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テレビの音を隣のキッチンに飛ばす②

 前回の続きで、テレビの音をキッチンでも聞こえるようにする試み。

▼前回の記事はこちら▼

前回のあらすじ

 テレビのデジタル音声出力端子から出ている音声信号をBluetoothトランスミッターで飛ばして、Blutoothスピーカーで受信するところまでやってみた。
 しかし残念ながら問題が2つあった。
 ひとつは、Blutoothトランスミッターが光デジタル信号を入力した時に信号を飛ばしてくれないことが多すぎる点。いろいろ試した中で1度だけ成功したがあとは無音だった。スピーカーとのペアリングは出来ていて、音量ボタンを押した時の操作音(?)は出ていたから、きっとトランスミッター内部の入力切り替えスイッチかDACに不具合があったのだろう。初期不良と思われるため返品した。
 もうひとつの問題は、Blutoothスピーカーが遅延の少ないAptXに対応しておらず、テレビの音が遅れて聞こえてしまう点。これはBluetoothスピーカーの仕様を良く確認していなかったことが原因。このスピーカーは風呂で使うことにした。

対策 その1 ー 無線伝送をどうする

 まず、音声の無線伝送について。
 返品となったトランスミッターと同じものを買うか、他のメーカーのを買うか、それとも何か他の方法があるか。
 調べているうちに、ふと思いついたことがあった。マイクやギターなどは随分前から無線伝送になっていて、ゲーミングヘッドフォンも無線のものがある。これらの遅延(レイテンシー)は実用レベルまで低くなっているようで、確かBluetoothではなかったはず。この仕組を転用出来ないだろうか。
 ワイヤレスマイクなどの無線伝送は使用する周波数帯の違いによってAX(A2)型、A型、B型、C型、そして2.4GHz帯という規格があるらしい。免許が必要なものもあるようだが、デジタル伝送では2.4GHz帯が多く使われ、WiFiやBluetoothもそうだし、ゲーミング機器の無線は2.4GHz帯を使用した独自規格を利用しているようだ。
 入手および転用のし安さで言うと2.4GHz帯のようだが、問題もあるという。ひとつは、この周波数帯を使用する機器が多いため干渉が起きやすいこと。もうひとつは、周波数が高い故に電波は直進性が高く、見通せるところで使用しないと途切れがちという点。今回想定している使い方からするとどちらも気になるデメリットだ。

 取り敢えず、扱いやすそうな2.4GHz帯を利用した伝送機器を探してみた。
 すると、返品したばかりのメーカーがこんな商品を出していた。

 ズバリ今回の用途にピッタリではないか!
 また初期不良があったら、と考えると不安はあったが、返品した申し訳無さも無いとは言えず、これに決めた(私が購入したのが最後の1個だったようで現在は在庫切れになってしまった。6,800円でした)。
 ちなみに、他の製品で良さそうなものを探したが、あまり需要が無いのだろう、見つけることが出来なかった。

対策 その2 ー スピーカーをどうする

 もうひとつの問題点であるスピーカー側が低遅延で受信出来ない問題は、無線伝送に上記の機器を利用することで関係無くなる。なぜなら、無線伝送のレシーバーにはRCA端子が付いていて、これをスピーカーに接続するという使い方だから、スピーカー側に無線機能は不要という訳だ。
 しかし、前回AptX対応のスピーカーを探していた時に見つけてしまったものがあった。それはこちらだ。

 こういうのは良くない。
 実に良くない。
 コンパクトで高音質。BluetoothもAptX対応(AptX LLは非対応)、ラインでも繋げる。言うこと無いじゃないか。欲しくなるじゃないか。それなのに値段は少々高い。
 こんなのを見せられたら私はどうする?
 買うしか無くなってしまうじゃないか。だから良くない。こういうのは。

 という訳で、来てしまいました。

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Audioengine A1 ワイヤレス・パワードスピーカー

