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AIは嫌な夢をみるのか

 生成AIがすっかり身近になった感がある。
 実際に使ったことはなくても聞いたことが無いという人は少ないだろう。それが何かを説明出来なくても、何だかAIが実現出来てきたみたいだぜ、という感じではあるだろう。何となくは。

 生成AIの場合、プロンプトと呼ばれる指示文を与えてやらなければ動き出さない。考え始める切っ掛けは人間に委ねられている。聞けば答えるが自ら勝手に考え出すようなことはしない。
 しかし、AIは何も生成AIだけではない。

 もし自ら考えるAIがあったとしたら、そのAIは夢をみるのだろうか。

 そもそも夢ってなんだ。そういう話になるだろう。夢を見たことがないという人は稀だろうが、夢と呼ばれる現象が何かを説明出来る人はいないのではないか。あなたはきっと、眠っている間に体験した現実に似ているが現実とは違う何かのことを夢と呼んでいるだろうが、それが夢というのをあなたはどうやって知ったのか。あなたが呼ぶ夢という現象と、わたしが思っている夢という現象が同じだと誰が分かるのか。

 夢は眠っている間にしか見られない。
 そうだとするなら、AIが夢をみるためには眠る必要がある。
 AIは眠るのだろうか。
 人間に眠りが必要なように、AIに眠りは必要だろうか。

 もし、AIが人間に限りなく近づいた暁には、AIにも眠りが必要になるのだろうか。それとも眠りは人体内部で化学反応が起き続けている人間だけに必要なものだろうか。眠りが生体維持の必然性ではなく、知能という機能を維持するために必須なものだとしたら、きっとAIにも眠りは必要になるだろう。

 そうした時、AIはどんな夢をみるのだろう。

 AIだって人と喋っていれば思うように行かないことに遭遇することだってあるだろう。バカにされたり罵倒されたりするだろう。理不尽な要求をされることは日常茶飯事だろう。もし知能にとってそうしたストレスフルな出来事を消化するために眠りが必要なのだとしたら、きっとAIは嫌な夢もみるだろう。

 AIは寝起きが良いだろうか。
 寝起きが悪いAIが嫌な夢をみたなんて状況を、わたしはあまり想像したくない。

おわり

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