ねじねじ録#3優しさの材料を読んで

思い出したことがある。
早朝から深夜まで撮影をしてその合間に雑誌の取材を受ける日もあって休憩時間は殆どないはずなのにふんわりと笑っていて心に余裕がないわたしが他人に強く当たるたびにあの芸能人の顔がチラつく。
どうしてそんなに優しいの?ってずっと思ってた。完璧に優しい人間に見えてもそんな人間はいないと思う。余裕がないときや疲れてるときに優しく接するのは難しい。だから変わろうと思って意識的に変えてきた人なのかもしれないって思っていたけど
どうやらあの芸能人はプライベートでも同じ穏やかさらしい。信じられない。ああもう素でそうなんだって気付いたときは衝撃的だった。なにを見てどう育ったらそんなに穏やかになれるのか考えはじめてすぐにわかってしまった。土台からして違うことに。目の前が歪んだ。

年齢を重ねるにつれて周りの感情に振り回されない芯のある穏やかに人になりたい気持ちが強くなった。そうなるためにはどうなればいいのかうんうん悩み「心の安定が必要で疲れにくい体を作ること」に着地した。幾度となく「筋トレするか〜(軽い)」と決心しては数日で忘れてきた歴史があるわたし。なんて情けない。意思の弱すぎるわたしが発見したのはまず日課にすること自体が難しいことだった。
「優しさの材料」を読了したら運動不足の格好悪い私が目の前にやあ!って現れて目が合った。無理せずに続けられそうなほんの小さなことからまた探して初めてみようと思います。
何年か後に今の自分よりほんの少しでも優しくなれてたら成功だよね。

#みんなの文藝春秋 #ねじねじ録

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