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新型コロナ対策 新たなフェーズの始まりに向けて

11月初旬頃までに2回のワクチン接種を受けて貰う。これは政府が現在考えている目標だ。
これは何を意味するか。
これから迎えるであろう新たな社会に向けて、私の中の考えを整理してみた。

感染リスクは下がるのか

ワクチンによって感染するリスクが下がると思っている人がいたらそれは間違いかもしれない。この記事で書いたように、ワクチンの効果は発症予防効果であると厚労省は示しており、感染リスクとは直接関係ない。

ワクチン接種した人が増えて、人流抑制が開放されれば、感染機会はむしろ増えることになると懸念される。
感染するリスクは増えるものの、感染することによるリスクは下がるというのがワクチンの効果だろう。

感染するリスクは今後も下がらない中で、ワクチン接種が進んだ暁には政府は様々な制限を緩和する方向で検討しているようだ。
これはどういうことか。

新たなフェーズのはじまり

11月までのワクチン接種と、その後の制限緩和は、いよいよ日本も新型コロナ対策の新たなフェーズに向けて動き出したということではなかろうか。
自粛や制限で厳しい環境下に置かれて来た人々にとって、待ちに待った時がいよいよ来ると期待していることだろう。

これまで感染拡大防止と経済を回すことが二者択一のように論じられることが多かったが、本来これらはそれぞれ全く関係性が無いことだ。感染拡大防止をしながら経済を回す術を模索する暇が無かっただけなのかもしれない。法整備が難しいということだったのかもしれない。
経済活動を止めずに感染によって亡くなる人を極力減らす何らかの方策はありえたのかもしれないが、今それを言っても仕方がない。

コロナ対策の新たなフェーズでは、これまでのような制限は緩和され、結果として人々の接触機会が増えることによって、感染拡大することは間違いないと思う。なぜなら、ワクチン接種は感染拡大を防止する効果を持っていないからだ。
しかし恐らく、感染拡大後に即、人流抑制とはならないだろう。
ワクチンの効果によって感染が拡大しても発症する人の数が極めて少なくなると期待されているからだ。
感染者数が増えても医療をひっ迫するような患者増は起こらないと期待されているからだ。

もしかしたら現在行われている自宅療養主体の感染者対応は、11月以降に来る次のフェーズの予行演習やテストだったのかもしれない。

フェーズ切替のタイミングは

ワクチン接種がどこまで普及すれば次のフェーズにステップアップ出来るのかは分からない。少しずつ緩和してみて、様子を見て、入院が必要となる患者数の傾向を追ってみないと何とも言えないだろう。

従って、その時になったらパッとすぐに新たなフェーズに切り替わるというのではなく、少しずつ試しながら様子を見ながら、時には緊急事態宣言を出して人流抑制を図ったりしながら進めて行くだろう。

つまり、フェーズ切替はタイミング的に行われるのではなく、極めて緩やかに遷移していくように行われると思われる。

新たなフェーズでの生活様式

さて、新たなフェーズでの社会を想像してみよう。
新フェーズでは、無症状感染者が増える。しかし発症者や重傷者はそれほど増えない。従って医療ひっ迫も現在ほどにはならない。入院が必要な人が救急車でたらい回しになるということも少なくなる。

でも、そこら中に隠れた感染者がいるということは、急にみんなが街に繰り出したり、飲み会を始めたり、旅行をしたりすれば、すぐに感染爆発となるため、急激な人流抑制が必要になってしまう。
だから人々もこのことを良く頭に入れた上で、少しずつ少しずつ緩和していくよう取り組むことが求められるだろう。
これまでと同じように注意を払いながらも、感染を極度に恐れることなく感染症とも人とも適度な距離感を持つことが皆に要求されるだろう。

ワクチン効果は恐らく半年程で弱くなってしまうので、ワクチン接種は2回で終わりではなく、しばらくは継続していかなければならない。

繊細なアクセルワーク

新型コロナに明確な終焉は無いかもしれないが、何年も掛けて、ほんの僅かずつ以前の生活様式に戻していくような、極めて繊細なアクセルワークが重要な時が目の前に来ている。
アクセルを踏む指示をするのは政府かもしれないが、実際にアクセルを踏むのは個々人だ
急加速して激突したりしないよう、時にはブレーキペダルにも足を置きつつ、じんわりとアクセルを踏むためのイメージトレーニングをしておくと良いかもしれない。

おわり


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