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世界は一つという優しい思想(スピノザ「エチカ」)

エチカは、スピノザという17世紀の哲学者が執筆した哲学書。

神様を定義しているので、宗教書とも言えるかも。ただ、そんなにスピリチュアルな感じはない。割と現代人の価値観にマッチする思想だと思う。アインシュタインも「スピノザの神を信じる」と言ったらしい。

私はスピノザのエチカがとても好きで、スピノザの思想を知ったおかげでかなり生きやすくなった。そこで、エチカの中で私が特に好きな考え方をいくつかピックアップしてまとめます。

ちなみに、今の私が解釈したエチカの話なので、スピノザが意図したところとは違ったりするかもしれないし、明日の私はまた違う解釈だったりするかもしれない。それもまたエチカのすばらしさの表れ(可能性は無限大)ということにして大目にみてください。

しかもちゃんと読んだのは少し前なので、記憶があやふやになっている部分もある…けど、とりあえずアウトプットします!

・。・。・。・。・。・。・。

「私って生きてる価値あるのかな」
「なんのために生きてるんだろう」
「なんであの子にはできて、自分にはこんなに難しいんんだろう」
「なんで世界では良いことも悪いことも起こるんだろう」
といった疑問には、「世界は一つ」という考え方を応用するとうまく答えられるような気がする。(個人的には納得感があった)

私の解釈なので、スピノザによって明確に定義されてるわけでは無いけど、近いのはこのへん?

第一部 定理11
神、あるいはおのおのが永遠・無限の本質を表現する無限に多くの属性から成っている実体は必然的に存在する

スピノザのいう神は、体も精神も感情も持たない、あらゆる属性が無限の存在なので、個人的には「神」と呼ぶより「世界」と呼ぶ方がしっくりくる。

スピノザの定義では、実体は1つしか存在せず、実体のなかに含まれるものはすべて様態(形を変えて実体を表現するもの?)である。

私の理解は、世界という一つのまとまりがあり、私たち人間や植物や動物やそのほか諸々のものは、それぞれ世界の一部を担っている、ということ。

しかも、スピノザは物事には必ず原因があり、その原因にはさらにまた別の原因があり、さらに…というように原因の連鎖が永遠に続いていると考えている(たぶん)

つまり、今の世界は、このようにあるべくしてある、ということ。必然!

ちなみに、人間の知能では、そのすべての原因を把握することはできないとも言っている。(そりゃそうだ)

え、こんな優しい思想ある?!(心の声です)

一人一人が、世界を構成するかけがえのない存在である、と考えても差し支えないのではないかと思う。

とにかく過去と現在はまるごと肯定できる考え方で、救われる。

原因の連鎖が続くと考えると、なんだか未来も既に決まってるんじゃないか?って気がするけど、たぶんそうではない…はず。

人間に関して言えば、より物事の原因を認識できるようになれば、自分自身を原因とするような行動をすることができる。(あんまりいい例えじゃない気がするけど、なんとなくお昼にラーメンを食べるんじゃなくて、その日の体調や栄養バランスを考えてサブウェイを食べるとか…?うん、まあ、難しいからいいや)
能動的に行動できるよ、ってことが言いたい。

私は
「生きてることってすばらしいんだよ」
「あなたが生きている今日は、誰かが強く生きたいと願っていた時間なんだよ」
「自殺したら地獄に落ちるよ」
的な考え方にはあまり共感できないし、
別にそれで励まされたり、勇気をもらったりしないから、
単純に「あなたは世界の一部です」って言われた方が嬉しい。
世界の一部であることに価値があるか?というと別にそこにそんなに価値はないと思う。

重要なのは、この世界に存在する時間の中で、私がどういう時に喜びを感じることができるのか?ということ。

スピノザは、喜びについても定義している。
それは、また次回にしようかな!!

また来週〜

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