 箱の中に箱。Youtubeで見たとおりです。開封過程は誰かのYoutubeを見て頂くとして、早速設置してしまいました。

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 小さいのは分かっていたけど、その予想を上回るほど小さい!
 Echo ShowとペアリングしてAmazon Musicを鳴らしてみました。
 イイ。良い音です。もちろん、この大きさにしてみればですが。必要十分です。
 電源とボリュームのスイッチが左スピーカーの背面にあるのがちょっと不便ですが、電源入れっぱなしボリューム位置そのままで使用出来れば問題ありません。

 お気づきだと思いますが、この時点でカンタ操作お手元テレビスピーカーの価格を優に超えてしまっています。分かっています。目標と予算を見失っただけです。

対策 その3 ー テレビの光デジタル出力をどうする

 使おうとしている無線伝送装置は、音声入力がRCA端子になっている。テレビからの出力は光デジタル。これをどうにかしなければならない。つまりデジタル信号をアナログ信号に変えてくれるものが必要ということ。
 Amazonを見ると下記のようなものが売っているのでこれを使用すればOKです(これ、値段の割に機能的には良いようです)。

 これをポチろうとして、ふと思いました。
 これってDAC(デジタル・アナログ・コンバータ)ということだよね。
 ということは、DACなら何でも良くね?
 この時私の頭の中では、確かPC用に使っていた古いUSBオーディオインターフェースがあったはず、これには光デジタル入力とRCA出力があったはず、ということが浮かんでいました。
 そいつがこいつです▼。

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Roland EDIROL UA-25
USB Audio Capture 24bit 96Hz

  DTM陣営には懐かしいという方もいるかもしれません。今でも全く問題なく使える仕様です。メーカーのホームページもありますね。2004年の発売のようです
 PCに繋げばギターやマイクの音を録音出来ます。MIDI端子もあるのでキーボードなどのMIDI楽器を繋いでMIDI録音することも。普通はPCにインストールしたDAWと一緒に使います。今は別の機種を使っているのでこいつはずっと眠っていました。使っていないけど売るのは勿体ないというようなやつです。
 

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前面パネル
ヘッドフォンも繋げる

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背面パネル
光デジタルの入出力もある

 これをDAC代わりに使えばいいじゃん、というわけ。
 心配は、PCに繋がないで使えるのかという点ですが、USBケーブルをテレビのUSBコネクタに繋ぐだけで無事テレビからの光デジタル音声がヘッドフォンから出ました。Amazonで見つけたものよりちょっと図体が大きいけれど、お古が活用出来るのだから良いなと思ったのも束の間、テレビ本体から音声が出ていない。UA-25が外部オーディオを機器と認識されてしまったみたいだ。
 残念だが、上で紹介したコンバータをAmazonでポチった。

秘密の構想

 じつはAudioengineのスピーカーを見た時に、私の中では単にテレビの音を飛ばすというのとは別の構想が思い浮かんでいました。当初の目標を見失ったのはこの時です。
 キッチンは隣の部屋とは言っても、リビング側の壁の一部はリビングに通じている。そして、リビング(兼ホームシアター)に座った時にキッチンは背面になる。これまで、サラウンドのバックスピーカーは置き場が無かったので天井スピーカーで代用していた。
 ここまでで勘の良い人はピンときてしまったでしょう。
 そうです。Audioengineスピーカーを無線サラウンドバックスピーカーにしてしまおうという構想です。
 これは遅延がどの程度かということが全てです。
 音質的には問題なさそうで、ボリュームの問題があるにせよ、ボリューム固定で使用出来るなら問題ない。だから遅延が許容できる範囲であれば上手く行きそうです。
 どうでしょう。やってみる価値はありそうでしょ。

無線伝送はどう?

 取り敢えず、無線伝送装置は到着したので開封してみた。

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 これもコンパクトですね。

 テレビのヘッドフォン端子にトランスミッター側を繋ぎ、スピーカーにレシーバー側を繋いだ。
 電源が入ると両機器がペアリングを始め、すぐに完了。
 難なくテレビの音がキッチンに設置したスピーカーから出た。見た目上、遅延は無さそう。素晴らしい。

次回予告

 結局DACが無いのでテレビの光デジタル出力を繋げていない状況。
 さっきポチったDACが到着したら続きをやりましょ。

つづく

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