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誕生日に何が欲しい

 誕生日のプレゼントに何が欲しいと聞かれて即答できたのは何歳くらいまでだったろうか。
 子供の頃、誕生日に何をせがんで何を貰っていたのか、どうも思い出せない。きっと何かの玩具だったと思うし、中学生になってから誕生日プレゼントを貰った記憶は無いから、欲しいものを聞かれたのはせいぜい小学生くらいまでだったのだろう。
 
 収入のあてがお小遣いとお年玉しかないとなれば、クリスマスと誕生日プレゼントが希望であり期待の全てで、聞かれるまでもなく来年の誕生日に何を貰おうかと思案していた。
 しかし1年も経てば欲しいものが変わるのが常だから、来年のことなど考えても無駄なのだ。それでも、ワクワクしながら考えるのは楽しくないわけがない。

 大人になると、欲しいものが沢山ある人と殆どない人に分かれる。自分で買える様になれば別に人から貰う必要は無くなる。だから、プレゼントは物そのものよりも相手を想う気持ちのウェイトの方が大きくなる。自分のために時間を割いて買いに行ってプレゼント選びをしてくれたというそのプロセスがより重要になる。もちろん、ものでなくても旅行や何らかのイベント事など、形の無いものもありだ。

 形のあるなしはともかく、記憶のトリガーになるような出来事が絡むとプレゼントはより印象的になる。何らかのストーリーがあって、その中のクライマックスにプレゼントが添えられれば感激も大きくなるだろう。

 歳を取ることがめでたいどころか隠したい年頃になると、祝ってもらうことが重荷になったりもするからプレゼントは二の次になりがちだ。そんな時こそ思い出深く印象に残るプレゼントを企画してはどうだろうか。
 期せずしてそんな誕生日を迎えられたら、一生忘れられない誕生日プレゼントになるかも知れない。

おわり

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