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そろそろ電気の使い方を考えるべきか

 電力逼迫注意報が発令されたという。
 電力が足りない理由には様々ある。原発が稼働していないからだという声もある。
 実際の使用量推移を見てみると、1980年には約5000億kwhだった日本の発電電力量が、今では10000億kwhと倍増している。その間、人口はそれ程増えてはいない。つまり単純計算で一人当たりの使用電力量が40年で倍になった。
 電気が無くなったら生活が成り立たないだろうなと日頃思ってはいたが、これほどまで電気の消費量が増えたとは。

 思えば、1980年はまだスマホはおろかパソコンすら無く、テレビやエアコンは一家に一台、洗濯機は二槽式、冷蔵庫は今より小型で、電子レンジは3軒に一台といった具合だから、電力使用量が少ない生活だった。会社でも電卓ではなくそろばんが大手を振っていた時代だ。
 これだけエアコンやネットが普及したのだから電気消費も増えるわけだ。

 世界を見ると日本の一人当たり電力使用量は20位前後。世界上位の国には、安い電力量料金を利用したアルミ精錬やデータセンターなど、産業使用量が高い国もあるので一概には言えないが、個人の電力使用量は世界全体で増えているのではないか。
 一人当たりの使用電力量がダントツで多いアイスランドでは水力と地熱を利用し自然エネルギー100%という。
 同じく電気料金が安いカナダの使用量も一人当たりにすると日本の倍以上。

 自然エネルギーだとしても電気として使用した時点で最終的には熱に変わる。例えば水力発電では太陽エネルギーによって水に与えられた位置エネルギーを電気エネルギーに変えている。
 地熱発電は地底の熱エネルギーを電気エネルギーに、風力発電は大気の移動、つまり熱エネルギーを電気エネルギーに変えている。
 電気エネルギーは仕事をするとともに、一部が熱エネルギーになって大気に放出される。
 一見クリーンに見える自然エネルギーであっても、利用することで地球の熱エネルギーは増加する。完全にクリーンなのではなく化石燃料よりは良いかもということだ。

 私達の電力消費が増え続け、そうでないと生活が成り立たないとしたら、待っているのは持続可能な社会ではない。
 エネルギーが無尽蔵にあって無限に利用できるという思い込みは根強くて、頭ではそんなことはないと分かっていながら本当には理解出来ていない。
 個人的にSGDsはどうでも良いが、エネルギー消費の仕方を見直すことは必要ではないか、と電力逼迫注意報と聞いて思った。

おわり
 

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