にはデメリットも含めて正直に説明します。提案の選択肢も明快で、見習いたい。甘味とソシャゲが好きなところも、かわいい。

１巻は、被害者の苦悩、加害者の醜さ、その顛末まで濃密に描かれています。めちゃいいです。加害者の保身、他責にする姿勢、笑えるような腹が立つような悲しいような……。醜さのえがき方は、鬼気迫るものがありました。保田先生のこざっぱりとした表情や対応に安心します。

保田先生のおかげで「他人事」として楽しく読めるのが、このマンガのすてきなところだと思います。絵とマンガがうまくて最高。

どれだけ炎上しても、当事者が傷ついても、あっという間に世間では終わったことになっていく。諸行無常でした。