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自分で騙された
いつもはあんなに調べ、レビューや関連する紹介動画を見てから決めるのに、何故か即決して購入したら失敗した。そんな経験はないだろうか。私はある。最近もあった。
意見は人それぞれだから具体的なメーカー名や製品名は挙げない。レビューもどちらかというと高評価だったし、動画レビューも普通だ。
しかし一つだけ酷評レビュー動画があった。私はその動画を、購入後かつ一回使用後の昨日見た。見ながら、やっぱりか、と思った。
何故、その酷評レビュー動画を見ながら頷いたのか。それはその日に一度使用して私が感じたことだったからだ。私は使用しながら、あれ? と思っていた。ただし言語化するほどの違和感かと言われると自信が持てず、私がその製品に慣れていないだけと、その時は納得させていた。
メーカーは世界的にも有名な会社。その製品の直前に同じメーカーの別製品を購入して満足していたから、同じメーカーで揃えるのも悪くないと思ってしまったのだ。
要するに私の思い込みだった。
明確な理由もなく、直前に経験した良いイメージをそのままに、そのメーカーの製品だからと安易に信じてしまった。
これと同じことは人に対しても起こる。だから人は詐欺に合うとも言えるだろう。
詐欺師は最初から人を騙しそうな顔はしていない。むしろ人当たりが良く、優しそうなはずだ。そして優しそうなだけではなく、実際に優しい行動を取る。
人は自分が経験したことを通じて、この人は優しい人、つまり自分にとって安心で有益な人と感じると、それを覆すのが難しくなる。何故ならそれが他人の評価ではなく自分が実際に経験したことだからだ。そこにさらに、例えば、この人に会えて良かったわ、などといった他人の評価が加わると、好評価は確定的になる。
こうなると、その人への好評価は少しのことでは変わらなくなる。だから、その人はきっと詐欺師ですよと友人が忠告しても耳に入らなくなってしまう。それどころか、その友人が自分を非難していると感じて、それまでどんなに仲が良かった友人でも、それをきっかけに不仲になったりしてしまう。
こうなればもう詐欺師の網からは逃れられない。あとは知らぬ間に体液を啜られて、気づいたときには身動きできなくなっている。
だからこそ、こんなにニュースになっていても騙される人が後を絶たないのだ。
それでもあなたは他人事と思ってはいまいか。
騙される人に高齢者が多いのは、老人が騙されやすいからと思ってはいないだろうか。
詐欺師が高齢者を狙うのは、高齢者が金を持っているからだ。いや、金を持っている高齢者を狙っているのだ。
自分には分別があるから大丈夫だと思っているのではないだろうか。
騙されるのに分別が関係無いどころか、分別があるからこそ騙される。この人は大丈夫と判断したあなたの分別こそが詐欺被害に遭いやすくしている。
自分は若いし、金もないから大丈夫だと思っただろうか。
蓄えがなくとも稼ぐ体力がある。夢も未来もある。そんな人には楽して設ける情報商材が口を開けて待っている。あるいは投資セミナーが待っている。
あなたがこの世で一番信頼の置ける人間はあなた自身だろう。どんなに自信がない人でも、自分自身を疑い始めたら普通それは病気という。
しかし、あなたが正しいと判断したことこそがあなたを騙す糸口になる。
このことを忘れずにいるのがどれほど難しいことか、私は今回の買い物で身に沁みた。
おわり
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