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PICO4 を買ってみた。

 中国のPico Technology Co., Ltd.が世界に提供する最新のVRゴーグル。
 あらゆる物価が上昇し、かつ、円安が進む中、その価格は128GBモデルが49,000円(税込)、256GBモデルが59,400円(税込)と挑戦的な価格だ(日本国内での販売元はPico Technology Japan 株式会社)。

 PICO4はコンシューマー向けVRゴーグルのうち、ケーブルでPCなどに繋がなくても楽しめるスタンドアロン機だ。これまでこの分野のデファクト・スタンダードとなっていたMeta Quest 2と同じ価格帯、同様スペックのモデルとして、このPICO4の価格はさらにその下を行くことになった。
 Meta Quest 2 の128GBモデルは直近の値上げによって59,400円になってしまったから、事実上、デファクト・スタンダード争いの狼煙を上げた形となっている。
 これから新たにVRゴーグルを買ってみようという方の選択肢として第一候補になりえるモデルになった。

開封

 私は128GBモデルをヨドバシ.comで購入した。
 ヨドバシの箱、PICOの外箱、PICOの中箱と箱の入れ子になっている。ヨドバシの箱はいらないかも。

画像2
ヨドバシカメラから届いた箱
箱を開けると箱
そしてまた箱
出てきた中箱

 PICOの内箱は外側のグレーの部分をスライドすると中箱が出てくる(良くあるパターン)。
 が、スライドした状態の写真がロゴみたいでカッコいい。

グレーの部分をスライド
中から白い箱が出てくる

 で、フタを開けると、こんな感じ。

PICO4おでまし
上がMetaQuest2
下がPICO4

 写真で見る通り、PICO4長い!
 このストラップは外せない。
 そして、コントローラーがデカい! 特に輪っかの部分。
 写真上のMeta Quest 2のケースはAmazonで買ったサードパーティ製。PICO4用のはまだ販売されていないようだ。何か良いケースが販売されるまで、どうやって置いておくか考えなければならない。

第一印象

 詳しいスペックや解説については下のミスターVRさん動画にお任せするとして、ここでは素人の私が開封して使ってみての第一印象を記録しておきたい。

▼ ミスターVRさんの紹介動画 ▼

視野角

 私が最初の装着した際にまず感じたことは、「視野が広い」ということだった。MetaQuest2の視野角100°に対してPICO4は105°と言われているから僅か5°の違いだが、それでも広さを感じた。
 もっとも、人間の目の視野角は両目で200°くらいあると言われているから、初めてVRゴーグルを使う人にとってみれば、狭っ、と感じるだろう。何かを覗き込んでいる感じには変わらない。

瞳孔間距離調整

 PICO4の場合、手動もしくは電動で瞳孔間距離調整が出来る。
 しかし、スタートアップ設定の中で調整することになるので、一番最初の電源オン時にはズレた状態。だから見え方が少し変。最初だけだが、初めての人は「えっ!」とならないように。

VR酔い

 私はMetaQuest2を使用してVRゴーグルをただ装着するだけで酔うことは無かった。
 ところが、このPICO4は最初に装着した時点で軽い酔いを感じた
 瞳孔間距離が合っていなかったからかもしれないが、別の要因も考えられる。
 VRゴーグルを装着するとロビー画面が見えるが、この時、頭を動かしても中の世界の見かけの景色は動かない。つまり、身体の正面にあるオブジェクトは頭を動かして正面にあり続ける。首を右に振ればオブジェクトは左の方に動いていく。
 実世界で当たり前のこの動きを実現するためにVRゴーグル内では表示する画像を首の動きに合わせてその反対方向に動かしている。
 この首や身体の向きの移動に対して、画面表示の動きがスムーズに追従しないと酔いの原因になる。身体の情報と視野の情報がズレて脳に到達するためだろう。
 PICO4を最初に装着した時、首を大きくは動かしていないにもかかわらず酔いを感じた。良く見ると、中の画像の動きがごく僅かではあるがスムーズではない。
 ファームウェアのアップデートを促す画面が表示されていたので、それを実行してみると、この追従ズレは感じなくなったので、ファームウェアの問題だったのかもしれない。
 まず第一にファームウェアのアップデートを行うことを強くお勧めする

装着感

 PICO4は頭の後部のバックルにあるダイヤルを回して締め付ける仕組みになっている。この他、頭頂部のバンドがある。私は最初、この頭頂部のバンドをあまり緩めずに装着していたのに気づかず、ずいぶんと頭の上の方に固定するのだなと思ってしまったが、頭頂部バンドを十分に緩めてから装着すれば問題無かった。
 フィット感が無いと思われた方は、まずは頭頂部バンドを緩めてから装着してみることを試して欲しい。
 装着感は問題ない。
 多少激しく動いてもズレてくることはなさそうだ。その点はMeta Quest2よりは良いだろう。

見え方

 VRゴーグルは正しい位置に装着しないとクリアな視界が得られない。
 見え方がおかしい、何かボヤケていると思った方は装着しなおして見ることをお勧めする。
 Meta Quest 2に比べて画質はどうか。
 正直、どちらも変わりないと思った。評論家的な見方をすれば違いが無い訳はないだろうが、使用している時にはあまり画質をまじまじと見たりはしないものだ。特に、動きのあるアプリだと全く気にならない。
 どちらも画質は素晴らしい
 ただ、VRゴーグルが初めての方にとっては、こんなもの? と思われるかもしれない。VRゴーグルの画質は良くなったとは言え、そんなものだ。PCやテレビのモニターに顔を近づけて画面の見てみて欲しい。近づけば画素の粗さが見えてくると思う。VRゴーグルの表示装置はモニターなどより細かなものが使用されているがそれでも画素感がある。
 しかし、これについてもアプリを使用する分には感じなくなる。動画に求められる解像度って案外低いのかもしれない。

