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ねむい

眠気はどうしてこうも突然襲ってくるのか。

特に、通勤電車で席に着くと間違いなく襲ってくる。

音も無く迫り突然背後から襲い掛かってくる。
気付いたときにはもう遅い。

微かな意識の中で隣に座るサラリーマンやOLが肩で牽制してくるのを感じる。きっと寝入った私が寄りかかっているのだろう。

眠りこけた隣の席の人が寄りかかってくるのって本当に迷惑で鬱陶しい。

今は私自身がその鬱陶しい人だ。眠りの中で済みません、済みませんと言いながら、それが精いっぱいで、それ以上は制御不能。再び漆黒の世界に連れ戻される。


ハッとして目覚めると大抵は降りる駅の2つ3つ前。
駅名を見て安心した瞬間にまた意識が遠のいている。
しかしここからは1駅ごとに目が覚める。

こうして眠ったからといって、幼いころから寝起きにぐずっていた私にとって寝覚めが良いということはない。だるい。眠い。身体が動かない。そう思いながら駅の階段を昇って改札に向かう。

通勤電車の中が唯一の読書タイムである私の時間はこうして眠りの中に溶けて行ってしまう。


思い返すと、夜布団に入る時に眠いと思った試しがない。
無いというと嘘だ。ある。
あるけれど、夜寝る前に眠いと思った時はだいたいの場合なかなか眠れない。疲れた、眠い、もうだめだ、と思いながら何度も寝返りを打って眠れない夜というのがある。

逆に、寝入りが良い時(私の場合ほぼ毎日)は、何も考えないうちに眠っていて朝になっている。だから、眠いと思う暇がない。


つまり、私が眠いと思うのは読書をしようと思っている電車の中か、昼食後の仕事中、眠れない夜のどれかということになる。学生時代は授業中も眠かった(そして寝ていた)。

どういうことだ。

私の場合の話であるが、眠くなる時に共通しているのは寝てはいけない状況ということだ。眠れない夜は当てはまらないように思えるが、きっと頭か身体が寝てはいけないと暗に言っているのだろう。

逆に、寝ていいよと言われたら眠気が飛ぶのだろうか。
いや、眠い時に寝ていいよと言われたら眠るだけだ。


待てよ。
眠ると寝るは違うぞ。


眠いとは言うが、寝むいとは書かない。

身体を横たえて静かに休息するのが寝る。
身体の動きが低下して意識が無くなるのが眠る。


眠いのは私の無意識が意識をなくせと命じているからだ。きっと。



眠いは眠りへの誘いで、眠りは仮死・・・。




考えているうちに分からなくなってきた私はいま、・・・




ねむい。



・・・・・・・zzz。

あ、・・・・・・、おわり

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