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ワクチンと感染者数

もしワクチンの効果が予定されていた通りであれば、マスコミで発表される感染者数が激減するのは説明が付くと思っている。


まず押さえておきたいのが、マスコミ発表の感染者数は、コロナに感染した人の数ではなく、正しくはPCR検査陽性者数だということ。これは行政の発表を見れば分かる。

正式にPCR検査で陽性と認定されるためには、保健所で検査結果が確認される必要がある。
そのためには、少なくとも発熱などの症状が出ている必要がある。なぜなら、症状がない人は病院にも行かないし、検査を受けようとも思わないからだ。

ワクチン接種の効果については様々喧伝されているが、厚労省の説明を読む限り確定的に言えるのは、感染しても発症しにくくなるということのようだ。感染しにくくなるとか、重症化しにくくなるという声を聞くが、その可能性があるという程度のようだ。
仮に、ワクチン接種の効果によって感染しても発症しなくなるとしたら、当然PCR検査陽性者数は減る。つまり報道発表される感染者数は減ることになる。たとえ実際の感染者数が増えていたとしてもだ。

緊急事態宣言が解除されたとは言え、大企業を中心にリモートワークが行われたり、店舗などの感染拡大防止のための努力や人々の感染防止意識が高い現状では、環境的に感染拡大しにくいものになっている。実際、街なかの人出も平時の70%程度に留まっているようだ。
ウィルスにとってみれば、このような状況下で新たな感染先と接触する機会が増えるとは言えず、これまでとあまり変わらないだろう。
その上、感染したとしても、ワクチン接種が進むことで無症状感染者が増えるため、実際の感染者数が増えても見かけ上の感染者数が激減することが想像される。

この先もし、人々の接触機会が増えれば、ウィルスにとっても感染するチャンスが増えることになる。どんなシチュエーションで感染しやすいのかは問題ではなく、人手が多くなれば単純に機会が増えるということだ。
そうなると、実際の感染者数がもっと増える。しかし無症状の人が多いので報道される感染者数はそれほど増えない。

とはいえ、感染した人のうち一定の割合で症状が出る人がいるわけで、感染者が増えれば、報道感染者数も増えてくることになる。また、ひとり感染者が出れば周囲の人もPCR検査を受けることになり、無症状感染者があぶり出される結果、ある時点から爆発的に報道感染者数が増えることになると推察される。
一旦増え始めると、増加速度は加速度的になって、これまで以上のピークを記録することになる。つまり、医療機関が崩壊したと言われるようになるレベルということだ。
しかし、あるところを境にまた急減する。
どこで下がるかは、緊急事態宣言と直接は関係なく、ウィルスが人から人へ住まいを変える機会があるかどうかで決まる。移り住んだ先がワクチン接種者だった場合は発症しない可能性があるので、まるで地下に潜ったようにひっそりと隠れて生き続けられるが、その先の移住もしにくくなる。なぜなら、咳やくしゃみで飛ばしてくれることが無くなるからだ。

とまあ、こんな風に想像することが出来ると思っているのだが、実際はどうだろうか。

この想定は、ワクチン接種が効能発揮した場合以外に、ウィルスの性質が変化した場合にも起こりうる。
例えば、人から人へ感染するものの、人の細胞内での増殖速度が極めて低くなるといったような場合だ。

人体に取り付いたウィルスと人の免疫との戦いは、戦術というより頭数といったところがあると思われる。つまり、体内でのウィルス数が少なければ免疫がやっつけることが出来るが、ウィルス数が免疫の兵隊のよりも増えてしまうとやられてしまう。ウィルス数が圧倒的に増えれば防衛隊は一気に全滅だ。
だから、ウィルスが体内で増えられなくなれば、感染しても発症しなくなる。

ここで書いたことは、私の想像に過ぎない。
予知でも予測でもない。
こんな話の夢をみたんですということぐらいに捉えて頂ければと思う。

人々は未来の見通しやこの先の道筋を予知や予測することを科学者に求めるが、本来、科学は未来予知や予測は出来ない。しても外れるのが当たり前だ。
科学が検討の際に使うのは現在までに集められたデータ、つまり過去のデータであり、それがある想定・前提の元で継続したり変化した場合にこんな推移をたどるかもしれない、ということが言えるだけだ。
過去と未来とは前提条件が変化することが普通なので、過去データを使った未来予測は、予測対象期間が長くなるほど当たらなくなる。
天気予報も当たるのは長くても1日先程度までではないか。
極めて短時間の先を予測すること以外、株価予想は未だに出来ていないではないか。
予測が付かないのが自然であって、少し先の未来予測や予知という面では科学は何も役に立たないのが当たり前なのだ。

大切なのは、現状を楽観視し過ぎず、最悪のケースを想定した上で、最善の策に思いを馳せることだ。
油断とか気の緩みとかいうことでもなく、人間は現状を正しく理解は出来ないものだということを受け入れて、思った通りにはならないことを見越した上で、想定通り想定外のことが起こった時にどう行動するか考えておくことが重要だと思う。

おわり

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