アプリ

 正直、アプリは少ない。
 この点はMeta Quest 2には及ばない。ただし、今後は増えていくと思われるから時間の問題かもしれない。
 また、Meta Quest2で使っていたアプリを使うことは出来ないから、新たに購入する必要がある(当たり前だ)。
 PCと繋いでSteamVRを使うことで解消出来るかもしれないが、まだ試していない。

動画

 Amazonプライムのアプリアイコンがあるものの、実際には専用アプリというよりもブラウザでアクセスする仕様だし、Netflixのアプリは無い。DMMもブラウザでアクセスする形式。従ってDMMのVR動画は見られないらしい(ミスターVRさん談)。なので、アダルティなVR動画を見たいという方はMeta Quest 2の方が良い。

不具合?

 フィットネス系のアプリ「BodyCombat」を使用していた際に不具合かなという現象に遭遇した。
 このアプリは飛んでくるオブジェクトをパンチするボクササイズ系のフィットネスアプリだが、左手のパンチが空を切ることがしばしばあった。パンチを出す際の手や腕の軌道によってはハンドトラッキングが上手くいっていないのかもしれない。思いっきり振ったパンチが空振り判定になると何とも虚しいので今後改善されることを期待したい。

気になった点

 Meta Quest 2と違って気になった点がひとつ。
 それは冷却ファンの音だ。
 爆音というわけでは全く無いが、最初は家の中の別の場所で何かファンをつけっぱなしにしたかなと錯覚して気になった。このファンのお陰で過熱が防げるのだと思うのであった方が良いのだろうが、無ければ無いに越したことはない。熱々になる前に電池が無くなる方が早い気もするし。

注意点

 ファームウェアのアップデート後に表示された注意画面で、レンズに太陽光を当てるなという警告表示がされていた。少しでも太陽光を当てた場合、破損しても保証の対象外になると書かれている。
 太陽光を当てるとレンズが破損するとは穏やかではないが、紫外線の影響を受けるということなのだろう。レンズにUVカットコーティングでもされていれば良いのだろうが、レンズの耐久性が少し心配になった。

感想

 まだ使い込んだ訳では無いので現段階での印象の話しか出来ないが、このVRゴーグルはお勧め出来るモデルだと思った。
 やってみたいVRアプリが対応していないのであればMeta Quest 2 一択だと思うが、そうで無いのであればPICO4を選択することも十分ありだろう。
 使用感はほぼMeta Quest 2 と同じで価格は安いのだから、問題となるのは対応アプリの数だけだろう。
 宣伝文句ほど軽さは感じなかったものの、前後のバランスは間違いなくMeta Quest 2より良いし、視野角、画質も上々。
 まだ販売されたばかりなので、今後のアップデートでどう変わっていくのか、MRアプリがどこまで開発されるのか期待値は大きい。
 逆に、数年が経っているMeta Quest 2 は動作の安定性は保証されているし、ネット上に出回っている情報が多い。MODを使い倒したいという人や少し特殊な使い方をしてみたいという人はMeta Quest 2の方が良いかもしれない。
 実は、PICO4は子供達に使わせようと思って買ってみたところがあった。しかし、息子達には悪いが、しばらく自分で使ってみたいと思った。

初めてVRゴーグルを買ってみようという方へ

 記事の中でも初めて買う人へのコメントを書いたが、もう一点添えるとすると、VRゴーグルはそれほど電池の持ちが良くないということだ。
 長時間のプレイや動画鑑賞には期待しすぎない方が良い。
 昔に比べると格段に良くなっているが、画質にも期待しすぎない方が良い。 
 それに夏場は結構暑い
 さらに、フィットネス系アプリなどは別として、動き回るゲームや視界の動きが大きいゲームなどは間違いなく酔い易いということ。これは人によるのかもしれないけれど、私の場合は、酔ったことで嫌になってやらなくなったゲームが複数ある。
 そして一番重要なことは、すぐに飽きるということだ。
 新しいもの好きや、これでフィットネスをやろうという強い目的意識がある人は良いが、そうでなくてただの興味とか、メタバースってどんなだろうという感じで購入すると、すぐにホコリを被ってしまうことになるのは保証する。
 最初こそゴーグル内に広がる光景に感動するかもしれないが、そんなのはすぐに飽きる。それはVR動画だとしてもそうだ。目の前に可愛い娘がとトキメクのは最初だけだ(これらの印象には個人差があります)。
 実用上の必要性がある人やどうしてもVRゲームをやってみたいという人、VR動画をどうしても見たい、VRチャットをやらざるを得ないという人にはVRゴーグルはお勧めだ。用途に合わせた機種を選択して楽しんで欲しい。

補足(過去に行われたキャンペーン情報)

PICO社キャンペーン

 現在、PICO社ではアプリプレゼントのキャンペーンを行っている。応募期間は2022年10月16日(日)23:59までなので、買う予定のある方は早めの検討をお勧めする。
 なお、応募期間となってはいるが、私の場合、購入してアカウント取得し、ストアログインしたら自動的に適用されていてアプリのダウンロードが出来た。
 この3つのアプリはどれもお勧めで、特に最初にVRを試してみたい方には「All in One Sports」などは楽しめるのではないか。

PICO社でのキャンペーン

ミスターVRさんのキャンペーン

 残された時間が少ないが、記事でも登場したミスターVRさんが本日10月10日23:59までの限定でPICO4などの自腹プレンゼントキャンペーンを行っている。
 応募には条件があるので以下のツイートを参考に検討されてはどうだろうか。


 


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